ミニレポート

新アートフィルター「ヴィンテージ」にハマる!!

OLYMPUS PEN Lite E-PL7

 デジカメ Watchの企画で試用させてもらったOLYMPUS PEN Lite E-PL7。特に新搭載のアートフィルターの「ヴィンテージ」にハマってしまい、とうとう家にお迎えしてしまいました。ボディカラーはフィルムカメラっぽいイメージが気に入ってシルバーに。今回は、購入のきっかけともなったヴィンテージについてレポートしたいと思います。

 まず、ヴィンテージのフィルターの効果は3種類あります。タイプI/II/IIIと趣の違うフィルターを設定画面で選択してから撮影します。タイプIは古くなったフィルムプリント風の変色効果、タイプIIは優しい色あせの退色効果、タイプIIIはしっとりと落ち着いたオールドプリントのようなトーンに仕上げてくれます。

設定はカメラ上部のダイヤルでアートフィルターを選択した後に、背面液晶で画面を見ながら行います。今はOFFになっていますが「アートエフェクト」の設定もここから行います

 3タイプの違いがわかりやすいように、同じ被写体で撮り比べてみました。一番ふんわりと優しい色合いなのがタイプIIですね。サンタの服の赤色が強めに出ているのがタイプIで、赤色も白色も全体に落ち着いたいうなれば暗いトーンになったのがタイプIIIでした。比べてみると、タイプIは温かい色合いになっているので、黄ばみを演出しているフィルターのようですね。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
タイプI
タイプII
タイプIII

 筆者がこの被写体に似合うと思ったフィルターはタイプIの温かいイメージだったので、これに少し手を加えてみたいと思います。まずは全体のトーンをもう少し落としたかったので露出補正を-0.7にします。そして、ファンタジックな被写体なので「アートエフェクト」のホワイトエッジ効果を加えて周辺をふんわりと白くボカしました。はい、夕暮れの温かい陽の中をゆくサンタのできあがりです。

タイプI / -0.7露出補正
タイプI / -0.7露出補正 / ホワイトエッジ効果

 3タイプのフィルターで使い道が一番わかりにくいのがタイプIIIだと思います。タイプIは一般的なヴィンテージ調の写真を作り出してくれるので一番使いやすいでしょうし、タイプIIはわかりやすく優しい色合いに変えてくれるのでこちらも慣れてくると多用するタイプでしょう。しかし、タイプIIIはハマらないとモノクロに近い地味な写真になりがちです。ここで筆者のお勧めは無機質で硬い材質の被写体です。

タイプI
タイプII
タイプIII

 どの写真もムードは感じられますが、タイプIIIは、手前のランタンの材質がどれよりもリアルに感じられます。大人っぽくてシックなイメージの……なんて言うとわからなくなってしまうかもしれませんが、被写体を“硬い材質の物”とするだけなので、本機オーナーの方でタイプIIIの使い道に悩んでしまっている方は、ぜひ参考にして頂きたいです。

 こんな風に、撮って行くうちに新たな発見があるヴィンテージ。まだまだ飽きる気配はなく、さらにハマってしまっています!

ダムの湖面に写った山並みが綺麗でした。温かさをプラスしたくてタイプIで撮影。M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ / 1/200秒 / F5.6 / ISO200 /14mm
人物撮影にお勧めのタイプII。優しい色合いは子供を見守る大人の優しい目線までも演出してくれます。M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ / 1/80秒 / F4 / ISO500 /14mm
街角スナップだとタイプIを多用しがちですが、ぜひ、タイプIIのふんわり感も楽しんで頂きたいです! M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ / 1/1,000秒 / F4 / ISO200 / 14mm
タイプIIIはアンティークな小物もハマります。M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ / 1/100秒 / F5.6 / ISO200 / 42mm
標識に逆光の太陽の筋がかかるように撮影。タイプIIIのフィルターがドラム缶の無機質さを引き立てています。M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ / 1/320秒 / F7 / ISO200 / 14mm
赤い被写体をメインとするときにお勧めなのがタイプI。カラフルさも強調してくれます。M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ / 1/160秒 / F5.6 / ISO200 / 14mm
かわいらしい被写体なのでタイプIIを使おうと思いましたが、白い材木のぬくもり感を出したかったので黄色味の増えるタイプIを使用しました。M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6 EZ / 1/320秒 / F10 / ISO200 / 42mm

水咲奈々

(みさき なな)東京都出身。知り合いの写真家の作品撮りにモデルとして関わったことがきっかけで写真に興味が沸き独学で写真の勉強をし、作品を持ち込んだ出版社に編集として入社。2010年独立。現在はカメラ雑誌の編集やWebでのカメラレビュー、写真講座の講師として活動中。「Pentax+」でも記事を連載。 Twitter:@cosaruruブログ:http://misakinana.com