フォトアプリガイド:【iOS】miil(ミイル)
今回紹介するのは、フォトアプリというにはちょっと毛色の違うアプリ。外食したとき、料理を写真に撮ってツイートする人は多いと思う。そんな人にお勧めしたいのが「miil」(ミイル)というiOSアプリだ。
miilのメイン画面。ここでフォローした参加者の写真を時系列に見る |
大雑把に解説すると、撮影した料理の写真にコメントを添えてアップロード、加えて位置情報から割り出された店舗情報も付加。それをフォロワーと共有する、という内容になる。
要するに、写真付きで「きのこ蕎麦なう」「帝国ホテルの珈琲キタ!」とかツイートする一連の作業をスマートにしたものといえる。「自宅」や「会社」も設定できるので、外食だけでなく自炊派も活用可能だ。
対応ハードはiPhone 3GS、iPhone 4、iPhone 4S、iPod touch(第4世代)、iPad 2。iOS 4.0以上で使用できる。
この手のアプリでメジャーなのは、iOSだと「Mog Snap」だろう。アップロードされた写真が公開され、それを見た誰かが「たべたい!」ボタン(miilは「食べたい!」ボタン)を押す。「たべたい!」が押された回数は撮影者にもわかり、写真を公開するモチベーションにつながる。公開する内容はTwitterへもシェアできるなど、miilとMog Snapにはいくつかの共通点が見られる。
ただしMog Snapは、不特定多数の参加者の中で「たべたい!」と「たべたがられ」の数を競い、それをもとにした「MogMog LEVEL」を上げていくという、向上心や上昇意欲をくすぐるゲーム性を特徴としている。
一方miilは、フォローしたメンバーの写真を見るのが基本スタイルとなる。ただし、「食べたい!」がたくさんついた写真については、フォロー・フォロワー関係なく「HOT」という特設欄で紹介される。HOTに入るとフォロワーが増えるきっかけになるわけで、熱心な利用者はHOTを目指すようになる。このへんは「Instagram」と同じシステムだ。
加えてmiilは後発だけに、次の要素も特徴としている。
まず、店舗情報を付加できるところ。店舗名、ジャンル、住所、電話番号などをシェアできる。おそらく、4squareの情報をもとにしていると思われる。
また、自分が「食べたい」ボタンを押した料理は、「マイページ」の「食べたい! お店」に保存される。上記の店舗情報も蓄積されるので、いつの間にか行きたいお店のリストができ上がる仕組みになっている。
店舗情報を検索して加えられる | コメントも。本アプリに加えて、Twitterも共有先に選べる |
「食べたい!」を押した店はマイページから情報を確認可能 |
マイページ。自分の投稿した写真も確認できる |
さらに良くできているのが、写真の補正機能だ。写真をアップロードする前、写真の中央にポインタが現れる。これを縦に動かすと明るさ、横に動かすとホワイトバランスが変化する。ご存知の通り、外食時の「ちょい撮り」写真といえば、露出やホワイトバランスの調整は基本的なテクニック。それらを簡単でわかりやすいインターフェイスに落とし込んでいるところを評価したい。
中央のポインタを上下左右に動かせる | 上下が明るさ、左右がホワイトバランス。明るさと赤みを強めてみた |
ちなみに明るさの補正は、露出補正というより暗部補正に近い。ハイライトを保持したまま、シャドウを持ち上げてくれるので、照明の関係で影になった部分を、ある程度周りに合わせた平坦な明るさにできる。こういうところも、外食時の「ちょい撮り」の現場を良くわかっている仕様だと思う。
補正機能はこれだけだ。凝ったフィルターやぼかし機能などはなく、せいぜいフレームを選べる程度となっている。むしろ明るさとホワイトバランスに特化した点こそ、このアプリの持ち味だろう。利用者の要望により、いずれは彩度やトンネル効果といった調整も可能になるのかもしれないが、食べるまでに時間がかからない分、現状でも良いのではと思う。いかに少ない手数で必要十分な要素をシェアできるかというコンセプトを、絶妙なバランスで実現しているアプリだと思う。
フレームを変更可能。Instagramっぽいインターフェイスだ | |
その場で撮影した写真のほかに、カメラロールなどに保存されている写真も投稿できる。その際にも、明るさとホワイトバランスの補正が可能だ。
また最新バージョンでは、現在地以外の位置情報を投稿できるようになった。リアルタイム性にこだわらないのなら、デジタルカメラで撮影→帰宅してからiPadに写真を転送→本アプリで情報を付加して投稿……という流れも可能になった。もちろん、iCloudのフォトストリーム経由で流れてきた写真も利用できる。
フォトアプリとは離れたレビューになってしまったが、食事を写真付きでツイートせずにいられない人に、このアプリをぜひお勧めしたい。ただし、(いまのところ)参加者のグルメっぷりがものすごいので、HOT入りしたいのなら、それなりに投資も必要になるかもしれない。
最近になって、現在地以外の店舗も検索できるようになった。つまり、食事のあとに投稿が可能だ |
2011/11/4 00:00