【新製品レビュー】カシオEXILIM EX-ZR1000

〜「サクサク撮れる」に磨きがかかった最上位EXILIM
Reported by 北村智史

 起動やAFの速さ、操作レスポンスなどにこだわったEXILIM ZRシリーズのトップモデル。撮像素子には1/2.3型の有効1,610万画素裏面照射型CMOSセンサー、画像処理には新開発の「EXILIMエンジンHS Ver.3」を搭載している。24mm相当からの光学12.5倍ズーム、自分撮りにも対応した可動式液晶モニターなども特徴だ。

 カラーバリエーションはブラック、シルバー、レッドの3色。大手量販店の店頭価格は4万9,800円程度となっている。

自分撮りからパンフォーカススナップまで機能満載

 搭載レンズは35mm判換算24-300mm相当F3-5.9。開放F値は平凡な数字だが、光学12.5倍ズームであることを考えれば納得できる。超解像ズームによるプレミアムズームを利用すると最大600mm相当、デジタルズームまで使うと1,200mm相当の望遠撮影が楽しめる。

 最短撮影距離は広角端でレンズ前5cmまで。38mm相当時で1cmまで、望遠端では90cmまでとなる。70mm相当と78mm相当のあいだで最短撮影距離が大きく変わる。70mm相当時は7cmまで寄れるのに対して、その次の78mm相当になると一気に30cmに伸びる。なので、望遠でクローズアップを狙いたいなら、この70mm相当のポジションを活用するといい。

レンズは24mmからの光学12.5倍ズーム。手ブレ補正はセンサーシフト式。歪曲収差などは画像処理で補正しているようだ。70mm相当(実焦点距離は12.1mm)のポジションでは7cmまで寄れる。背景をボカしたいときには便利。
ベストショット「スナップ撮影」の画面。ピント固定でAF駆動がなくなるため、シャッターチャンスに強い。「スナップ撮影」モードではズームの範囲が24-50mmに限定される。24mm側では2.5m以遠、50mm側では8m以遠にピントが合う。

 AFはコントラスト検出のみだが、半押しから合焦までのタイムラグはとても短い。公称では最速で0.15秒(たぶん広角端の数字だろうけれど)。望遠端でもけっこう速くて、気持ちよくピントが合ってくれる。このあたりはEXILIMならではのいいところだと思う。

 新設のベストショット「スナップ撮影」では、ピント固定のパンフォーカスとなり、通常の半押しでシャッターが切れる。ただし、ズーム範囲は24-50mm相当に制限されるし、ピントが合うのは広角端で2.5m以遠、望遠端で8m以遠となる。とはいえ、MF時代のレンズシャッターカメラのようなダイレクト感はほかでは滅多に味わえないもの。こういうのが好きな人にはたまらない魅力だろう。

 液晶モニターは3型、約46万ドットの高性能クリア液晶。上方向のみだが180度まで開くのが新しい点。液晶モニターの背後に折りたたみ式の自立スタンドを隠し持っているのがおもしろい。テーブルなどの上に置いて自分撮りをするのにちょうどよさそうなアングルになってくれる。

3型液晶モニターは上向き180度まで開く。内蔵の自立スタンドを使うとこんなふうに立ってくれる。背面の自立スタンド。通常は液晶モニターの下に隠れている。

 モーション検知機能を利用した「ハンズフリー」撮影が可能なのもおもしろい。初期設定の状態では、液晶モニターを180度開くとハンズフリーのアイコンが表示される。シャッターボタンを一度押すと「モーションシャッター」を受け付ける状態になり、手の形のアイコンの位置で手を振ると設定したタイマー時間経過後にシャッターが切れる。再生アイコンの位置で手を振れば画像の再生も可能。セルフポートレートや大人数での記念写真などを撮る際には便利なはずだ。

可動式液晶モニターと自立スタンド、モーション検知を利用した「ハンズフリー」撮影が可能。初期設定では180度に開いたときだけ作動する。撮影メニューの「モーション位置」から、モーション検知を行なうポイントを決める(15カ所から選択できる)。
この状態でシャッターボタンを押すと、モーション検知によるハンズフリー撮影が可能となる。モーション検知のアイコンの位置で手を振るとシャッターが切れる。再生アイコンの位置で手を振ると撮った画像を再生できる。

