比嘉良治写真展「ちらがー 沖縄の素肌」(銀座ニコンサロン)
美しい青空、エメラルド色に輝く海原、色とりどりの魚が舞う海、夜空に輝く満天の星、真っ白い砂浜が長く横たわる南の島の沖縄。
南の楽園と人は云う。
「ゆいまーる」「むえー」「島んちゅ」「えーか/門中」「ちむぐくる」「いちゃりば ちょーでー」と助け合いの精神で生きてきた共和共存の島。いまも原始社会主義の残り火がこもる。
人が優しいと讃える外来者は少なくない。海の彼方ニライカナイから、幸せや豊穣をもたらす信仰が島人に秘められている。しかし外来者が害来者であることも多々ある。
台風は草木をもぎ取り住処をつぶす。でも水をもたらし、風が去ると太陽が照りそそぎ再び木の葉が芽吹く。大木の育ち難い島。嵐を防ぐ岩に祈りを込める。
島人にはこころの豊かさと物質の貧しさが共存していた。共存の精神を崩す時代の波が押し寄せるいま、豊かさと貧しさのバランスに崩れが生じ、亀裂で皺をきざむ。
人の皺は100年足らずで消滅するが、歴史の傷は消えることなく、海と島の縁(へり)に固く深い皺を刻み重ねつづける。
なぜ沖縄人はいまもニライカナイと関わりながら生きなければいけないのか。
今日も外海からの強引な波がひと皺ふた皺と深く岩肌に刻印を残す。モノクロ約30点。
(写真展情報より)
- 名称:比嘉良治写真展「ちらがー 沖縄の素肌」
- 会場:銀座ニコンサロン
- 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータギンザ)1階・2階「ニコンプラザ銀座内」
- 会期:2012年11月21日〜2012年12月4日
- 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
- 休館:会期中無休
2012/11/7 00:00