【記録メディア転送速度テスト】デルキンデバイセズ「CombatFlash 8GB」

  • 記録メディアの転送速度を編集部で簡易に計測して掲載するコーナーです。
  • 掲載した結果はテストした個体によるもので、市場におけるすべての製品の性能を保証するものではありません。
  • 記事中の価格や仕様は執筆時のものです。価格は市況により変動する可能性があります。
CombatFlash 8GB

 デルキンデバイセズが5月に発売した「CombatFlash」(コンバットフラッシュ)は、防塵・防滴・防カビに加え、40Gの衝撃、15~2,000Hzの振動、95%までの高湿度に耐えるCF。動作可能温度は-50度から100度。米軍採用規格であるMILスペック相当の基準をクリアしたというタフネス性能を備えることで、高い信頼性を謳う。

 また、UDMA mode6に対応。最大91MB/秒の転送速度を有するとしている。専用の防水ケースが付属する点も特徴だ。

 国内代理店のHSGiでは、32GB、16GB、8GB、4GBの3製品をラインナップ。直販価格はそれぞれ3万9,900円、2万4,900円、1万7,900円、1万800円。

 公称速度もさることながら、水没してもデータを保持するという頑丈さが大きな特徴だ。価格はサンディスクやレキサーの同クラス品と比べて約2割程度割安となっている。

専用の防水ケースを同梱するケース内部を弾力性のある素材でシーリングしている

ニコン「D700」による書き込みテスト

  • カメラ内のバッファをすべて開放した状態で、RAWデータ(ファイルサイズ約8MB)とJPEGデータ(ファイルサイズ約300KB)の同時記録で連写し、レリーズ回数を調べた。途中でバッファがフルになってもシャッターボタンを押し続けている。また、パワーバッテリーグリップなどのオプションは使用していない。
  • Exifに記録された撮影時間をもとに、撮影開始から30秒間のレリーズ回数をチェックしている。
  • Exifには0秒以下の記録がないため、1秒間の誤差を考えて5回計測し、その平均枚数を小数点第1位まで掲載している。
  • フォーカスはマニュアル。レンズは装着せず、ボディキャップを装着した。
  • 露出はマニュアルモードで、シャッタースピードは1/2,000秒に固定。

各カードのレリーズ回数(RAW+JPEG)
製品名容量発売元区分レリーズ回数
CompactFlash 600X16GBPQICF68.8
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF67.6
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF67.0
TS16GCF60016GBトランセンドCF66.4
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF66.2
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF56.0
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF55.8
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF51.4
CombatFlash 8GB
(DDCFCOMBAT-8GB)
8GBデルキンデバイセズCF50.4


USBカードリーダーでのテスト

  • 「CrystalDiskMark Ver.2.2.0」の連続書き込みと連続読み出し(Sequential)で5回ずつ計測し、各転送量(KB/秒)の平均を記載した。
  • テスト環境は、Windows XP Professional SP3、Core 2 Quad@2.66GHz、メモリ4GB、SATA500GBのデスクトップPC。
  • USBカードリーダーはバッファローの「BSCRA38U2」。Turbo USBはON。
各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分WriteRead
CompactFlash 600X16GBPQICF34,10440,784
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF33,97041,644
TS16GCF60016GBトランセンドCF33,53241,382
CombatFlash 8GB
(DDCFCOMBAT-8GB)
8GBデルキンデバイセズCF32,74439,218
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF32,60040,742
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF30,77038,334
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF26,42636,114
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF20,63835,660
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF19,04036,374


ExpressCard型CFアダプターでのテスト

  • 使用ソフトおよび計測方法はUSBカードリーダーと同様。
  • テスト環境は、Windows 7 Professional、Core i5 M540@2.53GHz、メモリ2GB、SATA200GBのノートPC。
  • ExpressCard型CFアダプターはサンディスク「エクストリーム・プロExpressCardアダプター」。
各カードの転送速度(KB/秒)
製品名容量発売元区分WriteRead
Extreme Pro
(SDCFXP-032G-J91)
32GBサンディスクCF78,94298,323
TS16GCF60016GBトランセンドCF73,82378,635
Professional UDMA 600x Speed 16GB
(LCF16GCRBJP600)
16GBレキサーCF72,39289,935
SP016GBCFC600V10
(CF600x 16GB)
16GBシリコンパワーCF72,16691,291
CompactFlash 600X16GBPQICF46,16783,140
Professional UDMA 300x Speed 8GB
(CF8GB-300-810)
8GBレキサーCF43,61843,099
CombatFlash 8GB
(DDCFCOMBAT-8GB)
8GBデルキンデバイセズCF39,20656,222
Extreme
(SDCFX-032G-J61)
32GBサンディスクCF32,53359,871
Ultra
(SDCFHG-016G-J95)
16GBサンディスクCF19,14745,463


まとめ

 USBカードリーダーの計測結果では他社の同クラス製品と比べても遜色ない結果となっているが、デジタル一眼レフカメラのレリーズ回数とExpressCard型CFアダプターでの計測結果はやや振るわないものとなった。

 当コーナーの計測環境では数値上トップクラスとまではいかなかったが、総合的に見ると、速度面でのアドバンテージを得るというよりは、確実なデータ保持を優先した製品という印象。ネイチャーフォトや報道の現場など、過酷な環境での撮影にも安心して使えるという、ある意味速度よりも重要な要素に重きを置いた製品といえる。

 決してローコストといえる価格ではないが、撮影環境を鑑みて、記録メディアにタフネス性能が必要と感じるのであれば、導入を検討してみてもいいだろう。






2010/7/27 00:00