岡嶋和幸の「あとで買う」

1,221点目:新しい写真表現を読み解くための本

後藤繁雄『現代写真とは何だろう』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムがたくさん入っています。この連載では、フォトライフに関連する製品を中心にその中身をお届けします。どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

後藤繁雄『現代写真とは何だろう』

「現代写真」とは何なのでしょうか? 私も何となく分かっているようで、でも実はよく分かっていなかったりします。

「世界の写真アートの今を知る」ということで、1,060点目に『現代写真』という書籍を紹介しましたが、本書も同じく後藤繁雄さんが書かれたものです。

ウィリアム・エグルストン、ヴォルフガング・ティルマンス、ホンマタカシ、杉本博司らへのインタビューを交えながら、国内外で写真展をプロデュースするなど現代アートの分野で最先端の活動を続けられている筆者が、新しい写真表現について読み解いていきます。

「もはや既存の知識や古い思考では、『現代写真』をとらえられない。写真にしかできないことを理解しない限り、コンテンポラリーアートとしての写真の魅力を語ることはできないだろう」と書かれているとおり、自分自身のアップデートのためにぜひ読んでみたいと思います。販売価格は1,320円で、Kindle版もあります。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。