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日本HP、NFC対応などインクジェット複合機4モデル
スマホ印刷・在宅ワーカーを意識
Reported by 本誌:鈴木誠(2014/8/25 17:47)
日本ヒューレット・パッカード株式会社は、2014年秋冬モデルの個人向けインクジェットプリンター4機種を発表。9月中旬に発売する。
新機種は「HP ENVY4504」(税別8,800円、直販価格。以下同)、「HP ENVY5530」(税別1万1,800円)、「HP ENVY 5640」(税別1万5,8000円)、「HP Officejet 5740」(1万8,800円)。
2014年に発売30周年を迎えたHPプリンター。今回の秋冬モデルでは、スマホ・タブレットからの印刷、ワークスタイル変化への対応、プリントヘッド一体型インクの強化をポイントとして挙げている。
スマホ印刷のニーズを増やしたい
8月25日に行なった発表会では、日本ヒューレット・パッカード株式会社 プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 プリンティング事業統括本部 統括本部長の島田昌彦氏が登壇。
新機種においてスマホ印刷ニーズの掘り起こしを行ない、近年増加する在宅ワーカーに向けて家庭と仕事で兼用できるようにも配慮。加えてインクに対し、よりシンプルで扱いやすく品質の高いものが求められていると説明した。
スマホ・タブレットの連携強化に関しては、「まだスマートデバイスからの直接印刷が可能であることを知るユーザーが少ないものの、可能であれば使ってみたいというユーザーが女性を中心に多く見られる」とし、潜在ニーズをさらに引き出していきたいと述べた。上位機にはNFCを内蔵するなどの差別化を図っている。
また、ワークスタイル変化により、在宅ワーカーが増加。家庭での印刷ニーズが増えると同社は見込む。そうした仕事と趣味の印刷を両立できるプリンターをOfficejetシリーズで提案したいとした。
インクには、「1色が切れても印刷が停止する」などの不満を抱えていたほか、使用頻度の高くないホームユースにおけるヘッド目詰まりなどを、ヘッド一体型インクで解消したいという。シングルカートリッジモードで、黒インクだけ装着して文書などの白黒印刷が可能な点も同社プリンターの特徴とした。
NFCプリントをデモ
同社プリンティング・パーソナルシステムズ事業統括 プリンティング事業統括本部 プリンティング販促支援部の追越隆則氏は、続けて新製品の具体的な特徴を紹介した。
追越氏は、新モデルの概要として「家庭向けのモデルを黒基調からデザイン一新した点」、「ロゴ位置をPCなどと共通化した点」を挙げた。加えて、低価格モデルでも無線LANを搭載しており、ワイヤレスダイレクトでの印刷に対応している点もアピールした。
ENVY4504は、実売1万円を切るエントリー機。無線LAN機能によるスマホ印刷に対応する点を特徴とする。ENVY5530は、デジタルカメラからのダイレクトプリントを意識した装備のモデル。SDカードスロット、タッチ式のカラーモニターを搭載する点が特徴。
「HP ENVY5640」は、新しいプリントヘッド一体型インクを採用。ヘッドサイズ1.5倍で印刷速度1.5倍として差をつけた。ランニングコストも低く抑えたという。L判フォトトレーを用意。用紙をそれぞれ入れておける。
5640にFAXと自動給紙フィーダー、有線LAN、USBスロット、NFCを加えたのが「HP Officejet 5740」。NFCはスマートデバイス側で画像を選んでプリンターにかざすことで印刷できる。
発表会におけるAndroid端末からのプリントデモはベータ版アプリを用いたとのことで、正式対応は「今年いっぱいには何とか」としていた。
そのほか、スマホ・タブレット対応強化として、専用アプリがなくてもAndroidから印刷できる「HPプリントサービスプラグイン」を用意した。
新しいヘッド一体型インクを採用する機種では、カラーか黒のどちらか一方のカートリッジだけ装着した状態でも印刷可能。ヘッド一体型のため、目詰まりなどによる修理頻度の低減も見込む。本稿で触れる4機種は、いずれもインクは黒が顔料、カラーは染料。