写真展告知

新納翔写真展:PETALOPOLIS

(コミュニケーションギャラリーふげん社)12月9日~12月26日

写真家・新納翔さんの写真展「PETALOPOLIS」がコミュニケーションギャラリーふげん社(東京・目黒)にて12月9日より開催される。会期は12月26日まで。12月11日には写真家の大西みつぐさんとのギャラリートーク(会場・オンライン)が対談形式で開催される。

このたび2021年12月9日(木)から12月26日(日)まで新納翔写真展「PETALOPOLIS」を、コミュニケーションギャラリーふげん社にて開催いたします。新作のアーカイバル・ピグメントプリント約30点を展示いたします。

新納翔は、1982年横浜生まれの写真家です。早稲田大学理工学部中退後、奈良原一高氏の作品に衝撃を受け、2000年から写真の道を志します。2007年から6年間、簡易宿泊所で働きながら山谷の街を取材し、『Another Side』(2012、リブロアルテ)を上梓します。その後2014年から豊洲への移転が決まった築地市場に取材対象を移し、場内の警備員としてその内部に入り込み、写真集『Tsukiji Zero』(2015、ふげん社)にまとめました。このように個別の土地を撮影してきた新納は、より広い視点から東京の都市風景を捉えたいと、2007年から10年間で撮影したものをまとめ写真集『PEELING CITY』(2017、ふげん社)を出版しました。

これらの新納の作品に通底する姿勢は、目の前の景色がやがて消えしまう未来を見通しながら撮影していることでしょう。今回の新作「PETALOPOLIS」(ぺタロポリス)も例外ではありません。昨年4月のコロナ・ウィルスの蔓延による緊急事態宣言発令下、人のいなくなった銀座のビル群を遺跡のように感じ、未来の都市に錯覚したと新納は言います。1950年代に交通網の発達により生まれた巨大都市は「メガロポリス」と呼ばれますが、インターネットの普及によりさらに拡大した都市を「ギガロポリス」、そのさらに未来にある仮想都市を新納は「ペタロポリス」(注)と名付けました。

本作は、スマートフォンの画面を思わせる縦構図の中に、私たちが生活する現在の都市を被写体としながら、未来の予感を写しとっています。スマートデバイスと一体化し、毎日スクリーンを眺めている私たちにとって、新納によって写された都市風景のゲームの世界のような非現実感は、ある意味で実感として近いものであり、この景色がすでに私たちの「現実」になっているのかもしれません。この非現実な「現実」の断片を集め、採集した標本として、新刊写真集『PETALOPOLIS』(PINHOLE BOOKS)が展覧会に合わせて発売されます。

(注)Mega<GigaTer<Petaはスケールの単位で、1000倍ずつ大きくなる。

写真展情報

会場

コミュニケーションギャラリーふげん社
東京都目黒区下目黒5-3-12

開催期間

2021年12月9日(木)~12月26日(日)

開催時間

火~金曜日:12時00分~19時00分
土・日曜日:12時00分~18時00分

休廊日

月曜日

新納翔×大西みつぐ ギャラリートーク(会場・オンライン)

日時:12月11日(土)14時00分~15時30分
参加費:1,000円(チケットはWebサイトから購入)

作者プロフィール

1982年横浜生まれ。麻布学園卒業、早稲田大学理工学部中退。

2000年に奈良原一高氏の作品に衝撃を受け、写真の道を志す。2007年から6年間山谷の簡易宿泊所の帳場で働きながら取材をし、その成果として日本で初めてクラウドファウンディングで写真集を上梓する。2009年から2年間中藤毅彦氏が代表をつとめる新宿四ツ谷の自主ギャラリー「ニエプス」でメンバーとして活動。以後、現在まで消えゆく都市をテーマに東京を拠点として写真家として活動をしている。RICOH・PENTAXアンバサダー。

川崎市市民ミュージアムでワークショップの講師経験を経て、2018年6月より「デジタルラボPapyrus」のワークショップ講師としてデジタル写真技術を広く教える活動もおこなっている。主な写真集に『山谷』(2011、Zen Foto Gallery)、『Another Side』(2012、リブロアルテ)、『Tsukiji Zero』(2015、ふげん社)、『PEELING CITY』(2017、同)がある。

最新刊は、『PETALOPOLIS』(2021、PINHOLE BOOKS)。