中古カメラのススメ

中古カメラのススメ(第2回)カメラボディ編

旧機種でも十分?デジタルカメラをお得に買うには

本コーナー第1回目は、中古カメラとはどういうものであるか、また中古を扱うカメラショップについて探った。第2回となる今回は、中古デジタルカメラの購入について考えてみたい。

参考としてお話を伺ったのは、東京・中野のフジヤカメラ店 営業部販促課の北條順一さんである。

今回お話を伺ったフジヤカメラ店の北條順一さん。「初心者の方でもお気軽にご来店ください。経験豊富なスタッフが懇切丁寧にご相談にのります」

※記事中の商品在庫および価格は取材時のものです。現在は異なる可能性があります。

人気モデルも憧れの上級機もこの値段で

まずは、どのような中古のデジタルカメラが店頭に並ぶのだろうか。

今回取材したフジヤカメラに限っていえば、この4、5年の間に発売されたデジタル一眼レフとミラーレスについては、生産台数の少ないものや特殊なものを除きほぼ揃う。入門用のエントリーモデルから、いわゆる一桁モデルといわれるフラッグシップまでだ。

さらに古いデジタルカメラでも、入荷状況によっては店頭に並ぶこともある。デジタル一眼レフやミラーレスに限っていえば、その中古は広く流通しているといってよいだろう。

ただし、中古カメラは一期一会。「人気のあるカメラはすぐに売れてしまい払底していることもあります。欲しいカメラが決まっていたら、事前に電話などで訊いてみることをオススメします」と北條さんは語る。

ちなみに、中古市場で現在人気のあるデジタルカメラといえば、キヤノンEOS 7D、同EOS 5D Mark II、ニコンD7000、同D800、ソニーα7など。現行機のとき人気のあったカメラは、中古でも人気だ。

中古カメラで今一番の売れセンがキヤノンEOS 5D Mark II。後継モデルEOS 5D Mark IIIが登場した頃よりも、中古市場では価格がアップしている。状態のよいものから売れていくという。
DXフォーマットのニコンD7000/D7100も中古では人気のあるデジタル一眼レフ。タマ数も多く、中古市場ではよく動いているシリーズだ。
フルサイズのミラーレスモデル、ソニーα7シリーズは中古市場のなかでも人気の高いカメラ。中でも人気が高いのがα7で、取材時は払底していた。写真はすべてα7R。
マニアックな人気を誇るミラーレスモデル、FUJIFILM X-T1も中古市場では人気。感材メーカーのデジタルカメラらしい美しい絵づくりは、一度知ると病みつきに。

ソニーα900も人気だそうだが、タマ数が極端に少なくショーケースに並べた横から売れてしまうとのことである。

大ヒットモデルではないものの、他にない装備で当時のファンの心をつかんだモデルも廉価に購入できる。憧れのプロ機も意外な値段で出ていたりして、これもまた中古カメラならではの光景といえるだろう。

デジタル一眼レフのなかでマイノリティな部類に入る富士フイルムFinePix S5 Pro。ニコンD200をベースに、富士フイルム製のイメージセンサーを搭載する。中古市場でもタマ数のたいへん少ないカメラなので、気になったら即買いしたい一台。
高価なフラッグシップモデルも、中古となるとぐっと手頃な価格に。カメラマニアのなかには安くなった中古のフラッグシップモデルをコレクションしている人も少なくない。
取材時には、人気の中判デジタルカメラ、PENTAX 645Zの中古もショーケースにあった。左は先代の645D。販売価格は31万3,200円。中古なら、この価格で中判デジタルが手に入る。
全世界限定2,000台のペンタックスK-3プレミアムシルバーエディション。通常のブラック仕様とは違った精悍な印象だ。新品を買いそびれた人にも注目の1台だ。

店頭でカメラをしっかり確認。気軽に質問してみよう

次に気になるのがカメラの状態、いわゆる程度だ。多くの場合、プライスタグに書かれている。中古カメラショップでは、様々な言い方で程度を表しているが、よく見かけるのは極上品/美品/良品/並品/実用品で区別しているところや、ABCでランク付けされるものだろう。

フジヤカメラでは、キズなどなく使用頻度の極端に少ないものをA、僅かにキズのあるものをAB+、キズや塗装落ちのある標準的な良品をAB、キズや塗装落ちの目立つ並品をAB−、使用感のある老朽品をBといった具合に分類している。AB−以上のカメラであれば不都合を感じるようなことはまずないはずだ。

