ニュース
マンフロット、iPad用撮影ツール「Digital Director」を実演
デジタル一眼レフと連携 高精細・低遅延のテザー撮影など
Reported by 本誌:鈴木誠(2015/7/15 08:00)
マンフロット株式会社は7月14日、iPadからデジタル一眼レフカメラを操作できる「Digital Director」の製品デモを実施した。
iPadと連携し、接続したカメラの撮影設定操作およびテザー撮影、撮影画像の共有までをひとつの専用アプリから行なえる製品。対応するデジタル一眼レフカメラとUSB接続することで、専用ソフトから高精細・低遅延のリモートライブビュー撮影(テザー撮影。最大10m)が行なえる。
製品は、iPadの本体サイズの違いにより2モデルを用意。発売はiPad Air用が7月31日、iPad Air 2用が8月。価格はともに税別7万5,000円。
iPadの取り付け部分のみが着脱可能で、今後新端末に対応する場合は、ハードウェア部分をそのままに、iPadを取り付ける部分のみを販売する予定。
現状の対応カメラは、キヤノンがEOS-1D X、EOS-1D C、EOS 5D Mark III、EOS 6D、EOS 7D Mark II、EOS 70D、EOS 60D、EOS Kiss X70。ニコンがD4、D810、D800、D800E、Df、D610、D7000、D5500、D5300。今後キヤノンのEOS 5Dsシリーズをはじめ、新しいカメラにも随時対応するとしていた。
Digital Directorの特徴紹介では、比較対象としてHDMI外部モニターとWi-Fi接続のテザー撮影が挙げられた。HDMI接続ではライブビューの表示レイテンシーが最も低いが、リモート撮影や画像転送は不可能。Wi-Fi接続は、撮影設定や画像転送を可能としているものの、転送速度や接続安定性の面で有線のDigital Directorのほうが有利としていた。
またディスプレイとしても、一般的な外部モニターより、iPad AirのRetinaディスプレイのほうが高画質でメリットがあるとした。タッチパネルでもあることから、カメラのモニターより大きくライブビューを表示し、さらに拡大表示した状態でもタッチAFを使える。
専用ハードウェアはiPad Airに取り付けるケースのような形状をしており、背面に専用CPUと電源を搭載している。カメラおよびiPadとは別に、乾電池またはACアダプターの電源を用い、AC接続時はiPadも充電される。
Digital Directorのターゲットは、デジタル一眼レフユーザーを使用し、静止画だけでなく動画の撮影にも取り組むユーザー。アップルの「Made for iPad」認定を取得していることを強くアピールしていた。
テザー撮影画面では、対応カメラのISO感度、絞り値、シャッタースピード、フォーカス、ホワイトバランス、連写などの設定がアプリ上から可能。ヒストグラムは輝度とRGBに切り替えられる。動画撮影時は、左下部分にマイクレベルを表示。
撮影画像は、「オートプレイ」設定により1枚ごとにiPadへ転送させることもできる。ダウンロードはWi-Fiより3倍速いとしている。アプリ内で整理するためのレーティングが可能で、星の数をもとにフィルタリングできる。
カメラとの接続を解除しても、iPad側だけでダウンロード画像の選択・共有が可能。また、カメラ単体で撮影後、Digital Directorを繋いで画像を取り込み、必要な画像だけ共有することもできる。iPadアプリ上で画像を消去しても、カメラのメモリーカード内の画像は消去しない。
画像の共有先は、FTP、メール、カメラロール(端末内)保存が可能。用途別に「ジョブ」プリセットを設定可能で、撮影や接続のプロファイルを複数管理できる。
タッチ&トライの印象では、テザー撮影時のパラメータ操作に対する追従性はよく、iPadとカメラ本体のどちらの操作も受け付けられた。アプリ動作は全体的に危なっかしさを感じるところがなく、とても安定していた。基本的な造りのよさは感じられたため、例えば現状では撮影画像のレーティングを外部アプリに反映させられない仕様だが、そうした細かな点も発売後のアップデートでブラッシュアップされていくことを期待したい。