悩める写真管理&バックアップに福音?「Googleフォト」を使いこなす

第5回:編集機能はフィルタが中心

スマホアプリとしては一通り網羅 もちろんシェアも可能

Googleフォトは、簡易ながら編集機能を搭載している。

しかも、スマートフォンアプリを使わないと手動作成できなかったクリエイティブと異なり、PC版(ブラウザ)からも利用できる。とはいえ、ちょっと使った感じでは、PCのモニターを使わなければならないほど細かい編集は行えないので、作業デバイスにこだわる必要はなさそうだ。

編集機能を利用するには、編集したい写真を表示し、「鉛筆」アイコンをクリックする。編集項目としては、「基本的な補正」「色フィルタ」「切り抜きと回転」という3つが用意されている。

「基本的な補正」では、色味などを自動で編集するワンタッチ補正「自動」のほか、スライドバーを使って調整する「明るい」「色」「ポップ」「周辺減光」という4つの項目が用意されている。

「色フィルタ」は、いわゆるフィルター効果を写真に付加する機能。「Mars」「Saturn」「Venus」など、惑星・衛星の名前を採用した11種類のフィルタが用意され、それぞれ効果の掛かり具合をスライドバーで調整できる。

また、フィルタ効果や編集を行った後に「比べる」または直接画面をクリック(タップ)すると、編集前の元写真に切り替わる。元写真と簡単に比べられるので、細かな調整をする場合は活用しよう。

「切り抜きと回転」では、傾きを自動で補正する「自動」のほか、左右のドラッグ(スライドバーの調整)で任意のポジションに回転させられる機能、90°左回転機能などの回転機能とトリミング機能が利用できる。

全ての編集が終わったら、「保存」をクリック(タップ)すれば、上書き保存される。もし上書き保存が嫌なら、「コピーを保存」を利用することでオリジナルとは別に保存可能だ。コピーを保存を利用した場合も、データはGoogleフォト ライブラリに保存されるので、他のデバイスを使って閲覧可能だ。

Googleフォトの編集機能は簡易的なものしかなく、こだわりたいのであれば、やはりPhotoshopやLightroomなどのソフトを使いたいところだ。

これまでも同種のサービスとして紹介してきた「Eye-fiクラウド」と比較すると、むしろ編集機能は多い。Eye-fiクラウド上でできる編集といえば、左右の回転とトリミングのみだ。ただし、Exif情報の表示はGoogleフォトよりも細かく表示できる。

Eyefiクラウド(PC版)の画面例

Eye-fiクラウドとしては、「カメラ」や「タグ」を利用して、膨大な数の写真から目的の写真をいかに効率よく探し出せるかに力を入れており、Eye-fiクラウドを使ってどうこうするのではなく、Eye-fiクラウドにアップロードすることが最終地点であることがうかがえる。

カメラ名
タグ

「統計」などは、写真をどのような状況で撮っているのかという、たくさん写真をアップロードするほど正確な情報が得られる機能。この辺からもそういったことがわかる。

統計

写真を探し出すという意味では、Googleフォトも同社の検索アルゴリズムを活かした「検索」により、検索性の向上が図られているが、使い比べた感じではEyefiクラウドのほう使いやすかった。ただし、Googleは頻繁にアップデートを行うので、今後の更新次第では、よりよくなる可能性は秘めている。

編集や検索といった機能のほかに注目したいのが「共有」だ。

通常、撮った写真を渡したいなら、メールなどを使って送るか、あるいはソーシャル機能を使って共有する方法がある。

Googleフォトでは、それらのほかに「リンク」機能があり、選択した写真から共有可能なリンクを取得して「URL」を生成。共有したい人にURLを教えれば、リンクした写真にアクセスできるという仕組みだ。

「リンク」は、Eye-fiクラウドにも搭載され、Googleフォトが初出の機能というわけではないが、大量に写真をアップロードするサービスとの相性は良く、誰かと共有したいといった場合に力を発揮する。

わざわざ写真を加工することなく、また他のサービスを利用したり、容量を気にしたりしなくてもよいので、写真を誰かと共有する手段としては最も手軽な方法だといえる。

なお、Googleフォトでは、「共有リンク」でリンクの再取得、削除が可能。リンクしたコンテンツ数がチェックできるだけでなく、リンクした画像のみを表示するといったことにも対応する。

これまで、容量無制限ということで、GoogleフォトというサービスをEye-fiクラウドと比較しつつみてきたが、サービスとしては似ているところもあり、また特徴(差)が強く出ているところもある。そういった意味では、どちらが良いといいにくいのだが、無線LAN機能非搭載のデジタルカメラユーザーであれば、まちがいなくEye-fiクラウドをオススメするし、逆にスマートフォンをメインに撮影しているユーザー、そして無線LAN機能を搭載したデジタルカメラを所有しているのなら、Googleフォトが使いやすいだろう。

GoogleフォトやEye-fiクラウドは、サービスの質というよりも、利用している環境、撮影機材で選ぶのがわかりやすいのかもしれない。

飯塚直