写真展

城野智子写真展「結界」

(ニコンサロン)

東京23区の最も南に位置する河川敷に人の暮す土地がある。

かつてその地は江戸時代から続く砂利採取が盛んに行われた地であった。砂利採取は明治以降に需要が拡大し、関東大震災、戦後の混乱、高度経済成長期を経て、東京の近代化の影として歩んできたが、1965年にその歴史を閉じた。その後、ある場所では一部の残った砂利採取事業者に住民登録が認められ、またある場所ではホームレスの村が自然発生し、この地に類い稀な秩序が生まれた。

こうして半世紀もの時間が流れ、国も都も誰もその土地に手出しが出来なくなっていた。

結界は張られたのだ。

舗装されていない道路に掘立小屋、電気、ガス、水道も通っていない、人の暮すその土地は、我々が暮す土地の道一本隔てた向う側、鬱蒼とした叢の向うに、今も静かに存在している。カラー約50点。

(写真展情報より)

  • ・会場:銀座ニコンサロン
  • ・住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA 1階・2階
  • ・会期:2014年7月16日水曜日~2014年7月29日火曜日
  • ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • ・休館:会期中無休
  • ・入場:無料

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