フォトアプリガイド:【Android】Retro Camera

~ノスタルジックな写真が簡単に撮れる
Reported by 本誌:武石修

 スマートフォン用のアプリを中心に、デジカメWatchがピックアップした「フォトアプリ」を随時紹介します。なお、機能や価格などの内容は執筆時のものです。

 今回は、カメラアプリの中では超定番ともいえる「Retro Camera」(Ver.3.6、Urbian製)を採りあげたい。価格は無料。Android 1.6以上に対応している。今回は、サムスン「GALAXY S」(NTTドコモSC-02B、Android 2.3)で試してみた。

Retro Cameraの起動画面

 iPhone用としておなじみだったRetro Cameraだが、Android版も登場している。その名の通り、古いカメラの写りを再現するアプリだ。実在のカメラの写りを模しているらしいが、基本的にはトイカメラアプリということになろう。なお、画面の広告が表示されなくなる有料版の「Retoro Camera Plus」(約240円)もある。

 選択できるカメラは「Barbl」、「Little Orange BOX」、「Xolaroid 2000」、「The Pinhole」、「FudgeCan」、「Hipsteroku」の6つ。単にトイカメラ風の描写になるだけでなく各カメラに応じたフレームが付くので一層ノスタルジックな仕上りになる。

 まず、カメラのイラストの画面でスクロールさせながら撮影したいカメラのモデルを選ぶ。するとすぐに撮影画面になる。このアプリにはあまり細かい撮影設定がない。それだけに英語版ではあるが、迷わずに使えるだろう。

写真の閲覧モードでは、“プリントを乾かしている”ところを再現。スクロールで快適に見ることができる共有の画面もハガキ風と洒落ている

 カメラの背面にあるファインダーから覗くような雰囲気で撮影できるので、一層カメラを使っている雰囲気が味わえる。操作としては、画面上のシャッターボタンアイコンを押すだけ。AFが合焦して撮影される。撮影画面自体も各カメラによって違っているのがまたおもしろい。なお、カメラによってはモノクロを選択できる場合がある。いずれのカメラもアスペクト比は正方形のみとなっている。

 それでは、個々のカメラにおける描写を実写画像と共に見ていこう。なお、撮影サイズはデフォルトのサイズ(960×960ピクセル)で撮影した。アプリの設定で「HIGH RESOLUTION」(1,920×1,920ピクセル)も選択できるのだが、撮影直後の処理時間がかなり掛るのに加えてフレーム部分の画質が粗くなってしまうため、デフォルトのサイズが実用的と思ったからだ。

実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、600×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍(960×960ピクセル)で表示します。

Barbl

カメラ選択画面(左)と撮影画面(右)

 モデルになったカメラは不明だが、選択画面にはM型ライカのようなイラストで登場する。説明画面には、「ライプチヒ 1951」とある。彩度は低め、コントラストはミディアム。モノクロ設定はない。セピアというほどではないが、“色褪せた昔の写真”という趣になる。茶色のフレームが付く。

Little Orange BOX

カメラ選択画面(左)と撮影画面(右)

 これもモデルになったカメラはちょっとわからない。説明には「USSR 1975」とあるので、旧ソ連のカメラのようだ。クロスプロセシングをシミュレーションしており、彩度は高め。コントラストも高い。周りがギザギザになるフレームが付く。モノクロの設定も可能。その場合は、ややコントラストは高いがトイカメラというほど過激な描写にはならない。

Xolaroid 2000

カメラ選択画面(左)と撮影画面(右)

 「サンフランシスコ 1972」との説明だが、ポラロイド2000がモデルであろう。これもクロスプロセシングで高コントラストの描写だ。ポラロイド写真のような下側に空きのあるフレームが付く。四隅の周辺光量低下とプリントキズのエフェクトが掛る。モノクロも設定可能。

Pinhole

カメラ選択画面(左)と撮影画面(右)

 おそらく35mmフィルムを使用したピンホールカメラを模したものだろう。「80年代の自作カメラ」との説明だ。彩度は低めで、コントラストはやや高い。カラーバランスを崩した仕上りになる。おもしろいのは、パーフォレーションまで含んだフレームが付くことだ。周辺光量低下とフィルムのキズを再現している。モノクロ設定可能。

FudgeCan

カメラ選択画面(左)と撮影画面(右)

 これまたオリジナルモデルは不明だが、1961年製のカメラらしい。低彩度で、コントラストはミディアム。ややグリーンっぽい仕上りになる。周辺光量も低下する。フレームは付かない。モノクロも選べる。

Hipsteroku

カメラ選択画面(左)と撮影画面(右)

 日本のトイカメラとあるが、やはり元の機種は不明。彩度はミディアム、コントラストはやや高い。画面に光線漏れと思しき赤っぽい部分が現れるのが特徴。カラーバランスも崩れ、ややざらつきのある仕上りになる。周辺光量は落ちない。スタンダードな白のフレームが付く。モノクロの設定はない。

 以上のように試してみたが、無料でこれだけバリエーションを楽しめるのはありがたい。機能がシンプルなので、スマートフォン初心者やカメラに詳しくない人でもすぐに楽しめるだろう。また、FacebookやTwitterなどへの送信機能も有しているのも嬉しい。まだインストールしていない人は是非試してみて欲しい。

 なお、iPhone版のRetro Cameraは「Retro Camer Plus」という名前で出ている。こちらは無料となっている。



(本誌:武石修)

2011/6/20 00:00