Michelle Given写真展「Accommodations」(新宿ニコンサロン)


作者の両親は20代後半で結婚して子どもを持ち、それから30年もの間、住まいや仕事を変えたことはなかった。作者以外の家族は実に安定しているが、作者や友人のライフスタイルは分散的で転居が絶えず、旅にも出れば転職もし、親密な人間関係の間を循環している。
作者はよく、どうすれば自分を知ることができるのか、一見変化し続ける渦中にいる作者を他人がどう理解できるのか、を考える。
この考えをさらに探求するため、ホテルやコンピュータラボ、スタジオ、友人、知人、家族の家など、自宅以外で作者が眠りについた場所の記録を始めた。
自分をフレームにおさめて写真を撮ることで、あらゆる種類の空間や物が、何も自分を示していないこと、写真にはそれが作者自身そのものだと思わせるような影響力があるかもしれないが、その理解は正しいとはいえない。それは写真に写っている部屋とそこにあるほとんどのものは作者のものではないからだ。
今回の写真と手法にある不自然さは、作者がセットのような部屋に役のない無名の登場人物として住むところにある。
この作品は、アイデンティティーや孤独、表現、属性、無情の探求なのである。カラー30点。
(写真展情報より)

  • 名称:Michelle Given写真展「Accommodations」
  • 会場:新宿ニコンサロン
  • 住所:東京都新宿区西新宿1-6-1 新宿エルタワー28階
  • 開催日:2011年11月22日~2011年11月28日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:会期中無休

(本誌:武石修)

2011/11/7 12:10