岡嶋和幸の「あとで買う」

1,249点目:大道ファン必読のエッセイ的写真論の新装版

森山大道『犬の記憶』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

森山大道『犬の記憶』

今年8月に東京・原宿にオープンした「GR SPACE TOKYO」に行きました。RICOH GRシリーズのコンセプトや世界観を施した空間で、10月21日(月)までオープン記念企画として森山大道さんの写真展も開催されています。

代表作『三沢の犬』などが展示され、そのフィギュアも飾られていました。赤城耕一さんたちとThreadsで、渋谷のハチ公前にあやかり、原宿の「三沢の犬」前と呼ぼうということになったのですが、この写真展が終わると待ち合わせ場所として使えなくなる? 『三沢の犬』で思い出したのが本日のこちらの文庫本です。

といっても最近出版されたものではなく、1982年から1983年の『アサヒカメラ』での連載をまとめたもので、森山大道さんにとって初めての作文集です。本書は2022年発売のその新装版です。

さらに『アサヒグラフ』での1997年の連載をまとめた『犬の記憶 終章』の新装版も同時に発売されています。どちらも販売価格は990円で、ファン必読のシリーズといえるでしょう。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。