オリンパスギャラリー、椋木美穂写真展「Αποκριε
ς(アポクリエス)ギリシャ・スキロス島の奇祭」


 オリンパスギャラリーは、椋木美穂写真展「Αποκριε
ς(アポクリエス)ギリシャ・スキロス島の奇祭」を5月26日から開催する。
(c)椋木美穂

ギリシャの首都アテネから北東に位置するスキロス島は、古代からの伝統を保護、伝承している島である。

私が学生の頃、ギリシャのある島の女性陶芸家を主人公とした物語を書いた。

その主人公とイメージがぴったりと合う女性がスキロス島にいることを知り、2008年の6月に初めてスキロス島を訪れた。

島には彼女のほかにもさまざまな職人がいて、私は昔からの技術を受け継ぐ人々の姿に魅かれ、島中の職人を撮りに回った。

その行く先々で同じ話を耳にした。

なんでも古代から続く祭りがあるというので、2009年のスキロス島へ向かった。

その祭りでは、男たちは山羊皮の仮面を被り、腰にいくつもの大きな山羊鈴を結びつけ、何とも恐ろしい風貌でスキロスの町を踊り狂う。

ガランガランという耳が痛くなるほどの鈴音を鳴らし、町中恐怖の渦に巻き込んでいく。

伝統衣装を着た美しく、妖艶な姿の女たちは彼らの行く所どころに現れ、ハンカチをひらひらとなびかせて踊り舞う。人々はただ目の前にある彼らの姿に圧倒され、引き込まれる。

まるで神話の世界に入り込んでしまったかのようだ。

この祭りの由来は未だ解明されていないが、島の人々の祭りに対する誇りや喜び、先祖への敬意を感じることができた。そしてこれからも彼らの鳴らす鈴の音は毎年、島に響き続けるだろう。

※Αποκριε
ς(アポクリエス)とは、ギリシャ正教の信者に対し、肉食や飲酒、娯楽などを禁じる四旬節に入る前に行われるカーニバルのことである。

 

出展作品数 モノクロ 約48点

(写真展情報より)

  • 名称:椋木美穂写真展「Αποκριε
    ς(アポクリエス)ギリシャ・スキロス島の奇祭」
  • 会場:オリンパスギャラリー東京
  • 住所:東京都千代田区神田小川町1-3-1 NBF小川町ビル1F・2F
  • 会期:2011年5月26日〜20111年6月1日
  • 時間:10時〜18時(最終日15時まで)
  • 休館:日曜・祝日
  • 名称:椋木美穂写真展「Αποκριε
    ς(アポクリエス)ギリシャ・スキロス島の奇祭」
  • 会場:オリンパスギャラリー大阪
  • 住所:大阪市西区阿波座1-6-1 MID西本町ビル
  • 会期:2011年6月30日〜2011年7月6日
  • 時間:10時〜18時(最終日15時まで)
  • 休館:日曜・祝日

(本誌:折本幸治)

2011/5/12 00:00