気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

ソニーサイバーショットDSC-RX100【第6回】

旅先こそ1インチセンサーの出番

 DSC-RX100に惚れた点はたくさんあるが、最も評価したいのがそのボディサイズだ。1インチセンサーとF1.8スタートのズームレンズを搭載、それでいて手のひらに収まるサイズ。いわゆる高級コンパクトデジタルカメラとして考えると、DSC-RX100は画質とパフォーマンス、ボディサイズのバランスがすこぶる良い製品だと思う。

注意:Lensmate「SONY DSC-RX100専用 フィルタークイックチェンジアダプター」とRichard Franiec「SONY DSC-RX100カスタムグリップ」を装着しています

 そんなDSC-RX100が得意とする場面のひとつに旅行がある。個人的に2012年は月1回のペースで海外旅行に出かけており、そこでいまさら気づいたのが、小さなボディがもたらしてくれるデジタルカメラの新しい価値だった。

 一連の海外旅行の中でのDSC-RX100の位置付けは、当初はあくまでサブカメラだった。メインはデジタル一眼レフカメラ、もしくはレンズ交換式のミラーレス機だ。しかしDSC-RX100の画質とレスポンスの良さをみるにつけ、徐々に「これ1台で十分なのでは」という考えに変わっていく。

 というわけで、とある都市部での渡航をきっかけに、DSC-RX100だけで行動するパターンを多くしてみた。これがすこぶる快適。現地ではいている半パンのポケットに、DSC-RX100とスマートフォンを突っ込む。この状態でホテルから手ぶらで観光に出かけるのだ。ガイドブックも持たず手ぶらでいられるのは、現地プリペイドSIMカードを差したスマホのおかげでもある。

 カメラ1台とスマホだけに荷物を減らすと、一体何が起ったか。まず身軽になったことで、徒歩での行動範囲が広がった。徒歩移動が増えると、自然と写真を撮る枚数も増える。公共交通機関、タクシー、レンタカーなどでの移動に比べ、徒歩だと気になる被写体が良く眼にとまるようになった。南国の日差しの下でも見やすい、DSC-RX100の液晶モニターも評価したい。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
DSC-RX100 / 4.8MB / 5,472×3,648 / 1/800秒 / F6.3 / 0.0EV / ISO125 / WB:オート / 10.4mm
DSC-RX100 / 5.0MB / 3,648×5,472 / 1/1,250秒 / F7.1 / 0.0EV / ISO125 / WB:オート / 17.2mm
DSC-RX100 / 6.1MB / 3,648×5,472 / 1/100秒 / F4.9 / 0.0EV / ISO320 / WB:オート / 37.1mm
DSC-RX100 / 4.0MB / 5,472×3,648 / 1/320秒 / F4.5 / -0.7EV / ISO125 / WB:オート / 30.1mm

 また、装備が軽いと気持ちも軽くなり、色んな被写体を撮るようになった、俊敏なAFでストレスなくどんどん撮れるのもDSC-RX100の良いところ。たくさんの写真をあとから見ていると、自分にこんなに好奇心がまだあったのかと微笑ましい。休憩している時間が減り、気づけば食事時を逃してまで撮影や街歩きに没頭するほどだ。

 高感度画質もDSC-RX100の美点のひとつ。都市部なら夜間の屋外でもかなりきれいに撮れるのでびっくりする。レンズの明るさ、手ブレ補正、そして1インチセンサーの実力のたまものだろう。夜市などいままで撮る気にならなかった情景を残せるようになり、思い出となる写真が増えたのはうれしい限りだ。

 もちろん、DSC-RX100より画質が良い製品はいくらでもある。以前、旅行でのスナップ用カメラとして、リコーGXRの28mmユニットおよび50mmユニットを多用していた時期がある。これらは今見ても、DSC-RX100よりも数段上の高画質を誇っている。さすがAPS-Cセンサーに専用設計のレンズを組み合わせただけのことはある。ただし、それらカメラユニットのレンズは単焦点だ。ズームレンズ搭載ユニットのA16 24-85mm F3.5-5.5になると、全体サイズは一気に大きくなる(しかも手ブレ補正機構がない)。コンパクトなボディに実用的なズームレンズと満足できる画質をまとめたのがDSC-RX100であり、このバランス感覚はいままでなかったものといえるだろう。

