イベントレポート
2つのレンズを組み合わせて撮るロモグラフィー「Neptune」撮影会レポート&プチレビュー
ロモなのに意外と描写は素直? 絞りプレートも試してみた
2017年6月28日 16:42
35mm、50mm、80mmのセットという斬新な切り口で話題になっている、ロモグラフィーのNeptune Convertible Art Lens System(以下Neptuneレンズ)。
ロモジャパンの本社でNeptuneレンズの撮影会がありましたので、早速行ってきました。
撮影会には幅広い年齢層のロモグラフィーファンが招待され、和気あいあいとした雰囲気。Neptuneレンズ以外にも、ペッツバールやダゲレオタイプといった、ロモグラフィーの交換レンズを試せました。
こんなレンズです
Neptuneレンズの特徴は、カメラに装着するベースレンズと、その間に装着するフロントレンズを組み合わせるという構造にあります。また、ベースレンズとフロントレンズの間に好きなスペシャル絞りプレートを入れ、ボケの形を変えることも可能です。
これがNeptuneレンズ。手前がフロントレンズ、奥がベースレンズ。
ベースレンズも光学系が搭載されています。ベースレンズの光学系は共通のまま、フロントレンズを組み合わせるのがNeputuneの仕組みです。設計のもとになったのは、1840年にチャールズ・シュヴァリエが発明したConvertible Lens(焦点可変レンズ)とのこと。
対応マウントはキヤノン、ニコン、ペンタックス。マウントアダプターを使うことで、ソニーEや富士フイルムXといったミラーレスカメラにも装着できます。
ロモジャパンに3本のフロントレンズの役割を聞いたところ、35mmはストリートスナップ、50mmは普段使いに、80mmはボケを生かしたポートレートや動物撮影に、とのことでした。
フロントレンズにはそれぞれ、海王星(英名:Neptune)にまつわる名前が付いています。タラッサ(35mm)もデスピナ(50mm)もプロテウス(80mm)も、NASAのボイジャー2号によって発見された海王星の衛星です。
左からタラッサ、デスピナ、プロテウス。
フロントレンズ3本はよく似た見た目ですが、レンズの先端に入ったラインで見分けがつきます。タラッサは1本、デスピナは2本、プロテウスは3本のラインが施されていました。
装着するとこうなります。
会場に用意されていた絞りプレートは、最初に発表されていた6枚。右上はストレッチゴール(一定の目標の金額を超えたところで支援者にお礼としてプレゼントされる仕組み)のひとつであるリバースマクロアダプターです。
絞りプレートはこうやって入れます。
同じロモグラフィーの交換レンズ、ペッツバールやダゲレオタイプの絞りプレートは差し込み式でしたが、今回はベースレンズの凹みに置く方式になりました。撮影中に落ちたりする心配がないのが心強いです。
リバースマクロアダプターは、フロントレンズを逆さにしてベースレンズにセットするためのアダプター。最短撮影距離がぐっと短くなり、マクロ撮影に強くなります。
今回のクラウドファンディングでの応募期間は4週にわたりました。最後の週明けには支援数は700万を超え、最終で200人の出資者による860万円以上の支援が集まったといいます。
ここ数年でクラウドファンディングも浸透し、以前に比べて身近な存在になっています。SNSに情報が溢れている時代ですが、Neptuneもクラウドファンディングをきっかけにシェアされ、多くの人たちの目に留まったのではないでしょうか。特に日本で好評だったそうです。
触ってみて
おちょこのような形と大きさ。手のひらに3本が収まりまるほどの小ささです。1つのマウントで単焦点レンズ3本持ち歩く私にとって、フルサイズセンサー対応のレンズがこの大きさとは驚きました。撮影以外の荷物もなにかと多くなりがちな女性にとって、とてもうれしい携帯性といえます。
極端なクセのある描写が売りロモグラフィーのレンズですが、Neptuneレンズは意外とスッキリとした描写でした。
絞りプレートを変えたり、フロントレンズを気軽に交換して撮りたい画角の写真を撮る楽しさも、このNeptuneレンズで得られます。
星型の絞りプレートをタラッサ(35mm)に入れてみました。
80mmのプロテウスと十字型の絞りプレートの組みあわせ。
新しいフロントレンズとして、早くも15mm「ナイアド」の発売が予告されています。ナイアドも海王星の衛星のひとつです。海王星の衛星は全部で14の名前が付いていますが、今後発表されるフロントレンズには、残りの衛星の名前が付くのかもしれません。ロモグラフィーの製品は新しい発想が盛り込まれていて、私たちをわくわくさせてくれます。