【年末特別企画】読者が選ぶ「2010年デジタルカメラ人気投票」結果発表

　12月8日から12月22日にかけて投票をお願いしていた「2010年デジタルカメラ人気投票」の結果をお伝えします。たくさんの投票ありがとうございました。

　この企画はその年に発売されたデジタルカメラ本体のうち、印象に残った機種を最大5機種まで投票してもらうもの。「レンズ交換式デジタルカメラ/交換ユニット部門」と「コンパクトデジタルカメラ部門」の2部門について投票いただいた。

　2005年から6度目の開催となる今回、有効投票者数は1万354票と過去最多を記録した。ちなみに前回2009年は9,502票、前々回の2008年は7,828票だった。

■レンズ交換式デジタルカメラ/交換ユニット部門

1位：ペンタックスK-5

2位：ニコンD7000	3位：ソニーNEX-5	4位：ソニーα55

5位：ペンタックス645D	6位：オリンパスE-5	7位：パナソニックLUMIX DMC-GF2

8位：ペンタックスK-r	9位：オリンパス・ペンライトE-PL1	10位：パナソニックLUMIX DMC-GH2

　投票受付の開始から締切まで、激しいデットヒートを繰り広げたのが上位3位までの3モデルだ。

　まれに見る混戦を制したのは、ペンタックスK-5だった。見た目はほぼ前モデルのK-7と変わらないものの、AF周りや高感度画質を強化するなど、ファンの要望に応えた良作。比較的コンパクトな金属外装のボディに視野率100%のファインダーを搭載。基本性能も高い。ちなみに、ペンタックスが1位になったのは、2006年のK10D以来になる。

　ほかにもペンタックス製品では、645Dが5位にランクインしている。有効4,000万画素のCCDセンサーに加えて、中判デジタルカメラとしては手の届きやすい価格設定が話題に。最初の開発発表から約5年2カ月経て登場したモンスターモデルの登場に湧いた。

　さらにペンタックスでは、エントリークラスのK-rが8位に入た。オーダーカラー受注サービスに加え、今年はミニチュアモデルでも話題を呼ぶなど、昨年に続く勢いの良さは健在。同社らしい生真面目さに加えて、近年は他社にない遊び心が読者に伝わっているようだ。

　2位はニコンのD7000。視野率100％のファインダー、39点のAFポイント、金属外装の防塵防滴ボディなど豪華な装備を採用。ミラーレス勢の存在感が強まる中、デジタル一眼レフカメラらしい魅力をミドルクラスのボディ詰め込んだ製品だ。

　3位にはソニーのNEX-5が入った。ソニーらしい斬新なスタイリングにノックアウトされた人も多いはず。レンズ交換式ミラーレス機ながら国内で初めてAPS-Cセンサー搭載するなど、機能面も注目された。4位に入った同じくソニーのα55も、新機軸に果敢に挑戦した製品。新旧の技術資産をうまく融合させ、従来のエントリークラスを超えた価値を実現した。

　6位はオリンパスのE-5。一見すると地味なマイナーチェンジモデルと思いきや、発売以後、画質を中心に高い評価を得ているのが特徴。熱心なフォーサーズファン、特に高性能レンズのユーザーにとって、うれしいプレゼントになったはずだ。

　オリンパスといえば昨年はペンE-P1一色だったが、今年はE-5とともにペンライトE-PL1が9位にランクインした。全体から見ればまだ少数派とはいえ、ミラーレス市場は完全に定着した感がある。小型軽量ボディを押し進め、ライブガイドを中心とした新しい操作系を採用。より女性向けを意識した。

　同じくミラーレス市場の一角を占めるパナソニックは、ランク内にLUMIX DMC-GF2（7位）、LUMIX DMC-GH2（10位）の2モデルを送り込んだ。DMC-GF2はさらなる小型化、DMC-GH2は高速AFを磨き込むなど、着実な進化を見せている。

　今年はフルサイズ機やプロ向けハイエンド機の発売がなく、ミドルクラスの高機能化とミラーレス機の台頭が印象に残った。投票にもそれが反映されており、10位以内にミラーレス機が4モデル、α55を含めると5モデルが占めている。

　一方、1位のK-5や2位のD7000は、光学ファインダーの視野率やボディの上質感など、一眼レフカメラらしさの点でクラスを超えたこだわりをみせている。こうした傾向が来年にも続くのか注目したい。

レンズ交換式デジタルカメラ/交換ユニット部門
得票数・構成比

■コンパクトデジタルカメラ部門

1位：キヤノンPowerShot S95

2位：キヤノンPowerShot G12	2位：パナソニックLUMIX DMC-LX5	4位：ソニーサイバーショットDSC-HX5V

5位：リコーCX4	6位：シグマDP1s	7位：ペンタックスOptio I-10

8位：シグマDP1x	9位：ライカX1	10位：ニコンCOOLPIX P7000

　他機種に大きな差を付け、キヤノンPowerShot S95が首位に立った。広角端F2のズームレンズ、高感度画質を意識した1/1.8型CCDと画像処理エンジン、柔軟なカスタマイズ性能などが評価された模様。ちなみに昨年の1位は前モデルPowerShot S90。同メーカー同シリーズの製品が2年連続で1位になるケースは初めてだ。

　2位は、キヤノンPowerShot G12とパナソニックLUMIX DMC-LX5が同数で並んだ。どちらも高級コンパクトデジタルカメラとして厚い支持を受けるシリーズの最新作だ。

　4位には高倍率ズームレンズ、GPS、AVCHDを搭載したソニーサイバーショットDSC-HX5Vがランクイン。次いで最近の本企画における常連シリーズのひとつ、リコーCX4がつけている。ちなみにCX3は18位だ。

　シグマからはDP2sとDP1xの2モデルがランクイン。両モデルとも地味ながら着実な進化を遂げており、DPファンにとってはうれしい年になったのではないだろうか。

　7位はペンタックスのOptio I-10。ペンタックスが発売したコンパクトデジタルカメラはどれも遊び心があり、HOYA買収以後は業界のトレンドにとらわれない独自の道を進みつつある。スタイリングで遊んだ本機もその1機種だ。

　9位はAPS-Cセンサーを搭載したライカX1。当初の発売予定は2009年12月末であり、実は2009年の人気投票にも発売見込みでエントリーしていた。その後発売が2010年にずれたことから、2009年に続き2010年にもノミネート。ちなみに2009年は6位になっている。

　続く10位は、ニコンの高級コンパクトデジタルカメラ、COOLPIX P7000だ。この機種も画質への評価が高い。12月14日公開の新ファームウェアによりRAW画像撮影のレスポンスが高まり、再評価の動きもある。

　高感度対応を意識した画素数据え置きの流れや、裏面照射型CMOSセンサーの登場が印象的だった2009年に比較すると、2010年は2009年のトレンドがそのまま続いている印象。小誌読者にとっては高級コンパクトデジタルカメラの存在感が依然として強く、得票にも結びついている。

　ミラーレス機のシェアが増す一方、APS-Cセンサーなど、大判センサーを搭載したレンズ非交換式のコンパクトデジタルカメラを望む声も大きい。来年はFinePix X100の発売が控えており、シグマとライカだけだったAPS-Cコンパクト市場をどこまで拡大してくれるか興味深い。

コンパクトデジタルカメラ部門
得票数・構成比