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コンビニ写真の“寿命”は3年?…色あせ試験の結果が発表

写真プリント関連サービスを展開する株式会社福多デジタルフォトは8月26日(火)、同社が実施した写真プリントにおける耐久性比較試験の調査結果を発表した。昇華型熱転写方式を採用するいわゆるコンビニ写真プリントについて、3年程度で色褪せてしまうリスクがあると報告している。

コンビニ写真プリントと、従来の現像サービスで主流の「銀塩写真」について、時間の経過による色あせの差を比較した加速劣化試験を実施。両者を長期間屋内に飾った場合、どの程度の変色・退色が見られるのか。その耐久性を検証した。

検証にはキセノンランプ式促進耐候試験機を使用。温度63℃、湿度50%RHの環境下で50W/㎡の紫外線を100時間放射した。試験期間は3月6日(木)~3月10日(月)だが、前記の試験条件により推定経過期間は約3年間としている。試験は東京都立産業技術研究センターで実施。

キセノンランプ式促進耐候試験機

100時間の照射後、コンビニの昇華型写真プリントは全体的に赤みが増し、変色・退色が顕著にみられたという。また、平均濃度も大きく減少した。

これらの結果により、同社はコンビニの昇華型写真プリントよりも銀塩写真プリントの方が、耐久性に優れていることが数値および視覚的な観察から確認できたと報告。写真の長期保存や屋内展示用途において、銀塩写真プリントの優位性を広く周知していく必要があると結論付けている。

試験後のプリント。左が昇華型(コンビニ)写真プリント、右が銀塩写真プリント
本誌:宮本義朗