デジタルカメラマガジン
8月号のポートレート特集より「レフ板の選び方と使い方」一部を紹介
2021年7月28日 12:00
ポートレート撮影でワンランク上の仕上がりが得られるアイテムといえばレフ板が筆頭に挙がる。今回はポートレート特集の中から、レフ板の選び方と使い方を解説する記事の一部を紹介する(編集部)。
レフ板はポートレート撮影の必携アイテム
写真・文:河野鉄平 モデル:マヘリ羽梨沙(オスカープロモーション)
レフ板は光量を補うのに用いる折りたたみ式の反射板だ。気軽に広げて使えるため、ポートレート撮影では出番の多いアイテムの1つといえる。主に顔の周辺を明るくするのに用いられるが、あご下の影を和らげたり、顔や髪の毛にハイライトを入れたりするなど、限定的に一部分を明るくすることも可能だ。うまく活用すれば、さまざまなポートレートライティングが楽しめる。また、レフ板の反射面はキャッチライトにもなる。表情をより魅力的に引き立たせるアイテムとしても、レフ板は非常に利便性が高いのだ。ちなみに、レフ板のレフはレフレックス(反射)の略である。
レフ板を利用するには、当然反射すべき元となる光源が必要になる。屋外で使う場合は、太陽光の向きがはっきりしている晴天時がバリエーションを試せて有効だが、曇り空の下でも柔らかい光を拾って、人物を明るくできる。室内撮影では、窓際の自然光を効果的に人物に回し込むのに使われることが多い。蛍光灯などの環境光に対してレフ板で光を起こすこともある。
ひと口にレフ板といっても、その種類はいろいろだ。大きさや内面素材、形状などの違いで光質や照射範囲が変化する。用途に応じて使い分けることが大事である。
大きさ:直径が大きくなるにつれて照射範囲が広くなる
レフ板の反射面は大きいほど、広い範囲を明るくできるし、光質も柔らかくなる。全身を撮影する際は、大きいレフ板が有効だろう。一方、サイズが大きくなるほど重量が増し、扱いづらくなる側面も。少しの風であおられたり、慣れていないと折りたたむときの手間にもなったりする。サイズは撮影スタイルに応じて選ぼう。寄りやバストアップ撮影であれば、レフ板は必ずしもサイズが大きいものである必要はない。中型の方が光の当て方も小回りが効き、より自分好みにライティングできる。また、小型のレフ板は瞳にキャッチライトを入れ込むためだけに使うこともある。
同じ位置に大きさが異なる3種類のレフ板をセットして効果を比較した。サイズが大きいほど広い範囲が明るくなっている。サイズの小さなレフ板は特定部分を明るくしたい場面で有効だ
色:白を基本に金・銀・黒などがある
レフ板は一般的な白の他に、金や銀、黒などの数種類から選べる。銀は強い光が反射できるため、光量の少ない曇天時や暗所で使うのに最適だ。金は夕暮れ時のポートレート撮影で使いたい。とくに太陽光が弱いときにも黄色みの強い光が照射でき、夕暮れ感を演出できる。黒は被写体の影を強調したい場面で便利だ。不要な光を消してくれる。レフ板はたいてい表と裏で2種類の反射面を持つ。つまり、レフ板1枚で効果が異なる写真を2枚撮影できるのだ。もっともオーソドックスな組み合わせは白と銀だが、これは撮影スタイルに合わせて選んでみたい。
白レフが自然かつ柔らかなトーンで明るくなっているのに対し、銀レフは強めに光が当たり、メリハリが出て力強い描写に。キャッチライトも銀レフのほうが目立っている
形:オーソドックスな丸型、三角や四角もある
レフ板は形状もいろいろ。丸型の他に三角や四角がある。サイズが同じならば、照射範囲に大きな違いはないが、キャッチライトの形はそれぞれで大きく変化する。丸いキャッチライトを入れたければ、丸型のレフ板を使おう。三角や四角は木や壁などに立てかけて使いやすく、丸型より安定感が増す。また、三角は握りやすい形状のため、片手でレフ板を持ち、もう一方の手でシャッターボタンが押せる。
続きは本誌で……
・逆光で暗くなったモデルの顔を明るくする
・日陰の光量不足を銀レフで補う
・初心者も安心!! おすすめのレフ板
・レフ板を1人で使うときの強い味方