写真の色味をおしゃれに変えよう!
全体に温かみがある色合いの写真や、クールで青っぽい写真を見たことはありませんか。これはカメラの機能のひとつ「ホワイトバランス」を調整することで作り出せます。
ホワイトバランスは「光の色を補正する」「その場で見た色合いを残す」「色を加える」といった3つのパターンで使い分けることができます。どの設定にすると、どんな効果があるのかを知り、ホワイトバランスを上手に活用しましょう。
ホワイトバランスとは?
光にはそれぞれ色を持っていて、被写体はその影響を受けます。例えば電球の灯ったカフェに入ったばかりだと、カップやお皿がオレンジ色に染まって見えますよね。人間の目はよくできたもので、しばらく同じ場所にいると慣れてきてその場の光の色が分からなくなってきますが、機械であるカメラはそうはいきません。
ホワイトバランスの役割のひとつは、人間の目が光の色になれるように、光の色を補正すること。白いカップがオレンジ色に写るのではなく、本来の白に補正して写します。具体的には、オレンジ色の光に対して、カメラ内で反対色の色を加えることで補正します。
これを「オートホワイトバランス」と呼び、ほぼすべてのカメラに搭載されています。
オートホワイトバランスは、どんな光源下でもカメラが自動で判断して補正してくれるの便利です。
ただしどんな補正を行うかはカメラによって違います。たいていの場合はオートホワイトバランスで問題ないのですが、オートホワイトバランスで本来の白が出ていないと感じたら、オートホワイトバランス以外のホワイトバランスにしてみてください。
例えば天候が曇りの時=ホワイトバランスを「曇天」に、部屋の明かりが電球=ホワイトバランスを「電球」といった具合に、光源にホワイトバランスを合わせてみてください。オートホワイトバランスでは色味が目立つ場合でも、問題が解決する場合があります。
光の色をそのまま写したい!
オートでは光の色が自動で補正され、本来の色で写るようになります。しかし、電球の色味を残して温もりを表現したり、光の色を感じたまま再現したいこともありますよね。
そうした場合、ホワイトバランスをオートではなく「晴天」にすれば補正はかかりません。電球の下で「晴天」を選べば、特有のオレンジ色がそのままに写せるのです。
ホワイトバランスを使って、写真全体の色味をコントロールすることも可能です。いってみれば、レンズの前に色つきのフィルターを置いて使う感覚です。
曇りや日陰の光は、本来青みがかっています。それを補正するため、ホワイトバランス「曇天」や「日陰」では、青色を打ち消すために反対色のオレンジ色が加わります。
曇天はややうっすらとオレンジ色が増し、日陰ではそれ以上に強くなります。これを日中に使うとオレンジ色が加わるために、温かみを感じる写真になるのです。
ホワイトバランス「曇天」や「日陰」を夕暮れに使うとよりオレンジ色が強くなるので、見た目以上に赤みを増して写せます。夕焼けで赤みが物足りない時にも印象を強めることができます。
クールな色合いにも!
電球はオレンジ色の光ですから、それを補正するホワイトバランス「電球」は、青味を強くします。これを青色の色フィルターとして使えば、クールな雰囲気が表現ができます。
白や青っぽいものは合わせやすいですが、赤系の色に使って紫っぽい色を出してみるのもいいですね。窓ガラスや小瓶などの透明感を演出したり、明け方のような雰囲気に仕上げることができます。
ピンク色のユリを写すと、全体は青緑色で、花だけが赤紫色になり、どこか妖艶な雰囲気になりました。
夜景では灯りが全て青くなり、おしゃれで洗練された都会の風景を写し出しました。真っ黒や真っ白い部分には影響しません。青色を重ねるとどんな色になるかを想像しながら被写体を探すのもいいですね。
アートフィルターで変化を楽しむ
アートフィルター(カメラメーカーによっては名称が異なります)の中にも、色が変わるものがあります。
例えば、「デイドリーム」は青みがかり、「クロスプロセス」は緑色が強く強調されます。PEN Lite E-PL7の場合、絞り優先オートやシャッター速度優先オートからアートフィルターを選択すれば、ホワイトバランスに加えてアートフィルターを使うこともできます。
不思議な色彩を放つアートフィルター「クロスプロセス」。全体に緑色がかかり、コントラストも強まります。どのような仕上がりになるかが予測しにくいので、気になる被写体があれば、ライブビューで見てみるといいでしょう。
トイフォトの効果で四隅が暗くなり、さらにホワイトバランスを日陰にしたので全体にオレンジ色がかかり、昔の写真のような仕上がりになりました。
色味を変えて自分ならではの表現を!
色を補正するのはもちろん、色を加えるのも新たな世界が広がって楽しいですね。ホワイトバランスで青みを加えつつ、または、赤みを加えつつ、明るくしたり、暗くしたりと色に合わせて、明るさも変えれば、印象が更に変わっていきます。どちらもライブビュー画面上で変化が見られるので、設定を変えながら、どんどんとイメージに近づけてみましょう。
次回は「構図」のお話です。被写体を配置するパターンを知り、上手に画面を切り取っていきましょう!