 記録メディアはSD/SDHC/SDXCメモリーカードと52.2MBの内蔵メモリー。ベストショットに新しく「RAW撮影」が追加され、RAW+JPEG同時記録が可能になった(ファイル拡張子はDNG。なので、専用ソフトなしでも現像できる)。非圧縮RAWのようで、ファイルサイズは24.7MBとかなり大きい。一方、シャッターからアクセスランプ消灯までは4秒強と、コンパクトカメラのRAWとしてはとても速い。しかも、アクセスランプが点滅しているあいだでも次々とシャッターが切れるので、書き込み待ちのストレスもまったくない。コンパクトカメラのRAWで、これだけさくさく撮れるのはちょっと記憶にない。

 電源はリチウムイオン電池のNP-130。容量は1,800mAhと大きく、CIPA基準の撮影可能コマ数は約470コマ。これもEXILIMならではの長所だ。実写ではストロボ非使用で300コマ以上撮って、それでもまだ電池残量表示がフルのままだった。

記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード(ほんとは裏向きに装填する)と内蔵52.2MBメモリー。電源は容量1,800mAhのリチウムイオン電池。ベストショットの「RAW撮影」モードにすると、RAW+JPEG同時記録が可能となる。レスポンスの低下は少ないので快適に使える。

 操作系では、レンズ基部に「ファンクションリング」が新設され、それに伴って、GUI(グラフィカルユーザーインターフェイス)も刷新されている。ファンクションリングは、絞りやシャッター速度などの変更を素早く行なえる操作部材で、このところ高級タイプのコンパクトカメラに広まりつつある(そのうちに、ミラーレス機にも飛び火するかもしれないが)。本機では、ステップズーム、EVシフト(露出補正)、ISO感度、ホワイトバランス、MF(マニュアルフォーカス時の撮影距離の設定)、メイクアップレベルのいずれかひとつの機能を割り付けられる。ファンクションリングの機能の設定は、背面の「RING」ボタンで行なえる。

レンズ基部に新設された「ファンクションリング」。機能はカスタマイズが可能だ。「RING」ボタンで呼び出せる「ファンクションリング」の機能の選択画面。
背面には十字キーを兼ねた「コントロールダイヤル」も装備している。こちらもカスタマイズ可能。「コントロールダイヤル」の機能の選択は撮影メニューから。
こちらは十字キーの左右キーの機能の設定画面。

 十字キーを兼ねた「コントロールダイヤル」もカスタマイズが可能。こちらにはEVシフト、ホワイトバランス、セルフタイマー、MFが割り付けられる。さらに左右キーも、モーション位置、フォーカス方式(AF、マクロ、スーパーマクロ、無限遠の選択)、AFエリア、測光方式、顔検出、ISO感度上限のいずれかひとつが割り付けられる。コントロールダイヤルと左右キーの機能の変更はメニュー内で行なう。筆者個人はコントロールリングにISO感度、ダイヤルにEVシフト、左右キーにフォーカスモードという設定が便利だと感じた。

撮影可能な状態で十字キー中央の「SET」ボタンを押すと呼び出せるメニュー。内容は撮影モードによって変化する。右キーを押すと、選択している項目の内容変更が可能。「コントロールダイヤル」を回すなどして機能を選択する。
「ファンクションリング」でISO感度を変更したときの画面。こちらは「コントロールダイヤル」で「EVシフト(露出補正)」を行なったときの画面。

 撮影関連で目新しい点としては、アートショットのフィルター効果がライブビュー画面に反映されるようになったことがあげられる。さすがに、複数回シャッターを切る必要のあるHDRアートは除外となってしまうが、それ以外は液晶モニター上で仕上がりに近いイメージを見ながら撮影できる。撮影時に効果が目で確認できると仕上がりを読みながら画づくりを考えられるので、使い勝手の面では大きな進歩といえる。