なお、ショップによって程度のランク付けは様々。ある店では並品扱いが、別な店では良品で扱われるようなこともある。また、その逆もあるので、よりカメラの詳細を知るには、やはり自分の目で確かめるのがよい。

そのとき、撮像素子と背面モニターの傷についてはしっかりチェックしてほしい。中古デジカメを選ぶ際の必須事項だ。

しかし、中古カメラ初心者では分からないことも多い。そのようなときに心強いのがショップの店員だ。その場でカメラの状態を説明してくれるし、場合によっては使い方もレクチャーしてくれる。店員に声をかけるのは億劫だと思うひともいるかとは思うが、遠慮はいらない。

「分からないことや見たいカメラ、試したいカメラがあったら、ぜひ遠慮なくお声をおかけください。丁寧にご案内いたします」と北條さんが話すとおり、お店側もお客からの声かけを待っている。もちろん、それで買わなくても大丈夫。遠慮なく気軽に相談してみるとよい。

フジヤカメラ本店の様子。写真愛好家でお店の中は始終賑わっている。カメラ、交換レンズをメインに扱う本店のほか用品館、ジャンク館などがあり、撮影に必要なものは一通り揃えることができる。

カメラを確認する場合は、外観の状態や操作感など確かめるようにしよう。多くのカメラショップではショーケースに並べる前に検品を行うので、機能的な不具合はまずないといえるが、個体によってキズや塗装落ち(スレ)など異なるからである。

さらに、カメラを構えたり、操作したときの印象が自分に合っていることも大切だ。なお、カメラ本体のみ購入する場合、ショップでそれに応じたレンズを貸してくれるはずなので、持った感じなど確かめたいときはこちらも遠慮なく頼むようにしよう。

付属品についてもチェックしておきたい最重要項目のひとつ。特にバッテリーと充電器は必須だ。多くのデジタルカメラは多機能でもあるので、取扱説明書も気にしておきたい。また、ケーブル類やストラップなどもチェックしよう。もし充電器など付属してない場合は、別途費用がかかるが、ショップに用意してもらってもよいだろう(フジヤカメラ店では、ほとんどの中古商品に付属しているとのこと)。

用途によっては旧機種も 安いので3台目、4台目を買うのもあり

いざ購入となったら、カメラショップによってはいくつか特典のあるところもある。

今回取材したフジヤカメラの場合では、「下取りするカメラがあると、その査定額が自動的に10%アップ。さらに店舗への来店で売却するカメラの金額の3%をポイントバックします。さらに、当店で購入した中古カメラを下取りに出すと、買い取り総額の10%のポイントも付きます(要中古保証書)」とのこと。他のカメラショップでも特典を用意しているところがあるので、購入の際はぜひ聞いてみるとよい。

さらに気になるのが保証だ。中古カメラの場合、保証はショップに委ねられることもあり様々。また価格によっても保証の有無があることが多いので、購入前に必ずチェックしたい。ちなみにフジヤカメラでは「税込み1万800円以上の中古商品には、購入日から半年の、お買い上げ金額を上限とした保証をお付けします」とのこと。なるべくなら保証の付いたデジタルカメラを購入するようにしたい。なお、実際に撮影して不具合の有無を確かめるためにも、購入後はなるべく早めに試し撮りを行うことをおすすめする。

今回の取材で感じたのが、デジタルカメラはフィルムカメラにくらべ中古でも状態のよいものが多いということだろう。特にミラーレスは登場して日も浅いこともあり、その傾向が一層強い。しかも廉価なものが多く、ビギナーには特におすすめといえる。ベテランでも2台目、3台目あるいは4台目のカメラとして購入するのもありだろう。

ミラーレスカメラにはお買い得品が多い。例えばカメラ女子の最初の1台などにもおすすめ。

このところのデジタル一眼レフ、ミラーレスはモデルチェンジしても以前ほど性能的に劇的な進化が見られなくなってきている。一世代前のカメラを中古で安く手に入れ、余った予算で撮影旅行へ、そのような楽しみ方もありそうだ。

編集協力:株式会社玄光社 カメラファン
取材協力:株式会社フジヤカメラ店

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。