岡嶋和幸の「あとで買う」

493点目:ソール・ライターの未発表作品が楽しめる1冊

ソール・ライター『まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER』

ネットショップのカートの中にある「あとで買う」には、様子見をしているなど気になるアイテムが沢山あります。この連載では、撮影や写真関連のアイテムを中心にその中身をお届けします。購入前の製品については使った感想や評価はありませんが、どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、日々の物欲をお楽しみください。

ソール・ライター『まだ見ぬソール・ライター THE UNSEEN SAUL LEITER』

世界で高い評価を得ていて、日本でも大人気のソール・ライターですが、新しい写真集が発売になりました。アトリエに無造作に遺されたままになっていた膨大な数の未発表のフィルムから、約10年をかけてまとめたのが本書なのだそうです。

Amazonの商品ページでは10点の作品を見ることができますが、その独特の色彩と構図によるストリート・フォトに魅了されてさらにファンが増えそうです。販売価格は4,180円と、29点目で紹介した2冊の写真集より少し高めの設定です。

76点、160ページとボリュームも控えめですが、判型はA4変型と大きめであるためページを開いたときの見応えは十分でしょう。彼の思考と技術の秘密に迫るエッセイが収録されているなど読み応えもありそうです。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。