写真展告知

大門美奈写真展:東をどり百回記念写真展「新橋芸者」

©Mina Daimon

Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery(KKAG)では、大門美奈氏による写真展「東をどり百回記念写真展『新橋芸者』」を5月14日(水)から開催する。

普段は、一見お断りと閉ざされた新橋花柳界。東京新橋組合では、年に1度だけ、「東をどり」(あずまおどり)として、新橋芸者衆の踊りを中心とした公演を実施している。

今年は100回目の公演として、5月21日(水)から27日(火)まで実施する。

同展では、そんな「東をどり」の開催を記念し、新橋花柳界をピエゾグラフィーによるモノクロプリントで表現する「新ばし」シリーズを展示する。展示数は約20点。

新橋芸者という存在を知る人は少ない。新橋芸者とは「新橋」という名こそ冠しているものの、銀座の芸者である。
現在、新橋芸者の数は40人を数えるほど。「芸の新橋」という言葉があるように、新橋の芸者衆の技芸の高さは日本随一だろう。一見お断りの花柳界。我々が普段目にすることのない、その芸を年に一度だけ楽しむことができるのが「東をどり」だ。今年の5月、東をどりは記念すべき100回目を迎える。
新橋のお座敷は明治の時代から政治の社交の場としても使用されてきた経緯がある。彼女らがほかの客の話をすることは決してないが、その隙のない身のこなしを見ながら新橋花柳界が背負ってきた責任のようなものを感じることがある。
肩肘張らず、料理と酒、唄と踊りが親密な場で楽しめる、この花柳界にこそ日本の伝統文化の粋があるのではないか。

作家コメント

会場

KKAG(Kiyoyuki Kuwabara Accounting Gallery)

開催期間

2025年5月14日(水)~5月31日(土)

開催時間

15時00分~21時00分(最終日は18時00分に閉館)

休廊

日曜日、月曜日、火曜日

作者プロフィール

横浜出身、茅ヶ崎在住の写真家。
10代の頃より美術全般を学ぶ傍ら、写真を撮り始める。造園学を学んでいた大学時代に、卒業論文制作のために訪れたスペイン・アンダルシア地方の街グラナダに出会い、以来数年に渡り繰り返し撮影をしている。
ポルトガルを撮影した「Portugal」で、2011年リコーフォトギャラリーRING CUBEの公募展に選出。
2014年には、イスラム教とキリスト教の文化が入り混じり調和する世界の風景や建物、人々を捉えた写真集「Al-Andalus」(桜花出版)を刊行。
その他、無印良品とのコラボレーション企画「本日の箱庭 - The Miniature Garden」に参加。また 「本日の箱庭展 -the Miniature Garden-」(72 Gallery 東京京橋)を同時開催した。
2018年には、湘南・ 茅ヶ崎を舞台に海辺に集う人々をモノクロ写真で捉えた「浜」(赤々舎)を刊行。同展は2018年から2019年にかけて、キヤノンギャラリー銀座・名古屋・大阪の他、72Gallery 、茅ヶ崎市庁舎のプロムナードで個展が開催された。
2022年には、ライカカメラジャパンとDNPメディア・アートの協業により、ライカGINZA SIX・ライカ大丸心斎橋店のほか、DNPプラザにて新橋芸者をモノクロームで撮り下ろした「新ばし」を開催。
現在は、作家活動のほか、カメラメーカー主催の講座やイベントなどの講師を務め、雑誌・WEBマガジンなどへ寄稿、コラムの連載など活動は多岐にわたる。