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キヤノンPowerShot G1 X Mark III

驚きの小型ボディを実現したAPS-Cズームコンパクト

キヤノンPowerShot G1 X Mark III

キヤノンが11月下旬に発売する「PowerShot G1 X Mark III」の試作機をお借りできたので、その外観を中心にお届けする。詳細レビューは後日、画質評価が可能な個体で実施予定だ。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III

APS-Cサイズ相当の有効約2,420万画素CMOSセンサーと、24-72mm相当のズームレンズを搭載する本機。何よりの注目はこのボディサイズだ。APS-Cより撮像面積の小さい1.5型センサーを搭載していた従来モデルより、むしろ小型・軽量化されている。見た目はAPS-C機というより、操作性を重視した1型コンパクトか、1/1.7型の高倍率ズーム機のような佇まいと言える。

また、EOS一眼レフで採用の進む「デュアルピクセルCMOS AF」に対応した初のコンパクトカメラというのもポイント。"一眼レフのサブカメラ"という立ち位置を狙う本機において、より上級機に近い快適性を有することは、ユーザーの機種選定において大きなアドバンテージになるはずだ。

加えて、かつて大きめのセンサーを搭載するコンパクトデジタルカメラに付きものだった「寄れない」(接写できない)という悩みだが、これも「広角端でレンズ前10cm、望遠端でレンズ前30cm」というスペックで不安がない。テーブルフォトも自由自在だろう。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III

バッテリーとSDカードを入れた状態で399gという本体重量は、「なんとしても400gを切るぞ!」というスペック的な驚きを狙ってきたことが伺える。それでいて画素数は総画素数約2,580万に対し有効約2,420万と、あえてセンサー周辺部を捨ててまで小型化を追っている感じも見受けられない。

かつて小型化をウリにしたコンパクトカメラ普及機で「総画素数約1,680万・有効約1,010万画素」といった割り切りを見せたモデルもあったが、その視点で本機を見ると、APS-Cの撮像面積を大いに活用していると言えるだろう。レンズの実焦点距離は15-45mmで、EOS Mの標準ズームレンズと35mm判換算値も同じだ。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III

本機の操作ダイヤルは、「背面十字キーのホイール」、「右手側前面のダイヤル」、「レンズ根元のリング」の3つ。独立のロック機構付きモードダイヤルと内蔵ストロボも備わっている。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III

レンズ根元のリングには、ズーム、ステップズーム、MFほか、ISO感度やホワイトバランスなどのパラメーターを割り当てられる。ズーム操作はシャッターボタン同軸のレバーでも可能。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III

ユーザーの使い方によっては持て余す動画ボタンにも、ファンクションボタンとして様々な機能を割り当てられるのが嬉しい。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III

液晶モニターはタッチ操作対応で3型・約104万ドットのバリアングル式。EVFは約236万ドット。アイセンサーでの自動切り替えが可能だ。ホットシューにはEOS用ストロボを組み合わせることもできる。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III

EVF撮影とタッチパネル操作を組み合わせた「タッチ&ドラッグAF」は、新たに操作スタイルのカスタマイズ性を高めている。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III
キヤノンPowerShot G1 X Mark III

バッテリーはNB-13L。G7 XやG9 XといったポケットサイズのPowerShot Gシリーズと同じもので、撮影可能枚数は約200枚。microUSB端子から充電できる。

Bluetooth/Wi-Fi/NFCといった最新の通信機能も揃っている。

キヤノンPowerShot G1 X Mark III

以上のように、これでもかとスペック的なスキのなさを見せつける「PowerShot G1 X Mark III」。まだ現段階ではスペックシートでしか判断できないが、その実力に期待がかかる。

本誌:鈴木誠