写真展
インベ カヲリ★写真展「やっぱ月帰るわ、私。」
(大阪ニコンサロン)
Reported by(2014/3/1 11:00)
「近々、終わらせる予定なのでその前に写真を撮ってもらえませんか?」
と言われて、作者はカメラを持って会いに行った。すでに身辺整理された部屋には、処分予定の服や家具が積んである。
写真を撮るより先に、まず相手の話を聞く。最近起こったこと、今考えていること、昔の話。「へー、すごいね! 面白いね!」素直に相槌を打っていると、相手もどんどんノってくる。用意されたロープや練炭や製造中止になった入浴剤。「これ、どうやって使うの?」などと聞きながら、世間的とは違う、その子の持っている「普通」に視点を合わす。
顔を撮る。衣装を着せて、動きの指示を出し、もっと怒りにみちた目を!と要求したりする。表情を作ったからといって、それが演技であるとは思わない。彼女たちの心象風景は、作者にいったん取り込まれ再構築された世界だ。
「幸せになったら、カヲリちゃんは撮ってくれなくなるんでしょ?」
と、ある日、誰かに言われた。そんなことはない。
社会へ適用するために擬態した姿を撮りたいわけではないから、自分の言葉で語ってくれる人に興味を持つだけだ。ふり幅のある情緒や、表現したいという自己愛は、女性の色気であると思う。人間とは、その人の持つエネルギーのことだから、顔や体を超えた先にある魂を写したいと作者は考えている。カラー約45点。
(写真展情報より)
- 大阪ニコンサロン
- ・住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
- ・会期:2014年3月13日木曜日~2014年3月19日水曜日
- ・時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
- ・休館:会期中無休