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[2007/03/05]

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[2007/02/19]

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[2007/02/05]

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[2007/01/22]

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[2007/01/15]


2006年

【Case-15】青木香織里の場合



 あたしの部屋は『樹海』なの。意味がわからないって?

 どうやら物を失くすのがあたしの特技みたいで、部屋で見失うとちょっとやそっとでは出てこないんだ。3週間前ぐらい前にも、デジカメの充電機失くしちゃって。くやしかった! 4万もしたのに、今使えないの。

 これまでで一番最悪な失くし物は、友達から借りたマンガかなあ。去年は2冊も失くしちゃって。そのうち出てきたのは1冊。もちろん弁償はしたけど……でも落ち込まずにはいられないよね。自分はなんでこんなにしっかりしていないのかなあーってね。やさしい友達は笑って許してくれたんだけど、心が痛かった。「しっかりするぞ!」って決めたけど、全くしてないよね。充電機やCDプレーヤーとかも何度も失くしてるし。あーあぁ……進歩してない。

 ありえないでしょ。だからあたしの部屋は「樹海」なんだ(笑)。でも、こんな困ったサンなあたしにも友達でいてくれる人がいるんだ! え? 物好きな人もいるって? ひどい事言うね! あたしにはそれでいいよ。ただね照れ臭くて言えない事があるんだ。友達に「いつもありがとう」って面と向かって言えなくて。そんな友達がいるからこそ、あたしはいつも元気でいられるんだけどね。

 大学に通いながら仕事は週5日は販売員してるんだけど、今はこの仕事が楽しくって! 具体的にいうと「自分がお客さまの役に立ってる」ことにやりがいを感じてるんだ。もうひとつ別の担当の仕事もあってね。簡単にいうと「お客さま係」になるのかな? 顧客満足度をあげるためにスタッフのレベルアップをはかった取り組みをしたり、働き掛けたり……と。大変じゃないって言ったら嘘になるね。そりゃストレスもたまるよ。でも愚痴なんて言ってる時間ないし、そんな時間があるなら他にやることがある。お店をよくするためにまだまだできることはある! って考えてるよ。このことがあたし自身を成長させているんだなって最近は感じてるんだ。


 1カ月前くらいに5年付き合っていた彼氏と別れたんだ。5歳年上の人で、あたしにないものをたくさん持っている人だった。あの人と一緒にいるととても居心地がよくてすっごい甘えてたのかなあ。原因は環境の変化かな? 彼は卒業して社会人になっていたし、あたしは学校と販売の仕事の両立で自分の時間もないくらいに忙しくなっちゃったし。

 お互い自分の事で精一杯で、相手の事を考える余裕がなくなってしまったのが原因だとあたしは考えてる。やっぱり好きな人からの連絡は欲しいもんね! いなくなって気づいたけれど、あたしはあの人にとても依存していたんだって。1人では何もできない人になってしまっていてね。 自分の甘えん坊具合にびっくりしたよ。たしかに5年は長いね。でも後半の2年は付き合っていたといえる状態じゃなかったかな。連絡取る余裕もなく過ぎ去って行ったし。だから3年なのかな? 付き合っていたっていえるのは。

 それでも長いよね。今でもそれをずーっと考えているわけではないけれど、ふとした瞬間に思い出す。それがとてもつらいんだ。でも、ずっと考えていても仕方がないし、今は友達との時間を大切にしている。 誰かといればあたしは笑える。たくさん泣いた分、今は笑いたいんだ。大切な時間をくれたあの人のためにもね。

 あたしには弟がいてね。1歳半離れてるんだけど、仲がいいんだ。今でも一緒に2人で買い物とかも行っちゃう。あたしの洋服を選ぶ時に弟に見てもらったりとかね。

 最近お母さんからあたしと弟の小さいときの話をきいたんだ。ある日の事、あたしが大泣きして泣き止まなかった夜があっったんだって。「この子は一体どうしたんだろう?」ってその時お母さんは思ったけど、次の日に弟が生まれて謎が解けたんだって。今まで独り占めできてたお母さんは弟のものになってしまったんだ! ってあたしは感じて大泣きたんだと思う。小さい子には何か感じるものがあったんじゃないのかな。不思議だね! ってお母さんがニコニコしながら話すの。本当に弟が生まれてくる事を感じたのかはわからないけど、あたしが大泣きしたのは事実なんだよ。

