東芝、裏面照射型のCMOSセンサーを製品化


 東芝は27日、高感度化技術のBSI(裏面照射)を導入した1/2.3型CMOSイメージセンサーの製品化を発表した。年末よりサンプル出荷を行ない、2010年第3四半期から量産を開始する。

従来型イメージセンサーの構造図BSI型イメージセンサーの構造図

 デジタルカメラおよび動画撮影に対応する携帯電話向けのCMOSイメージセンサー。光学フォーマットは1/2.3型、画素数は1,460万画素。高感度と高速処理が特長で、1080p、720pの動画撮影に対応。フレームレートは60fps。

 BSIは、受光部が配線層で減衰しないように裏面から光を入れる技術で、CMOSセンサーの高画素化に伴う感度低下の課題を解決するという。同製品は画素ピッチを業界最小クラスの1.4μmとしながら、BSI型でない同社の同種製品に対し、感度を約40%向上したという。

 生産は大分工場で行ない、BSI型のラインでは300mmウェハー対応の設備と65nmプロセス技術を適用。月産50万個の規模で量産を開始するという。

 裏面照射型CMOSセンサーは、2009年1月にソニーが「Exmor R」を製品化。ソニーでは表面照射型に対し、約2倍の感度を実現したとしている。デジタルカメラへの採用は2009年9月発売の「サイバーショットDSC-TX1」が世界初となり、同機種は1/2.4型有効1,020万画素のExmor Rを搭載した。



(本誌:鈴木誠)

2009/10/27 16:31