銀座ニコンサロン、江成常夫写真展「GAMA CAVE 霊魂がやどる聖地」


 銀座ニコンサロンは、江成常夫写真展「GAMA CAVE 霊魂がやどる聖地」を8月3日から開催する。

 歴史は明日への道標にほかならない。作者はこれまでの40年近く、15年にわたった「戦争の昭和」に翻弄され、声を持たない人たちの声を写真を通して代弁することで、現代史を軽視、記憶から遠ざけてきた戦後の日本人を問い続けてきた。
「戦争花嫁」と呼ばれ蔑みのもとにアメリカに嫁いだ日本人女性との出会い、「15年戦争」の発端となった「満洲」、「満洲」が生んだ日本人戦争孤児、大戦の終焉地ヒロシマを三十数年にわたって見詰めてきた。2004年からは「満洲」と「ヒロシマ」をつなぐ太平洋戦の15の戦歴の島を巡ってきた。
このうちでも本土防衛の最終戦となった沖縄戦は、県民を巻き込み、軍民合わせた戦没者は188,000人余りに及んでいる。
沖縄は島の地質的条件から「ガマ」と呼ばれる自然洞窟が各所に多数点在している。「ガマ」には県民の老若男女、乳児までが戦火を逃れ身を寄せたが、日本軍から追い出され、自決を強いられるなど凄惨を極めた。そしてまた「ガマ」には軍の野戦病院が置かれたことから、米軍が攻め込むなか重傷将兵らは置き去りにされ、多くが没している。こうしたことから「ガマ」はいわば阿鼻地獄のもとで逝った人たちの、霊魂が宿る「聖地」でもある。
写真展では、これまで封印されてきた「ガマ」を克明に浮き立たせることで、太平洋戦の罪の深さを、鎮魂をもって呼び戻そうとしている。カラー30~40点(大型を含む)。

(写真展情報より)

 作者と伊藤俊治氏によるトークショーを8月3日の18時30分~20時に開催する。

  • 名称:江成常夫写真展「GAMA CAVE 霊魂がやどる聖地」
  • 会場:銀座ニコンサロン
  • 住所:東京都中央区銀座7-10-1 STRATA GINZA(ストラータ ギンザ) 1階・2階「ニコンプラザ銀座内」
  • 開催日:2011年8月3日~8月16日
  • 時間:10時30分~18時30分(最終日は15時まで)
  • 休館:8月13日、8月14日

(本誌:武石修)

2011/7/20 00:00