 なお、「HDRアート」の効果に、新しく「エクストラ1」「エクストラ2」が追加されたほか、フィルター処理を行なわない普通の画像も同時記録できるようになった。また、新フィルターとして「フィッシュアイ」が増え、解像度こそHD(1,280×720ピクセル)になるものの、動画撮影でも楽しめるようになった。

上面の操作部。モードダイヤルの「ART」はおなじみの「アートショット」モード。
新フィルターの「フィッシュアイ」。魚眼レンズ風の画面効果が得られる。もちろん、画角が広くなるわけではない。「アートショット」のフィルター効果がライブビュー画面に反映されるようになった。

機能をスポイルしないサクサク感

 EXILIMシリーズの持ち味といえば、ストレスフリーのサクサク感とバッテリーの持ちの良さ。最新モデルだけあって、本機は、こちらの操作に間髪を入れずに反応してくれる感じで、正直、下手なミラーレス機よりもよっぽど気持ちよく撮影できる。カスタマイズが可能なファンクションリングとコントロールダイヤルによる操作系も使いやすい。快適に撮れることを重視する人にとっては見逃してはいけないカメラに仕上がっている。広角から望遠までカバーする画角レンジの広さに加えて、アートショットの画面効果の楽しさも大きな魅力だ。

実写サンプル

・ズーム範囲

 光学ズームの範囲は24-300mm相当の範囲で、超解像ズームを利用する「プレミアムズーム」では600mm相当まで、デジタルズームでは1,200mm相当までの望遠撮影が楽しめる。

広角端4.24mm(24mm相当) / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/250秒 / F3 / 1.0EV / ISO80 / WB:オート光学望遠端53mm(300mm相当) / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/20秒 / F5.9 / 1.0EV / ISO80 / WB:オート
プレミアムズーム(600mm相当) / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/30秒 / F5.9 / 1.0EV / ISO80 / WB:オートデジタルズーム(1,200mm相当) / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/25秒 / F5.9 / 1.0EV / ISO80 / WB:オート

・ISO感度

 感度面で有利とされる裏面照射型のCMOSセンサーだが、ベース感度はISO80と低め。最高感度はISO3200となっている。ピクセル等倍ではISO200でもすでにディテール再現の劣化が見られるが、小サイズのプリントであれば、ISO800でも使えるだろう。

ベース感度はISO80。最高感度はあまりスペックを欲張らずにISO3200までとなっている。
ISO80 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/200秒 / F3 / 0.3EV / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)ISO100 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/200秒 / F3 / 0.3EV / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
ISO200 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/500秒 / F3 / 0.3EV / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)ISO400 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
ISO800 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/250秒 / F7.9 / 0.3EV / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)ISO1600 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/500秒 / F7.9 / 0.3EV / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
ISO3200 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,250秒 / F7.9 / 0.3EV / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)

・HDR/アートショット

 アート系作風機能の「アートショット」には「フィッシュアイ」が新装備。また、「HDRアート」には「エクストラ1」「エクストラ2」が追加された。

人気の高い「HDRアート」には、新しく「エクストラ1」「エクストラ2」が追加された。「HDRアート」撮影時に、普通の処理の画像も同時記録できるようになった。
通常撮影 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/800秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)HDR:レベル1 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/500秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
HDR:レベル2 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/500秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)HDR:レベル3 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/500秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
HDRアート:レベル1 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)HDRアート:レベル2 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
HDRアート:レベル3 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)HDRアート:レベル エクストラ1 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
HDRアート:レベル エクストラ2 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)トイカメラ:標準 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
トイカメラ:寒色 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)トイカメラ:暖色 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
ソフトフォーカス:レベル1 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)ソフトフォーカス:レベル2 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
ソフトフォーカス:レベル3 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)ライトトーン:シアン / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
ライトトーン:マゼンタ / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)ライトトーン:イエロー / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
ポップ:レベル1 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)ポップ:レベル2 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
ポップ:レベル3 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)セピア:レベル1 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
セピア:レベル2 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)セピア:レベル3 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
モノクロ:レベル1 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/800秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)モノクロ:レベル2 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
モノクロ:レベル3 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)ミニチュア / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/800秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
フィッシュアイ:レベル1 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/800秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)フィッシュアイ:レベル2 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/1,000秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
フィッシュアイ:レベル3 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/800秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)

