写真展告知

西野嘉憲作品展:島に根を張る 石垣島上由台灣人墾殖的村莊

©Yoshinori Nishino

人と野生の関わりをテーマに、日本各地で取材を続けている写真家の西野嘉憲氏による作品展「島に根を張る 石垣島上由台灣人墾殖的村莊」が、ソニーイメージングギャラリー 銀座で8月8日(金)から開催される。

石垣島嵩田集落の日常を、30年余り撮影してきたという西野氏。日本領だった台湾から、当時約1,000人規模の移住があったという沖縄県石垣島の集落の日常にスポットを当てた作品を展示する。

台湾が日本領だった戦前、「日本人」として台湾から石垣島に渡った人々がいました。彼らは台湾から持ち込んだパイナップルの栽培と産業化を礎に新天地での成功を夢見ます。しかし、在来島民との軋轢による争乱や、日本の敗戦後、不当に「外国人」として扱われるなど、数多の困難が待ち受けていました。しかし困難にめげることなく、戦後、島の山中に「嵩田集落」を開墾します。
1950年代に入ると台湾人入植者はパイン産業を発展させ、その技術を島民に還元することによって、島の社会に溶け込んでいきました。現在の嵩田集落は台湾人入植者の2世、3世に加え、周辺離島、沖縄本島、県外からの入植者などが中心となって、島随一の農村集落として発展しています。この展示は嵩田集落の日常と歴史を記録したものです。
他民族や他国籍を持つ人々への「寛容」や「融和」を考えたい今、見ていただきたい展示です。

作家コメント

©Yoshinori Nishino

会場

Sony Imaging Gallery

開催期間

2025年8月8日(金)~8月21日(木)

開催時間

11時00分~19時00分

定休日

なし(銀座プレイス休館日を除く)

ギャラリートーク(予約制)

8月9日(土)19時20分~20時00分

作者プロフィール

1969年大阪府生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、東京の広告制作会社勤務を経て、2005年より沖縄県石垣島在住。漁撈、狩猟、捕鯨など、人と野生の関わりを写真の主なテーマとして日本各地で取材を続ける。一方で、現在の住まいがある石垣島嵩田集落の日常を30年余り写しとってきた。日本写真家協会会員。
写真集に『鯨と生きる』、『海人─八重山の海を歩く』、『熊を撃つ』など。受賞歴に日経ナショナルジオグラフィック写真賞2018 ピープル部門・最優秀賞、第5回笹本恒子写真賞など。