初心者あつまれ!デジカメ撮影の基礎を学ぼう

構図を考えてかっこよく

写真を撮る時、被写体を画面のどこに配置するか、悩むことはないですか?そんなとき「構図」に当てはめて考えてみましょう。

「構図」とは、写真や絵画などで画面を構成するパターンのことです。さまざまな種類がありますが、今回はその中から「三分割構図」「対角線構図」「日の丸構図」について例を載せます。

それぞれの構図の効果を知り、被写体のイメージに合う構図で撮影してみましょう。

OLYMPUS PEN Lite E-PL7

もっともバランスが取りやすい「三分割構図」

被写体を中心に配置すると平凡になりがちだし、かといって端によりすぎると目立ちにくい。そこで「三分割構図」の出番です。画面の上下と左右をそれぞれ3等分しその交点に被写体を入れるのが「三分割構図」の基本です。

中央よりやや端に寄り、向いている方向を開けることで画面に流れが生まれます。

しかし、寂しい雰囲気を出したい場合は上の写真のように、向いている方向を切り詰めるのもいいですね。イメージに合わせて変えてみましょう。

主役となる本を三分割構図に当てはめ、左下に入れました。そのとき、脇役を対角の交点に入れるとバランスがよくなります。ここでは椅子を右上に入れました。

三分割構図の交点ではなく、線上に水平線や地平線を入れてみましょう。ここでは水面1:地上2の比率で差が生まれました。差をつけることで主役となる地上の夜景が強調されます。水面への映り込みが綺麗に出ている場合は、水面を強調するため水面2:地上1でもいいですね。

画面に流れを作り出す「対角線構図」

画像の隅から対角側の隅への流れを作る対角線構図。三分割構図の対角にある交点を結ぶことで生まれるので、三分割構図からの派生パターンとも言えます。

画面上でいちばん長い辺ができるので、流れが生まれやすいのはもちろん、奥行き感を出しやすい構図といえます。

道や川の流れなどに当てはめると効果的で、広角レンズを使うとより遠近感が強調され、奥行きを感じます。

滝が岩の上から落ちるところを下から狙いました。まっすぐ下に落ちると流れが出にくいのですが、斜めに水が落ちるアングルから狙うことで、右上から左下へと画面に流れを作り出すことができました。

中央の花が主役で、右下に前ぼけ、左上に背景ぼけを入れています。この三点を結ぶと対角線が描かれ、奥行きが感じられます。このように直線的な被写体だけではなく、被写体を線で結ぶ配置も考えられます。

インパクト大!でも実は難しい?「日の丸構図」

画面の中央に被写体を入れる日の丸構図。日の丸の国旗のようにインパクトのある画面になります。

しかし、被写体が真ん中にあることから、流れが生まれにくくなるのが、他の構図と違う点です。

初心者の方はつい被写体を真ん中に入れがちですが、背景が整理できないと平凡になりがち。日の丸構図で画面をうまく収めるのはむしろ難しいので、ぜひ挑戦してみましょう。

画面の真ん中に入れているので、このビルにぱっと目が行ったはずです。周囲がトンネル型になるような場所で被写体を中心に入れると、より引き立ちますね。

日の丸構図と1:1の正方形画面は相性が良く、上下左右とも均等に空間ができてバランスが良くなります。

また、アートフィルターのトイフォトを使うと、四隅が暗くなりますが、主役を包むようになるので、こちらも効果的です。

被写体を画面のどこに置くか意識してみよう

ただ被写体を画面の中に収めるのではなく、構図を意識して撮影してみましょう。画面のバランスが良くなり、画面に流れが生まれることでしょう。

また、四隅に余計なものが写り込んでいないか、撮影画像を再生してチェックする癖をつけるといいですね。構図はパターンなので、他にもいろいろあります。被写体の状況に応じて使い分け、上手く当てはめて撮影してみてください。

次回は最終回です。これまでのテクニックを振り返りながら、写真を撮ることについて総合的に考えてみましょう。

使用機材:OLYMPUS PEN Lite E-PL7

(2015/11/2)
(よしずみ しほ)1979年東京生まれ。日本写真芸術専門学校卒業後、竹内敏信事務所に入社。 2005年4月に独立。自然の「こころ」をテーマに、花や風景の作品を撮り続けている。日本自然科学写真協会(SSP)会員。