山岸伸の「写真のキモチ」
第97回:ジュエリーアイスの無い大津海岸へ
新たな被写体探し
2026年3月31日 12:00
十勝帯広ロケの中で合間を見つけ、ジュエリーアイスの無い大津海岸へ行ってみたいと日の出前に訪れた山岸さん。そこで見た景色、そして帯広とのこれからについて伺いました。(聞き手・文:近井沙妃)
氷の無い大津海岸を見たかった
ばんえい十勝 帯広競馬場にて3月22日に行われた重賞レース「ばんえい記念」に合わせ帯広に訪れた。撮影の合間にジュエリーアイスで有名な浜、大津海岸へ行きたいとジュエリーアイスの名付け親である浦島久先生にお願いした。「この時期、氷(ジュエリーアイス)はもう無いよ」と。私が「氷は要らないです、氷の無い大津海岸に行ってみたい」と言うと先生は不思議な顔をして「わかりました、行きましょう」と同行してくれることに。
3時に起きて4時にホテルを出発、5時に海岸到着。浜に向かうと先生の姿があった。
今回は十勝文化賞を受賞した浦島久先生、同行を希望した写真家の宇井眞紀子さん、アマチュアカメラマンの梅村明さんと私の4人で個々にカメラを持ち-3℃の海辺を歩く。
私はソニー α1 IIとキヤノン EOS R6 Mark II、浦島先生と梅村さんはキヤノン EOS R6 Mark II、宇井さんはOM SYSTEM。
思い思いに撮影していると薄曇りの中に見事な朝日が浮かび上がってきた。浦島先生は「氷が無くてもいいね、すごくいいね」と喜びながらシャッターを切っていた。
私は過去にジュエリーアイスを3回ぐらい撮りに来たがどうも上手く撮れず、作品としてお見せできるものは生まれていない。真冬に氷点下の中で強者のカメラマンたちが集まり寒い海の氷を撮っている姿が目に浮かぶ。この日は私の中では新しい大津海岸の景色を写せてよかった。
いつの間にか自分が寒さに弱くなり-3℃というと私の持っている防寒具ではなかなか耐えられない。最初に冷えてくるのは顔面、次は手。こんなに手が寒さに弱くなっていると思わなかった。いつもしている指先の空いたグローブの上にもう1つ手袋を重ねて撮影に向かったが手がなかなかいうことをきかず、気持ち的に30分ぐらい早く撮影を終えたように思う。
ドーナツ店「朝日堂」へ
今回はもう1つ目的があった。いつもジュエリーアイスの撮影に行くと帰りに朝日堂というアメリカンドーナツ屋さんに寄り、ご主人に温かいコーヒーとドーナツをいただいていた。どうしても昨年12月に出版したばんえい競馬の写真集をお仏壇にお供えしていただきたく、せめて本をお渡しするだけでもと思い伺った。
十勝帯広とのこれから
ばんえい競馬を撮るようになってから20年、とかち観光大使をさせていただいている。ばんえい競馬の撮影はひと段落したがこれからも十勝とは縁が切れるわけではない。十勝の中で違うものに目を向けようと被写体を探している。
そして1つ、なかなか許可などが上手くとれずに難航している企画がある。次回のこのコーナーでもそのことを詳しく書きたいと思うので皆さんその時はご協力よろしくお願いします。