DSC-RX100 / 3.1MB / 3,648×5,472 / 1/800秒 / F6.3 / 0.0EV / ISO125 / WB:オート / 10.4mm / ピクチャーエフェクト:トイカメラ(ノーマル)
DSC-RX100 / 3.8MB / 3,648×5,472 / 1/100秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO250 / WB:オート / 29.5mm
DSC-RX100 / 3.8MB / 5,472×3,648 / 1/320秒 / F5.6 / 0.0EV / ISO125 / WB:オート / 10.4mm / ピクチャーエフェクト:リッチトーンモノクロ
DSC-RX100 / 3.2MB / 5,472×3,648 / 1/100秒 / F8 / 0.0EV / ISO125 / WB:曇り / 10.4mm

 とはいえ、DSC-RX100に不満がないわけではない。例えば、いまひとつバッテリーの持ちが良くない点。デジタル一眼レフカメラと同じような感覚で朝から撮りまくっていると、半日ぐらいで行動不能になることもある(CIPA規格準拠で約330枚)。ボディの小ささにあわせてバッテリーが小さいことが原因で、これはコンパクトなボディを得るためのトレードオフだと考えると仕方がないだろう。

 その代わりDSC-RX100は、スマートフォン用のモバイルバッテリーから充電できるのはありがたい(純正品以外のケーブル、バッテリーの使用は自己責任で)。充電時間はかかるものの、旅先でこれでしのぐことも多々あった。ノートPCがあればDSC-RX100のACアダプターを持っていかなくてもOKなので、旅行のように荷物を減らしたいときに有利だ。ある程度の都市なら、スマホ用アクセサリー売場で充電用ケーブルが入手できるのも強みだろう。

 もうひとつの不満は、ズーム動作の遅さだ。また、終了(電源オフにしてからレンズが収納されるまで)が遅いのは何とかして欲しい。慣れてしまえばなんてことはないが、撮ったあとすぐポケットに入れたいときなどにイライラしてしまう。

 若干余談になるが、自分がメインで使っている航空会社は、エアアジアXをはじめとする、いわゆるLCCだ。その場合、荷物を預けるだけで往復4,000円ほどのお金がかかってしまうので、なるべく荷物は機内に持ち込みたいと考えている。しかし持ち込むとなると、今度は重量制限がスーツケース込みで7kgまでと厳しい。

 今までは一眼レフカメラとレンズ一式を機内に持ち込んでいたが、これらに衣類などすべての荷物をあわせると、7kgの制限は簡単にオーバーしてしまう。一眼レフカメラを使うことが前提なら、三脚もそれなりに重さのあるものが必要になるだろう。

 そこで一眼レフカメラは自然風景の撮影がメインの時だけとし、都市部の観光がメインのときは、DSC-RX100だけで行く。これが最近の私のスタイルになりつつある。節約のためもあるが、本文で触れた通り、旅先で身軽になれることの喜びもかなり大きい。旅先で実に頼れる相棒であるDSC-RX100。今後も一緒に旅をしていければと思う。

DSC-RX100 / 4.9MB / 5,472×3,648 / 1/30秒 / F1.8 / 0.0EV / ISO640 / WB:オート / 10.4mm
DSC-RX100 / 3.5MB / 5,472×3,648 / 1/25秒 / F4.5 / 0.0EV / ISO250 / WB:オート / 16mm
DSC-RX100 / 3.6MB / 5,472×3,648 / 1/1,000秒 / F7.1 / 0.0EV / ISO125 / WB:晴天 / 35.6mm
DSC-RX100 / 6.0MB / 5,472×3,080 / 1/13秒 / F2.5 / +0.7EV / ISO1600 / WB:蛍光灯 / 11.9mm

(本誌:折本幸治)