写真展告知
松江泰治写真展:地名事典|gazetteer
2018年11月29日 07:00
松江泰治(1963年、東京都生まれ)はこれまで、世界各地へ赴き、撮影した土地を写真作品として発表してきました。松江の選ぶ被写体は、岩肌が剥き出しの山間地、木々の生い茂る森林地帯、高層ビルが建ち並んだ都市、古い家並みの広がる街など、あくまでその土地の表面、いわゆる地表です。撮影においては、構図に地平線を含めない、被写体に影が生じない順光で実行するといったルールを自らに課すことで、一貫して、写真本来の性質である平面性を追求してきました。そうすることで、コントラストや奥行き、中心と周縁との区別を周到に排除し、写り込んだすべての要素が等価に扱われた画面が生み出されます。
1980年代からモノクロ写真を発表してきた松江は、2005年、初のカラー写真集を発表しました。撮影機材や現像方法など、テクノロジーの進歩とともに絶えず変化する新技術を積極的に取り入れながら、新しい写真を求めて挑戦を続けています。松江の作品タイトルには地名や都市コードが付けられています。地名のデータベースを意味する「地名事典 / gazetteer[ギャゼティア]」と題した本展は、活動の初期から現在に至るまで、世界中の土地の名前を写真というかたちで収集してきた作家の仕事を体系的に紹介する、初の回顧展となります。
会場
広島市現代美術館
広島県広島市南区比治山公園1-1
開催期間
2018年12月8日(土)~2019年2月24日(日)
開催時間
10時00分~17時00分(入場は閉館の30分前まで)
休館
月曜日(ただし、12月24日、1月14日、2月11日は開館)および12月25日、12月27日、1月1日、1月15日、2月12日
観覧料
一般1,000円(800円)
大学生700円(600円)
高校生・65歳以上500円(400円)
中学生以下無料
括弧内は前売りおよび、30名以上の団体料金
主催
広島市現代美術館
中国新聞社
特別協力
株式会社フレームマン
協賛
株式会社カラーサイエンスラボ
株式会社ニコンイメージングジャパン
協力
TARO NASU
後援
広島県
広島市教育委員会
広島エフエム放送
尾道エフエム放送
ギャラリートーク
2019年2月9日(土)14時00分~15時30分
作者プロフィール
1963年 東京都生まれ。
1987年 東京大学理学部地理学科卒業。
2002年 第27回木村伊兵衛写真賞受賞。
小学生の頃から時刻表を片手に列車を乗り継ぎ各地を旅する。14歳で46都道府県を制覇。その頃からカメラに興味を持ち現像も自ら行う。19歳で森山大道の写真集『光と影』(冬樹社、1982年)に出会い魅せられ、後に森山の元に通い続け、徹底的に写真と向き合う決心をする。大学では大型電子計算機を使って人工衛星(LANDSAT)から送られる地球の画像処理に没頭しつつ、写真の撮影も1日も欠かさなかった。綿密にリサーチした膨大な情報をもとに緻密な計画をたて撮影に臨み、各地で様々なアクシデントに見舞われながらも世界中に赴き地名の収集に邁進する。