結果発表! 読者が選ぶ「2013年デジタルカメラ人気投票」

2013年12月16日から12月25日にかけて投票をお願いしていた、「2013年デジタルカメラ人気投票」の結果をお伝えします。たくさんのご参加ありがとうございました。

　本企画は、その年に登場したデジタルカメラのうち、読者が印象に残った機種を部門ごとに5機種まで投票してもらうもの。2005年から毎年開催し、参加数は2010年の1万354名が最多。前回の2012年は9,237名、2013年は1万255名の皆様にご参加頂いた。

レンズ交換式デジタルカメラ部門

1位：ニコンDf

2位：OLYMPUS OM-D E-M1

3位：ソニーα7R

4位：PENTAX K-3

5位：ソニーα7

6位：パナソニックLUMIX DMC-GM1

7位：FUJIFILM X-E2

8位：キヤノンEOS 70D

9位：パナソニックLUMIX DMC-GX7

10位：Nikon 1 AW1

　昨年は1位はOLYMPUS OM-D E-M5で、2位以下はニコン、ペンタックス、キヤノンの一眼レフが並んだ。FUJIFILMのミラーレスも複数食い込んだものの、トップ10の半分以上が一眼レフだった。しかし今年は10位までのうち7台をミラーレスが占める結果に。ミラーレスは“新しもの”の域を完全に脱し、各社のシステムがそれぞれ個性を持ち、一眼レフやコンパクトと並ぶカテゴリーに成長したと言える。

　そんな中でも1位になったのはニコンの一眼レフ「Df」で、改めてそのインパクトの強さを思い知らされた。カメラに詳しくない人でも、一見して特別なカメラであることがわかるだろう。また、Dfでいよいよデジタルに乗り換えるというベテランのニコンユーザーも少なくないようで、幅広いユーザーに驚きを与えたことが、この得票数に繋がったと見られる。

　2位のOM-D E-M1は、オリンパスがフォーサーズとマイクロフォーサーズを統合したモデル。同社のマイクロフォーサーズ規格への意気込みを強く感じた出来事でもあった。すでに識者によるカメラ雑誌のランキングでは、軒並みE-M1が2013年を代表するカメラとして選ばれているようで、本誌の人気投票によって一般カメラファンの声もそれに近いことが証明されたと言えるだろう。

　ソニーの“フルサイズミラーレス”、α7Rとα7は3位と5位につけた。読者諸賢はご承知の通り、一見よく似た2台でありながら、α7はフルサイズ機の購入ハードルを下げ、α7Rは容赦のない高画素を最少ボディに詰め込んだという意味で、異なる存在感を持つ2台だ。今のところはいわゆるオールドレンズを楽しむベースボディとして人気を集めている側面も強いが、純正レンズラインナップの拡充にも期待がかかる。

　4位のK-3は、カタログ的な派手さは少ないものの、手にすると戻れない地道で堅実な進化が魅力と言われている。同社ならではのSR機構による「ローパスセレクター」も、アイデアマンらしいペンタックスの側面を改めて見せつけられた。

　6位と9位に入ったのは、同じ心臓部を持つパナソニックのミラーレス2台。快適な操作性と拡張性を盛り込んだGX7と、極限まで削ぎ落としたボディに同等画質を持たせたGM1。それぞれのコンセプトが読者に認められた。

レンズ一体型デジタルカメラ部門

1位：OLYMPUS STYLUS 1

2位：リコーGR

3位：ソニーサイバーショットDSC-RX1R

4位：ソニーサイバーショットDSC-QX100

5位：シグマDP3 Merrill

6位：ソニーサイバーショットDSC-RX100M2

7位：FUJIFILM X100S

8位：ソニーサイバーショットDSC-RX10

9位：リコーTHETA

10位：キヤノンPowerShot S120

　個性的な顔ぶれが揃ったのが、レンズ固定式部門。昨年は1位のソニーサイバーショットDSC-RX1から2位のソニーサイバーショットDSC-RX100、3位のシグマDP2 Merrillと続き、大きめなイメージセンサーの搭載で高画質をアピールする機種が引き続き人気だった。同時に、レンズ固定式の構造を活かしてレンズ交換式を超える画質を得られるという認知も広まっただろう。

　2013年は、その後に出てきた「大口径高倍率ズーム機」というカテゴリーの中からオリンパスのSTYLUS 1がトップに立った。わりと実用機然としたデザインが多かった高倍率機だが、OM-Dライクなフォルムが親しみやすさを与える。28-300mm相当レンズを薄くまとめたのも評価されたポイントだろう。

　2位は根強い人気を持つリコーGRシリーズの最新モデル。センサーサイズを前モデルの1/1.7型からAPS-C相当に一気に拡大し、被写界深度を利用したスナップカメラから、ボケ描写も狙えるような高画質ポケットカメラに発展した。それでいて、AFなどの操作レスポンスも全体的に向上させているところが従来からのファンにも支持されていると見られる。

　本年はソニー機の存在感が強い。3位のサイバーショットDSC-RX1Rから、レンズスタイルカメラのQX100、1型ポケットカメラのRX100M2、高級志向の大口径ズーム機RX10といった、どれもカテゴリの異なるモデルが10位までに4台ランクインした。どれも盛り込まれた技術やアイデアに突き抜けた部分を持つカメラで、納得の人気だ。

　シグマDP3 Merrill、FUJIFILM X100S、キヤノンPowerShot S120は、いずれも定評あるシリーズの最新モデル。中でもX100Sのアップデートは、ほかにないOVF＋EVFのファインダーを特徴としながら、その実用性をさらに高めたことで話題を呼んだ。

　9位のリコーTHETAは、前後2つのカメラで全天球イメージをワンショット撮影できるカメラ。カメラでありながら、“魅せる”ためには一般的なスチルカメラとは異なるアプローチで撮影することが求められる。ユーザーもどのようなシーンで全天球イメージを楽しめるのか模索している様子が伺え、そうしたファンコミュニティの盛り上がりも興味深く、2013年を代表する1台といえるだろう。