オリンパス本社の所在ビルで、国連開発計画の写真展が開幕


 国連開発計画(UNDP)、オリンパス、AFP財団は25日、写真展「Picture This:Caring for the Earth 世界を写そう『地球のことを考える』」を東京都新宿区の新宿モノリスビル1階で開催した。25日のオープニングセレモニーには、ヘレン・クラークUNDP総裁と、女優でUNDP親善大使の紺野美沙子氏が出席。写真展への想いを語った。

開場前の入口の様子左から紺野美沙子氏、ヘレン・クラークUNDP総裁、菊川剛オリンパス社長

 今回の展示は、アフリカにおけるエコロジーをテーマにした同名の写真コンテストから、写真部門の入賞作品を展示したもの。コンテストはUNDP、オリンパス、AFP財団の共同で行なわれ、アフリカ在住のプロまたはアマチュアカメラマンから作品を募った。200以上の応募があったという。

 会場にはプロ部門1位に選ばれたJacob Otieno氏の「ケニアのアースデー#2」やアマチュア部門1位のSimon Ndegwa氏「環境に優しい結婚式」など、入賞作品が並んでいる。

 同時に、オリンパスが以前メインスポンサーとして参加した「A DAY IN THE LIFE OF AFRICA」からの作品も展示があった。貧困や飢餓の撲滅などを掲げたMDGs(ミレニアム開発目標)の達成に協力したプロジェクトで、オリンパスは当時、E-20や昇華型プリンターなどの機材提供を行なった。さらに各地で作品展示を行ない、その入場料を国連に寄付している。

展示を観覧する菊川社長とクラーク総裁プロ部門1位の作品「ケニアのアースデー#2」(Jacob Otieno氏)
アマチュア部門1位の「環境に優しい結婚式」(Simon Ndegwa氏)特集コーナーでは飢餓やHIVの問題をクローズアップしている
「A DAY IN THE LIFE OF AFRICA」の作品も展示

 会場の新宿モノリスビルは、オリンパス株式会社の本社が所在する場所。1階のアトリウムに上記の展示場を設営し、さらにアフリカの飢餓やトラコーマなどに関する資料と写真を集めた「特集コーナー」なども設けている。

 


  • 名称:Picture This:Caring for the Earth 世界を写そう「地球のことを考える」
  • 期間:2009年11月25日〜12月1日
  • 時間:10時〜19時(最終日のみ16時まで)
  • 場所:新宿モノリスビル1F(東京都新宿区西新宿2-3-1)
  • 入場料:無料

 25日のオープニングセレモニーでは、来日中のUNDP総裁、ヘレン・クラーク氏が挨拶した。コンテスト入賞作とA DAY IN THE LIFE OF AFRICAの作品を合わせてみた同氏は、「アフリカが直面している問題を一同に集めた展示。オリンパスのこれまでの取り組みが土台となり、素晴らしい内容になっている」と絶賛。「アフリカの気候変動など環境問題がテーマですが、50年先の話ではないし、貧しい国だけの問題でもない。また、作品には明るい視点も見られ、自分たちの力で状況を打開しようとする姿が浮かび上がっている」との感想を述べた。

ヘレン・クラークUNDP総裁オリンパス菊川剛社長

 オリンパスからは菊川剛社長が出席した。環境問題について「小さな行動で食い止めれられるものもある。(今回の展示が)主体的な行動のきっかけになれば」との想いを語った後、オリンパスのCO2排出量について、2020年までに2007年度比で50%に削減する目標を示した。

 最後に登壇した紺野美沙子氏は、UNDP親善大使として近年多くの国を訪問している。今回の展示を見た紺野さんは「(写真を見て)ガーナで触れた現地の人の生きるエネルギーを思い出しました。日々のエネルギーがあふれている素晴らしい写真展。一人でも多くの方に見ていただきたい」とコメント。また、タンザニア視察で感じた現地の貧困と、その中で生きる助け合いの精神について述べ、最後に「展示を見て色々な想像力を働かせてください。(展示により)多くの人に感心を持っていただければ」との想いを述べた。

UNDP親善大使の紺野美沙子氏テープカット後にクラーク総裁と握手
E-P1を手渡された紺野氏は「軽くておしゃれ」とコメント


(本誌:折本幸治)

2009/11/25 14:50