写真展告知

高橋俊充写真展:能登。X-Pro3と辿る。

(c) 高橋俊充

様々な歴史や文化を持つ能登。穴水を越え奥能登に一歩足を踏み入れると、そこには日本の原風景を見ることが 出来る。特別風光明媚かというとそうでもなく、何気ない風景、景色がひとつひとつが懐かしい。そして能登は、私が愛し撮り続けているイタリア、特にシチリア島にイメージが重なる。日本海に突き出た半島 は海に囲まれ、外浦では大陸の風を受け、内浦に入れば一転、凪の穏やかな景色と変わる。 風の強い外浦、珠洲には塩田が連なり、シチリア、トラーパニにも塩田が広がる。製法こそ違え、海と風があれ ば、そこには塩は生まれると言うことだろう。さらにシチリアには「NOTO」という町がある。特に繋がりはな いと思うが、なにかの縁を感じざるを得ない。

Xとの出会いはX-Pro1からだった。X-E1、X-E2、X-T1、X100……と、Xと共に歩き捉えたイタリアでの日々。私にとっ て多くの想い出と、そこから生まれたかけがえのない作品は数知れない。

Xの中でも、Proシリーズは私にとっても特別な存在である。Pro1から始まりPro2になってその完成度は上がり、正直、写真を撮るという事においてこれ以上求めるところがなかった。そして今回手にすることとなったX-Pro3。正面からのルックスはほぼ変わらないものの、後ろを向けて驚いた。液晶がない……。通常、新機種には使い勝手の向上や、さらなる性能を求めるものだが、機能に関してはマイナスの思考なのだ。さらに十字キーも無くなっている。非常にすっきりはしているもののどうなのか。液晶に関しては、開けば見えるというものの、普通に考えて、液晶が閉じている事によるアドバンテージは無いように思える。写真を撮る事への原点回帰と考え、実際使ってみるとその答えは見えてくるのだろう。なにか、これまで以上に不思議な期待に胸を膨らませながら、能登へと出掛けた。

写真展情報

(c) 高橋俊充
(c) 高橋俊充

会場

FUJIFILM SQUARE ギャラリーX
東京都港区赤坂9-7-3 東京ミッドタウン本社1階 フジフイルムスクエア内

開催期間

2019年11月22日(金)~12月12日(木)

開催時間

10時00分~19時00分(入館は18時50分まで)

休業日

年末年始

作者プロフィール

1963年、石川県小松市生まれ。デザインプロダクション勤務を経て、1994年、高橋俊充デザイン室 設立。 アートディレクター、フォトグラファーとしての活動の傍ら、日々ドキュメンタリーを主体とする写真創作に取り組む。

【受賞歴】JAGDA年鑑・入選、日本APAアワード・入選、金沢ADC・会員特別賞受賞、金沢ADC・準グランプリ受賞、ほか多数。【作品展】1983年「FACE」、1985年「WHAT’S GOING ON.」、1993年「異人伝心」、2011年「SNAPS Italia」金沢・東京、2014年「SNAPS Sicilia」神奈川、2018年「SNAPS ITALIA」表参道、代官山。ほか出展多数。【写真集】2014年「Sicilia Snaps 2013」、2018年「SNAPS ITALIA 2010-2017」