岡嶋和幸の「あとで買う」

296点目:カメラがなくても白黒フィルム写真が楽しめる

コダック「Tri-X 400 Single-Use Flash Camera」

私のAmazonのショッピングカートには、そのままレジに進むのではなく、「あとで買う」に移して様子見をしているアイテムが沢山あります。それらは値下がりなど何かのタイミングで購入するものもあれば、気持ちが覚めてしまって削除するものも……。この連載では、カメラや写真関連のアイテムを中心に、日々増え続ける私の「あとで買う」の中身をお届けします。いずれも購入前なので使った感想や評価はありませんが、どのような物に興味を持ち、どのような視点で選んでいるのかなど、岡嶋和幸の日々の物欲をお楽しみください。

コダック「Tri-X 400 Single-Use Flash Camera」

昨年末にSNSなどで話題になっていた、コダック「トライ-X400」の27枚撮りレンズ付きモノクロフィルムです。“使い捨てカメラ”や“使いきりカメラ”などと呼ばれますが、撮り終えてフィルム現像したらもう使うことはできません。中に入っているフィルムは普段から愛用しているのですが、この製品ではどのような写りになるのかすごく気になります。

販売価格は2,100円前後で、配送料が別途必要となるようです(2022年2月18日現在)。近年、フィルムや印画紙はアメリカのB&Hのオンラインショップで購入しているのですが、そこでの販売価格は13ドル(約1,500円)、送料は18ドル(約2,100円)で、Amazonで購入した方が安いです。ちなみに2つ購入すると約2,600円/個で同等となり、3つ以上だと海外通販の方がお得になる計算です。私は一度使ってみたいだけなので、そんなにたくさん必要ないかな。

レンズ付きモノクロフィルムは以前からイルフォードの「HP5 PLUS」が販売されていて、こちらもISO 400で27枚撮りです。販売価格は2,100円前後と同じくらいですが、送料無料で購入できます。カラー現像処理(C-41)を行うモノクロフィルム「XP2 SUPER」のレンズ付きもあり、販売価格は2,000円前後と少しだけ安いです。フィルム現像はモノクロよりカラーの方が安く、対応しているショップも多いです。モノクロのフィルム写真を気軽に楽しみたいならこちらでも良いと思います。

他にもアグファフォトの「AFPLBW36」という選択肢もありますが、使い捨てはイヤだという人には63点目で取り上げたフィルムカメラや、中古カメラ市場に目を向けてみるのも良いでしょう。まずは「アカギカメラ」を覗いてみてください。

1967年、福岡県生まれ。東京写真専門学校卒業。スタジオアシスタント、写真家助手を経てフリーランスとなる。作品発表のほか、セミナー講師やフォトコンテスト審査員など活動の範囲は多岐にわたる。写真集「風と土」(インプレス)など、著書多数。主な写真展に「ディングルの光と風」(富士フイルムフォトサロン)、「潮彩」(ペンタックスフォーラム)、「学校へ行こう! ミャンマー・インレー湖の子どもたち」(キヤノンギャラリー)、「九十九里」(エプソンイメージングギャラリー エプサイト)、「風と土」(ソニーイメージングギャラリー)、「海のほとり」(エプサイトギャラリー)などがある。