 自分の居場所をとられないために、弟とバトルしていた記憶もあってね。小さい弟にお母さんがくっつくのは当然だよね? だから必然的にあたしはお父さん子になっていった。優しいお父さんしかあたしの味方じゃない! って感じてたのを、かすかにだけど覚えてるんだ。甘えん坊だよね。弟が羨ましかった事も覚えてる。弟とは小学校時代もたくさん喧嘩したっけな。でも、お互い成長していって段々喧嘩しなくなってね。今の弟は、姉のお買物に付き合ってくれるやさしい奴になったんだよ。

 「家」や「友達」はあたしにとって心休まる大切な場所なんだ。



 メガネッ子企画第2弾は香織里ちゃん。しかも、このシリーズ始まって初のショートカットの女の子の登場だ。学校の授業やゼミの課題、販売の仕事と本当に忙しく生きてる香織里ちゃん。撮影打合せで初めて会った日に、ショートカットの彼女の口から「ずっとロングだったけど、最近になって髪の毛を切ったばかりなんです」と聞いたから、つい失恋からかと思いこんでいたが、どうやら違ったらしい(笑)。


 今回の主要レンズは昨年シグマから発売されて人気を博している30mmF1.4 EX DC HSMと、キヤノンのEF 16~35mmF2.8L USMの2本だった。キヤノンのEOS 5Dに装着して使用した。このレンズは、新設計のEF24-105mm F4L IS USMやEF17-40mm F4L USM(2本ともCase-13撮影で使用)との比較では周辺部が流れるとかの噂をよく聞いていたが、今回の撮影では何の問題も感じなかった。収差問題は技術の専門家に任せて、ボクは暗い室内でも手持ちで撮影するので、F4とF2.8では1段の明るさと使いやすさから、便利なレンズだと思ったなあ。欲を言えばレンズフードの形状を変えてくれたらなと。



 シグマの30mmF1.4 EX DC HSMだが、単焦点大口径レンズは各社から数本は出ているが、価格や重量などなかなか使い勝手の良いモノがなかったので、このレンズに人気が集中するのはうなづける。ニコンD2Xのボディに装着すると大きさや重量ともにちょうど良く、1.5倍の焦点距離で45mmになるので、本来の一眼レフカメラの標準タイプにも近くて使いやすい。掲載カットには無いが、D200で使用してもとてもフィットして、撮影している時の気分がすこぶる良い感じだった。こちらは、あと10cm寄れればと強く願う。この明るさでがもう少しアップが撮れたら、大口径準標準マクロレンズとして完璧なのではないだろうか。

使用機材
Nikon D2X
AF-S DX Zoom Nikkor ED 17~55mmF2.8G (IF)
Ai AF Nikkor 85mm/f1.8D
AF-S VR Zoom Nikkor ED 70~200mmF2.8G (IF)
SIGMA 30mmF1.4 EX DC HSM
Canon EOS 5D
EF 16~35mmF2.8L USM
EF 50mmF1.4 USM
Sandisk Extreme III




HARUKI
(はるき)1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。広告、雑誌、音楽の媒体でポートレートを中心に活動。
1976年 個展「FIRST」を皮切りに、多数の個展、グループ展を開催。1987年朝日広告賞グループ入選、表現技術賞受賞。1991年パルコ期待される若手写真家展選出。コラボ作品がニューヨーク近代美術館に、「普通の人びと」シリーズ作品が神戸ファッション美術館に永久保存。
2005年に個展「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」を東京 渋谷、2006年に京都で開催。

2006/07/10 00:04
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