アドビ、タブレット向け画像処理アプリ「Photoshop Touch」

~容量20GBのファイル共有サービスも

 アドビシステムズは4日、タブレット端末で画像処理などが行なえるアプリ「Adobe Touch Appsファミリー」6製品を発表した。Android版を2011年11月に、iOS版を2012年早々にリリースする。価格は各9.99ドル。

 いずれも「Adobe Creative Suite」に影響を受けたというアプリで、「プロフェッショナルレベルのクリエイティビティを多数のタブレットユーザーにもたらす」(同社)としている。

 Adobe Touch Appsファミリーはアドビが同日発表した「Adobe Creative Cloud」の基本構成要素を成すもので、多数のユーザーがデスクトップアプリケーションとタブレットアプリケーションを利用して作品を共有することができるという。作品はAdobe Creative Suiteに送信してさらに加工することができるという。Adobe Creative Cloudでは容量20GBのストレージを提供。ユーザーは、ファイルの共有や同期が行なえる。

 アドビは次世代タブレットのいくつかではスタイラスペンが主要機能になると予想しており、Adobe Touch Appsは指先とスタイラスペンのいずれの操作にも対応する設計という。

 なお、それぞれのAdobe Touch Appの価格にはAdobe Creative Cloudのファイル表示、共有、送信機能の利用が含まれる。Adobe Creative Cloudの料金設定、アプリケーション、サービス、コミュニティ関連の拡張機能に関しての詳細は2011年11月初旬に発表する。

Adobe Photoshop Touch

 Adobe Photoshopのコア機能を使った画像編集アプリ。ジェスチャーを使って複数の写真でレイヤー化された画像を作成したり、編集機能およびエフェクト機能を使用できる。

 タブレット専用機能の「Scribble Selectツール」で、保持する部分や破棄する部分をおおざっぱに選択するだけでオブジェクトを抽出できるとする。また、Adobe Photoshopの「Refne Edgeテクノロジー」で、髪の毛のような要素も容易に選択できるという。FacebookやGoogle Searchとの連携により、画像の検索や作品の共有も行なえる。

 Adobe Creative Cloudの同期機能を使用すれば、Adobe Photoshopでファイルを開くことができる。

Adobe Collage

アイデアのイメージ、図、テキスト、Creative Suiteのファイルをイメージボードに統合できるアプリ。アイデアやコンセプトを捉えてさらに洗練された作品にすることを支援するという。

 画像の読込、描画のための4タイプのペン、テキスト追加、カラースキーム適用といった機能を備える。キャンバスのサイズはほぼ制限が無いといい、必要に応じてデザイン資産を加える拡張性があるとする。作成したファイルは共有または送信することでAdobe Photoshopからアクセスできる。

Adobe Debut

 クライアントや関係者へのプレゼンテーションを事実上、どこにいても行なえるとするアプリ。Adobe PhotoshopのレイヤーやIllustratorのアートボードなどをタブレット対応バージョンとして開き、タブレット端末で表示できる。

 マークアップペンツールで、作品の上にメモや図を追加することも可能。

Adobe Ideas

 簡単に習得できるというベクトルベースの描画ツール。スタイラスペンか指を使って、ズームレベルでもスムーズな描線が表示できるとしている。

 空白のキャンパスから描画を始め、カラーテーマの選択や個別レイヤーとしてコントロール可能なタブレット対応の画像ファイルを追加可能。完成作品はAdobe PhotoshopかIllustratorからアクセスできる。

Adobe Kuler

 カラーテーマの生成を容易に行なえるというアプリ。デザインプロジェクトにインスピレーションをもたらすことができるとしている。

 クリエイティブコミュニティを通じて多数のKulerテーマを取得でき、さまざまな色の組み合わせを試したり発見できるとしている。テーマのレーティングやコメント機能も利用できる。完成したテーマはカラースウォッチとしてAdobe Creative Suiteプロジェクトに書き出せる。

Adobe Proto

 Webサイトやモバイルアプリケーション向けの双方向ワイヤフレームとプロトタイプをタブレット上で開発できるアプリ。タッチベースのインターフェースを使用し、アイデアをチームやクライアントに伝えて共有できる。

 ワイヤフレームやプロトタイプはHTML、CSS、JavaScriptとして書き出せ、一般的なブラウザで確認できる。




(本誌:武石修)

2011/10/4 13:50