秋山武雄写真展「昭和三十年代 瞼、閉じれば東京セピア」(大阪ニコンサロン)



見よう見まねで写真を撮り始めた16歳(昭和28年)。写真に夢中になり、写真を撮り続けることを条件で家業を継ぐことになった18歳。仕込み前の早朝と月一度の休日を自転車に乗って東京を写し回った青年期。今から五十数年前の話である。
時が流れ、当時撮影して仕舞い込んであったフィルムが加水分解し、ビネガーシンドローム(フィルム中毒)とやらにかかり、暗室作業に不向きな程痛んだので、友人からの勧めでフィルムスキャンをし、パソコンに保存し始めた。
そんな折に3月11日の東日本大震災が起こり、大津波によって何もかにも流された街の姿を目にした時、作者は1945年時の日本敗戦での東京下町が丸焼けになった街とだぶって見えた。
現代とは社会構造が異なるが、力強く働く人々と、街の復旧・復興がかならずや出来上がると信じて当時作者が撮影したフィルムの中から見出した作品を展示する。モノクロ110点。(写真展情報より)

  • 名称:秋山武雄写真展「昭和三十年代 瞼、閉じれば東京セピア」
  • 会場:大阪ニコンサロン
  • 住所:大阪府大阪市北区梅田2-2-2ヒルトンプラザウエスト・オフィスタワー13階
  • 会期:2012年1月19日〜2012年1月25日
  • 時間:10時30分〜18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:折本幸治)

2012/1/5 00:00