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連載バックナンバー
【Case-41】橋詰雅代の場合
[2007/03/19]

【Case-40】廣瀬友香の場合
[2007/03/05]

【Case-39】今泉麗香の場合
[2007/02/19]

【Case-38】朝日桂宜の場合
[2007/02/05]

【Case-37】佐藤恵子の場合
[2007/01/22]

【Case-36】足立浩美の場合
[2007/01/15]


2006年

【Case-04】野口梨菜の場合



 大学を卒業後、すぐに就職してOLをしてました。ある事情から休みが自由な仕事を探して転職し、今の職場ではカード会社のコールセンターで支払いの遅れてる顧客へ督促電話をかけています。契約なので週に4回くらいです。ある事情というのはOL時代、父が突然倒れてしまったこと。父の看病や食事の用意、病院の送り迎えなどもあり、母も働いているので、1人では大変だから何か手伝える手段はないかと。

 私が転職してからは家のこと父の付き添いなどを手伝ってる時間が増えたので、少しは家族のために役立っていると自分では思うんだけど、どうなのでしょうかねえ(笑)

 電話で顔が見えない人と会話するのは本当に難しいと思う。その分、代わりに声の表情がものを言います。女友だちからは「喋らなきゃ良いのにねー」よく云われるくらい元々地声が低いほうなので意識して電話かけるようにしたり。

 相手には見えてないけど「ありがとうございます」って言う時はついつい頭も下げちゃいます(笑)

 内容が内容だけに「キツそう」って言われることもよくあるけど、ノルマがあったりするテレアポよりは伝えるべき事が決まってるからやりやすいかなあ。とはいえ仕事を始めたすぐの頃には泣きたいくらい苦手に感じて3日で辞めようかと……。前職で電話なら得意、と思っていただけに軽くショックでした(笑)。悔しさもあったけど半年目くらいでやっとコツがつかめたかな。ずいぶん遅いけどお昼が楽しくなったのもその頃。女性ばかりの和気合々とした空気に馴染めなかった、というより馴染もうともしてなかったけどやっぱり多少寂しくなる。ある日、1人で食べてた人に自分から話しかけたりしてお互いの事がわかってきたら、思わぬ共通の趣味があったりして。「なんだやっぱり話しかけて良かった!」みたいな。

 1人が好きなくせに寂しがりだから一緒にいる人を選んでしまう。そういう意味でつきあいが続いてる人はものすごい大事な人達です。最近はもうちょいオープンな自分になれたらなって思ってます。


 今週は梨菜ちゃんです。日頃の仕事の他にお父様の看病などもあり、なかなか時間が取れない忙しい中を撮影させてもらった。

 今回も撮影場所は数カ所に及んだ。都内で数カ所、郊外の町、そして梨菜ちゃんの実家までお邪魔したりと、かなり広いエリア。今回一番多くのカットを撮ったのは知り合いの事務所が入ってる、改築間際の一軒家を借りての撮影の日だったが、つい先日まで人が暮らしてた気配が残ってる部屋や、謎の探偵事務所があったり、廊下や階段も使ったが、何といってもそこの屋上はとても都心部とは思えない程に雑多に散らかっていて(失礼!)、面白い空間だった。その他にも古いホテルや、今でも稼働している製麺工場(ここの社長さんに事情を話すとすぐに許可をくれた、感謝)や隅田川沿いの土手のある町など3日かけてまわった。

 時間がない中、移動が多かったので機動性を優先して機材的にはシグマの18~50mm F2.8を圧倒的に多様した。長玉は一切使用していないので中望遠に見えるのはシグマズームの50mm側である。

 BGMは甲本ヒロトくん率いる今は無き伝説のバンド、ブルーハーツの名曲「1001のバイオリン」。最近缶コーヒーのCM曲で使われているせいか今週はずっとアタマの中でリピートし続けている。デビューして間もない頃に彼等のライブ撮影をしたことがある。懐かしいなあ。JASRACの許可がないのでここへ歌詞を書けないのが残念だが、この歌詞は彼女の生き方にもダブっている気がする。

 先週号のクイズの答えは2つ目ブロックの上段真ん中(後ろ向きカット)&下段左側(電柱があるカット)です。最終段階でPhotoshopのフィルタから「ノイズ」を選んで銀塩フィルムの粒状感を足しただけ。コレによって空などの中間トーンの広い面積に雰囲気をプラスさせるという簡単なやり方を時々使っている。

 さて今回の問題。全てのカットに共通する事柄はなんだろう。パッと見ではちょっとわかりにくいかな? 1枚1枚をクリックで拡大してよーく確認して欲しい。ヒントは彼女の中に隠されているある共通項。それは一体ナンだろうか? それではまた来週!


使用機材
Nikon D2X
Sandisk Extreme III
Sandisk Ultra II
Lexar 80x Speed WA
AF DX Fisheye Nikkor ED 10.5mmF2.8G
AF-S DX Zoom Nikkor ED 12~24mm F4G(IF)
Ai AF Nikkor 50mm F1.4D
SIGMA 18-50mm F2.8 EX DC




HARUKI
(はるき)1959年広島市生まれ。九州産業大学芸術学部写真学科卒業。広告、雑誌、音楽の媒体でポートレートを中心に活動。
1976年 個展「FIRST」を皮切りに、多数の個展、グループ展を開催。1987年朝日広告賞グループ入選、表現技術賞受賞。1991年パルコ期待される若手写真家展選出。コラボ作品がニューヨーク近代美術館に、「普通の人びと」シリーズ作品が神戸ファッション美術館に永久保存。
2003年に「Tokyo Girls♀彼女たちの居場所。」撮影スタート。2005年に同名の個 展を東京 渋谷で開催。2006年4月6日~25日、同個展を京都ギャラリーで開催。

2006/04/24 00:13
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