気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

ソニーサイバーショットDSC-RX1【第4回】

熱海への“新婚旅行”でますます深い仲に

 先般、「サイバーショットDSC-RX1」のことで非常に不快な思いをした。仕事の打ち合わせを行なっているとき、成り行きからバッグのなかに仕舞ってあったDSC-RX1を取り出したのだが、出席した2人のうちのひとりが勝手に触りはじめたのである。

 もちろんシャッターボタンを押してみたりとかであれば別段どうってことないのだが、光学ファインダーを左右にグリグリと力まかせで動かしカメラから引き抜こうとしたり(本来は真っすぐに引けば簡単に抜ける)、フードを意味もなく取リ外したり付けてみたりを繰り返す。挙げ句の果てはゴミが入らないように装着しているプロテクトフィルターや、適切なトルクで締め込んであるソフトシャッターボタンも必要もないのに外してしまったのである。

 筆者はその行動が気になってはいたのだが、もう一方の人間と詰めた話をしていたため、なかなか止めさせることができずにいた。そして、再び光学ファインダーを左右にグリグリと力ずくで取ろうした時、さすがにぶち切れDSC-RX1を奪還した。この人間は、筆者にとっては大切なクライアントである。しかし、あまりにも無神経で他人の道具の触りかたを知らないことに苛立ちを憶えるとともに、ここまで不愉快に感じるカメラの触り方をされたことに強い憤りを感じるものであった。

 クライアントといえども安易に触らすことはやめようと思うとともに、大切なカメラを不覚にも扱い方を知らぬ人間に触らしてしまった自分自身を戒め、他人のカメラに触れるときは十二分な気配りをしなければと心に強く念じた。

 気分のよい話に切り換える。DSC-RX1を購入してから2カ月近くが経つ。その間、撮影といえば都内ばかりで、しかも“チョイ街撮り”のようなものがほとんど。そこで遅ればせながら、ちょっと遠出をしてみることにした。終日徹底して使うことで、カメラの長所や短所が新たに見えてくるところもあるからだ。

 行く先は静岡県の熱海。東京駅からだと距離にしてちょうど100kmのところにある温泉リゾート街である。ワンショルダーのコンパクトなバッグに詰め込んだのは、予備のバッテリー3個に同じく予備のメディア、そして今回の扉カットを撮影するためのコンパクトデジタルカメラ、ニコン「COOLPIX P5000」(古い!)など。もちろんDSC-RX1も入れ、新幹線こだま号に飛び乗った。余談だが、以前こんなこともやったな、と思い出してしまった。

 熱海の撮影で感じたことは、まずこれまでも書いてきたが、「サクサク撮れて心地よかった」ということだ。書き込み中に次のアクションに移れないようなこともなく、ストレスをまったく感じさせない。2,400万の画素数であることを考えると、愉快に思えるサクサク感である。画質はRAWとJPEGの同時記録とし、AEブラケットでの撮影を行なったが、JPEGのみの時と書き込み時間に大きな違いがないのもよいところだ。なお、掲載した写真はすべて撮って出しのJPEGとしている。

 心配したバッテリーの持ちだが、フル充電したバッテリーを装填し撮影を開始したところ380カットほどで最初の電池切れ。2個目も360カットほどで充電が切れた。前回のロングレポートではカタログ値(CIPA準拠)に近い200カットほどで電池切れとなったが、今思い起こせばテキストを書いているときなど検証のためにカメラの液晶モニターを点灯したままにしていたり、嬉しくてついつい遊んでいたためだろう。意外にもバッテリーの持ちがよいことに安堵するとともに、前回の内容については、誤解を招きかねない部分があったことをお許しいただければと思う。

 ちなみにCIPAの測定基準では、2回に1回ストロボを発光させるが、そのことが消費電力に大きく影響し、カタログ値の220カット(LCD高画質表示時)という結果になっているように思える。

 屋外の撮影で度々便利に感じられたのが液晶モニターの明るさ調整機能だ。設定項目には[オート]と[マニュアル]のほか[屋外晴天]というものが搭載されている。この[屋外晴天]は、液晶の輝度をブーストし、通常では見づらくなる太陽の照る明るい場所での視認性を向上させるもの。

液晶モニターの明るさ調整機能には[オート]と[マニュアル]のほか[屋外晴天]を搭載する。輝度を上げ、その名のとおり明るい屋外での視認性が向上する。NEXシリーズにも搭載されているので、同シリーズユーザーも積極的に使ってみてほしい機能だ。

 筆者のDSC-RX1には純正の光学ファインダーを装着しているが、正確なアングルで撮影したいときなど液晶モニターを使うことも多いのでこの機能が便利に感じられた。また、撮影した画像を同様の場所で再生する際も重宝した。この[屋外晴天]は、DSC-RX1ユーザーに限らずNEXユーザーも活用してみてほしい機能だ。

 ただし、ちょっと気になったのが、メニューに入って行なうしか設定の方法が選べないことである。同じ機能を搭載するNEX-5などをこれまで使った経験から、[屋外晴天]にセットするとバッテリーの消耗が早まるように感じている。そのため状況に応じて通常の表示と細かく切り換えていきたいが、手数の多いメニューからの設定は面倒だ。現在のところC(カスタム)ボタンやAEL(AEロック)ボタン、あるいはコントロールホイールの各ボタンにその機能を割り当てることができないので、メーカーにはファームアップでの対応に期待したい。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
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DSC-RX1 / 約6.3MB / 4,000×6,000 / 1/3,200秒 / F5.6 / -1.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm

 もうひとつ個人的に気になったのが、グリップの必要性である。スナップ撮影のように常時カメラを手に持っているときなどボディ単体だけだとやはり心細い。純正のアクセサリーとしてサムグリップ(TGA-1)も用意されているが、しっかりと握れるグリップが欲しく感じられる。バッテリーやメモリーカードの交換の際は面倒だが、このようなグリップが出てくるとうれしい。純正の登場が難しいようであれば、サードパーティに期待したいところである。

 今回のような撮影では大いに力を発揮するDSC-RX1。35mmフルサイズのデジタル一眼レフもAPS-C機並みのコンパクトなものが登場しているが、それよりも機動性ははるかに良好だ。今回の撮影では、レンズの描写や画角も含めて、街撮りでは大いに活躍してくれるカメラであることを改めて認識させてくれたといったよいだろう。

 カメラの扱い方も知らぬ男にいたぶられた愛機DSC-RX1だが、帰宅して清掃など行ない再び元気になった(筆者はまだ根に持っているが・笑)。そして今回、熱海への“新婚旅行”も行ない、ますます深い仲になろうとしている。次はどこに行くか、今からあれこれ考えている。

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。