交換レンズ実写ギャラリー

ニコン1 NIKKOR 32mm F1.2

Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約5.5MB / 3,072×4,608 / 1/1,250秒 / F1.2 / +1.7EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm

 35mmフルサイズ判換算で、86mm相当の大口径単焦点レンズだ。1 NIKKORシリーズとしては9本目、同シリーズの単焦点レンズとしては3本目となる。明るい開放値のほか、ナノクリスタルコートやフォーカスリングの採用など従来の1 NIKKORとは一線を画すレンズに仕上がっている。

Nikon 1 V2との組み合わせ。発売は6月13日。価格は10万5,000円。

 いつの間にか2桁に迫ろうしている1 NIKKORのライナップ。どれを選んでも性能的に不足のないものである。だが、マニア心をくすぐるようなレンズとなるとこれまでのところ見当たらず、ライナップにやや面白味が欠けていたのも事実。Nikon 1シリーズのコンセプトや想定するユーザー層を考えれば当然といえるが、今後を考えるとちょっと尖ったレンズがあってもいい。そのような期待に応えたのが、本レンズといえる。

 特徴的なF1.2の開放値は、1 NIKKORのみならず現行AF NIKKORのなかでは最高の明るさだ。しかも1 NIKKORとして初のナノクリスタルコート、SWM(Silent Wave Motor=超音波モーター)、フォーカスリングを採用し、フルサイズ用“ナノクリ”NIKKORと同じ仕様としている。これらのスペックだけでも描写に期待がかかる。

 その描写は、まず開放値でのキレのよさとコントラストの高さに驚かされる。フルサイズ用開放F1.2のレンズのなかには、解像感やコントラストの低いものが見受けられるものもあるが、本レンズはそのようなことが微塵も感じられない。これはナノクリスタルコートをはじめとする優れた光学系のほか、短い実焦点距離のため開放値F1.2でも比較的被写界深度が深いことなども関係しているからだろう。さらに1段ほど絞ると、解像感およびコントラストともより一層増してくる。その描写は、いわゆる“カリカリ”といった表現で言い表してもよく、昨今のミラーレス用のレンズの描写傾向に倣ったものといえる。

 ボケ味については円形絞りを採用することもあり、ナチュラルで美しい。濁りのようなものなど感じさせず、積極的に絞りを開いて撮影したくなるほどである。なお、明るい屋外などで開放およびその周辺の絞り値で撮影を行なう場合、今回使用したNikon 1 V2ではメカシャッターの最高速が1/4,000秒のため、1/16,000秒まで切れる電子シャッターに切り換えて撮影を楽しむとよい。電子シャッターへの切り換えは、サイレントモードをONにするか、高速の連写モードを選択する。

 フォーカスリングの操作性は上々だ。適度なトルク感がありスムース。フルサイズ用NIKKORでよく見受けられるざらざらとした感触などなく、金属製鏡筒の精度の高さを感じさせるものといってよい。もちろん、AF合焦後シームレスにMF操作が可能で、開放値周辺で撮影を楽しむときなど重宝することだろう。

 これまでNikon 1シリーズに対する同社の本気度はそれほど濃く感じられるものではなかった。しかし、本レンズ登場はそれを大きく覆すとともに、これからのNikon 1シリーズの行方を占うものといえる。願わくなら標準系と広角系の大口径単焦点レンズも1 NIKKORのライナップに加わると、このシリーズがより一層面白くなっていくように思える。

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Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約6.3MB / 3,072×4,608 / 1/2,000秒 / F4 / -0.7EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約4.6MB / 4,608×3,072 / 1/2,000秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約6MB / 4,608×3,072 / 1/250秒 / F2.8 / 0EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約4.6MB / 4,608×3,072 / 1/2,000秒 / F2.8 / 0EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約4.6MB / 4,608×3,072 / 1/160秒 / F2.8 / +0.3EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約6MB / 4,608×3,072 / 1/2,000秒 / F4 / 0EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約5.5MB / 3,072×4,608 / 1/60秒 / F5.6 / +0.3EV / ISO160 / シャッター速度優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約5.6MB / 3,072×4,608 / 1/1,600秒 / F2 / 0EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:晴天日陰 / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約6.2MB / 4,608×3,072 / 1/800秒 / F8 / -1.3EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約6.8MB / 3,072×4,608 / 1/2,000秒 / F4 / 0EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約8.7MB / 3,072×4,608 / 1/500秒 / F8 / 0EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約7.2MB / 3,072×4,608 / 1/1,600秒 / F5 / -0.7EV / ISO160 / プログラムAE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約5.6MB / 3,072×4,608 / 1/2,000秒 / F2 / 0EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約5.2MB / 4,608×3,072 / 1/640秒 / F4 / -0.7EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約7MB / 3,072×4,608 / 1/800秒 / F2.8 / -1EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約7MB / 3,072×4,608 / 1/80秒 / F1.2 / -1EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約4.9MB / 4,608×3,072 / 1/640秒 / F4 / -0.7EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:晴天 / 32mm
Nikon 1 V2 / 1 NIKKOR 32mm F1.2 / 約5.6MB / 3,072×4,608 / 1/4,000秒 / F1.2 / +1EV / ISO160 / 絞り優先AE / WB:オート / 32mm

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。