・RAW撮影

 ベストショットに「RAW撮影」が新設。DNG形式の非圧縮RAWの記録が可能となった。Adobe Photoshop Lightroom 4.2で現像したものを同時記録のJPEG画像と見比べると、暗部の再現がずいぶん違う(これは「ライティング」機能の働きだろう)。ディテール再現はRAWのほうが若干いいようだが、それほど極端な差はない。

同時記録のJPEG画像 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F3.9 / -0.7EV / ISO80 / WB:オート / 6.67mm(38mm相当)RAW(Adobe Photoshop Lightroomで現像) / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F3.9 / -0.7EV / ISO80 / WB:オート / 6.67mm(38mm相当)

・背景ぼかし/全焦点マクロ

 連写合成によって背景ボケを演出する「背景ぼかし」に加えて、その逆の疑似パンフォーカス機能「全焦点マクロ」を新装備。ピント位置の異なる画像を合成することで、マクロ域から遠景までピントの合った画像を生成する仕組みだ。

新「ベストショット」の「全焦点マクロ」。連写合成によって、至近距離から無限遠までピントが合った写真が撮れる。
通常撮影 / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/6秒 / F3 / 0.0EV / ISO80 / WB:太陽光 / 4.24mm(24mm相当)
背景ぼかし / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/125秒 / F3 / 0.0EV / ISO1250 / WB:太陽光 / 4.24mm(24mm相当)全焦点マクロ / EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/125秒 / F3 / 0.0EV / ISO1250 / WB:太陽光 / 4.24mm(24mm相当)

・作例

飛び抜けてシャープなレンズというわけではないが、ズーム全域で良好な描写が楽しめる。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/250秒 / F5.4 / 0.0EV / ISO80 / WB:オート / 19.54mm(110mm相当)電線ががっかりだけど、けっこうおもしろい景色だったので。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/640秒 / F7.9 / -0.7EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)
坂の上の住宅街から。やっぱり電線が邪魔ですけど。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/800秒 / F5.5 / -0.7EV / ISO80 / WB:オート / 21.79mm(123mm相当)これぐらいの距離感だと少し固い感じのボケになる。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/320秒 / F5 / -1.3EV / ISO80 / WB:オート / 15.16mm(85mm相当)
38mm相当ではレンズ前1cmまで寄れる。これはAFでうまくピントが合ってくれなかったのでMFに切り替えて撮った。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/160秒 / F3.9 / 0.7EV / ISO200 / WB:オート / 6.67mm(38mm相当)70mm相当での最短撮影距離はレンズ前7cm。背景がそこそこボケてくれるので、花などの撮影には重宝する。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/50秒 / F4.7 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 12.1mm(70mm相当)
温室の廊下に置かれていた物体。なんだかよく分からないけど。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/125秒 / F5 / -1.3EV / ISO80 / WB:オート / 15.16mm(85mm相当)猫その1。高倍率ズームだとこういうときに便利。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/60秒 / F5.7 / -0.7EV / ISO200 / WB:オート / 38.58mm(218mm相当)
猫その2。どっちも犬の匂いが嫌いなのか、警戒して近づいてこなかった。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/160秒 / F5.4 / 0.3EV / ISO200 / WB:オート / 19.54mm(110mm相当)ちょっと凝った意匠の窓。EX-ZR1000 / 4,608×3,456 / 1/125秒 / F3 / 0.3EV / ISO80 / WB:オート / 4.24mm(24mm相当)

・動画

※サムネイルをクリックするとオリジナルファイルが開きます。

動画は一般的なスペック。音声はステレオだ。ただ、撮りはじめにピントがふらつくように動くのがちょっと気になるところ。EX-ZR1000 / 1,920×1,080 / 30fps / WB:オート
HD解像度になってしまうが、「アートショット」を適用した動画が撮れるようになった。EX-ZR1000 / 1,280×720 / 30fps / WB:オート / ミニチュア





北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら

2012/10/31 00:00