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ニコンミュージアムが10月12日(土)にリニューアルオープン

新本社に移転 1,300点を超える技術や製品を展示

テープカットの様子。左からニコンミュージアム館長の中島良允氏、品川市副区長の堀越明氏、ニコン代表取締役兼社長執行役員の德成旨亮氏、品川区長の森澤恭子氏、ニコン取締役兼執行役員の大村泰弘氏、ニコン経営戦略本部広報部長の鈴木さやか氏

株式会社ニコンは10月9日(水)、東京都品川区西大井の新本社内にリニューアルしたニコンミュージアムを公開した。10月12日(土)からの一般公開に先立ち行われたオープニングセレモニーでは、同社の歴史と最新技術を融合させた新たな展示コンセプトが明らかになった。

ニコンの新社屋。創業の地である品川区西大井に立地する。ニコンミュージアムはこの建物内に所在

ニコンミュージアムは、1917年の創業以来100年以上にわたるニコンの光学技術と精密技術の歴史を紹介する企業博物館。元々は2017年7月のニコン創立100周年を記念して品川インターシティに開設されたが、今回の新本社移転に伴い、新たにリニューアルオープンした。

ミュージアムのエントランス

新たなミュージアムでは、約1,300点の技術や製品を、エントランス、インダストリー、コンシューマー、シアターの4つのゾーンに分けて展示している。特にコンシューマーゾーンでは、カメラ展示ケースを旧ミュージアムの15㎡から27㎡に拡大。ニコンの歴代カメラやレンズを展示している。

歴代のカメラやレンズが展示されている
Fマウントのレンズが一堂に会す
超望遠レンズなども展示される

展示されているカメラには、1948年に発売されたニコンI型をはじめ、1959年のフィルム一眼レフカメラNikon F、1999年のデジタル一眼レフカメラD1、そして最新のミラーレスカメラZ9まで、ニコンの歴史を物語るモデルが並ぶ。

ニコンI型 プロトタイプ
ニコンFMやニコンFEの姿も
歴代COOLPIXの展示
ニコンF3PとAI NIKKOR 300mm f/2S IF EDの組み合わせ
もちろんZシステムも展示する

F、F2、F3の各種モデルや、NASAに提供したカメラ、製品化に至らなかったプロトモデルをテーマとした展示もされていた。

テーマ展示ではF、F2、F3などをピックアップしている
NASAに提供したモデルなども展示する

タッチ&トライコーナーも設ける。F3と超望遠レンズの組み合わせや、ニコンSPなど実際に操作できる。

インダストリーゾーンでは、一般にはなじみの薄いB to B製品を「見る」「写す」「作る」「測る」という4つの動詞で分類し、半導体露光装置やFPD露光装置などの仕組みを分かりやすく解説している。また、顕微鏡や望遠鏡を実際に使用できるコーナーを設け、来館者、特に子供たちが科学の面白さを体験できる工夫も施したという。

望遠鏡など実際に体験できる
顕微鏡なども様々な機種を用意する

ミュージアム内にはお土産コーナーも設けられている。ラインアップには有名なニコン羊羹をはじめ、ニコンミュージアムのカメラストラップ、カメラをモチーフにしたアクリルキーホルダーやTシャツ、トートバッグなどが並ぶ。

ニコン羊羹
ニコンミュージアムのカメラストラップ
Tシャツとトートバッグなども用意する

オープニングセレモニー中、ニコンの代表取締役兼社長執行役員の德成旨亮氏は挨拶で、「伝統と革新を体験していただくミュージアムというコンセプトで運営したい」と述べ、新ミュージアムへの期待を語った。さらに「若い子供たちに科学する心を育んでもらいたい」と付け加え、教育的側面も重視する姿勢を示した。

ニコン代表取締役兼社長執行役員 德成旨亮氏

品川区長の森澤恭子氏は祝辞で、「多くのニコンファンとともに、地域の区民の皆さんが多く訪れ、愛される施設となることを願っている」と期待を寄せた。また、「区内の各学校の生徒児童による見学、利用などの連携についても期待とお願いをしたい」と述べ、教育機関との連携にも言及した。

品川区長 森澤恭子氏

ニコンミュージアム館長の中島良允氏は「単なる製品展示ではなく、ニコンのアイデンティティである『伝統と革新』を感じていただける場所にしたい」と語った。

ニコンミュージアム館長 中島良允氏

ニコンミュージアムは、単なる企業PRの場ではなく、日本の光学技術の発展を体感できる貴重な文化施設としての役割も果たしている。ニコンの創業の地である品川区西大井に立地し、地域の歴史や産業発展との関わりも紹介しており、幅広い層の来館者に親しまれることが期待されている。

施設名

ニコンミュージアム

所在地


開館時間

10時00分〜17時30分(最終入館17時00分)

休館日

月曜日、日曜日、祝日およびニコンミュージアムが定める指定日
※土曜日が祝日の場合は休館

入館料

無料

本誌:佐藤拓