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マンフロット株式会社が「ヴァイテックイメージング株式会社」に変更
4月からロープロとJOBYを取り扱い
2018年3月2日 09:04
ロープロ、JOBYの買収を機に
もともと企業としてのマンフロットは英国ヴァイテック(Vitec)グループの1社して活動しており、その傘下にマンフロット、ジッツオ、ナショナルジオグラフィック、ラストライトなどのブランドを擁していた。ヴァイテックグループは、総売上高約548億円規模を誇る世界最大のイメージング企業だ。
2017年9月、ヴァイテックグループはカメラバッグのLowepro(ロープロ)とフレキシブル三脚のJOBY(ジョビィ)を買収。ロープロはカメラバッグで世界シェア1位のブランドであり、JOBYが供給する「ゴリラポッド」の知名度も高い。ロープロは創業から50年、JOBYは10年だ。2社の買収に伴い、グループ内の代表格であったマンフロットの地位が相対的に落ち、企業名としてのマンフロットは役目を終え、本来のグループ名であるヴァイテックが表の世界に出た格好だ。
ちなみに日本のマンフロット株式会社は、輸入商社のボーゲンイメージング株式会社が2010年に社名変更して発足した。その際の理由は、ヴァイテックがグループ内のブランドのうち、マンフロットを中核に据える方針を固めたためだった。
CP+2018にあわせて来日したヴァイテックのエグゼクティブ・バイスプレジデント、マルコ・ヴィダーリ氏は、ヴァイテックが持つ強みのうち、グローバルでの展開を強調。戦略的買収による成長の歴史や、新しい技術や技術への注力を改めて述べた。
プレゼンにはヴァイテックでロープロとJOBYのシニアディレクターを務めるティム・グリマー氏も参加した。
米国発のこの2ブランドは、今年6月に共同で新しいオフィスをカリフォルニア州ベタルマに立ち上げるとのこと。創造性の高い仕事を実現するため自社スタッフが設計した開放感ある空間で、グリマー氏は「イノベーションセンター」と説明していた。
その主な目的は、新しいクリエイターの行動に沿った製品を世に送り出すことだ。手持ちジンバル、ドローン、VRといった機材の浸透や、プロ/アマの境が薄いコンテンツ配信環境の普及を見据えている。もともとJOBYはいまでいうYouTuberのような独立系のクリエイターの志向されてきた歴史があるが、そうしたコンテンツクリエイターは世界に約5,000万人いると見られる。
この流れは現マンフロット株式会社の新井啓之社長からも補強があり、例えば2012年以降、レンズ交換式カメラの市場が落ち込む一方で、マンフロットは当初こそそれに引きずられたものの、2016年からは急激に売上高を伸ばしている。その理由のひとつは、個人ビデオグラファーなど新市場を意識した結果だという。
切り替え時には新製品も
日本でのロープロとJOBYは、これまでハクバ写真作業株式会社が輸入代理店を勤めていた。4月からはヴァイテックイメージング株式会社(現マンフロット株式会社)が引き継ぐ。
ロープロは3コレクション、36シリーズ、152製品をラインナップ。4月中旬より順次発売予定。
これまでなかった新製品としては、カジュアルラインの「えむとレッカーシリーズ」が目新しい。バックパック、ショルダー、スリングの3タイプで、いずれも外装をブラックとチャコールグレーから選べる。
「プロストリーム SP300」は、カメラバッグ系のローラーケースとしては珍しく、4輪のタイヤを備えている。
JOBYの新製品としては、スマートフォン用の「グリップタイト PRO テレポッド」が好印象。スタンド、自撮り棒として使えて、Bluetoothを使ったスマートフォン用のリモコンが付属する。
ゴリラポッド アームキットも、個人スタイルの映像制作を意識した製品だ。