交換レンズ実写ギャラリー

トキナーAT-X 12-28 PRO DX

D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約10.8MB / 6,000×4,000 / 1/1600秒 / F5.6 / -1.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm

 APS-Cサイズのデジタル一眼レフユーザーにとって、広角系レンズの選択肢が少ないのは悩ましい部分といえる。元々APS-C用の広角レンズのライナップが少ないことに加え、焦点距離倍数の関係から35mmフルサイズ用の広角レンズでは満足いく広い画角が得られにくいからだ。

ニコン用は4月25日、キヤノン用は6月下旬の発売。価格は9万4,500円。

 そのようななか、トキナーブランドでは2本のAPS-C用広角ズームをリリースしている。今回、そのうちの「AT-X 124 PRO DX II」が「AT-X 12-28 PRO DX」へとリニューアルされたので、早速試してみた。

 新しいAT-X 12-28 PRO DXは、ズーム全域開放値F4とワイド端焦点距離12mmはそのままに、テレ端が24mmから28mmとなった。35mm判換算でニコンの場合は42mm相当の画角となり(キヤノンでは44.8mm相当)、いわゆる準標準といわれる焦点域をカバー。“常用広角スナップズーム”と同社が謳う通りのレンズに仕上がっている。

 光学系も設計が変更され、レンズ構成は11群13枚から12群14枚に、超低分散ガラスも1枚から2枚へと増えている。独自のP-MO非球面レンズの搭載についてはこれまで通りで、同社のこのレンズに対する自信がうかがい知れる。ちなみに、このP-MO非球面レンズの特徴といえば、プラスティックモールド製であることだ。発表された当時、筆者のような古い考え方のカメラ愛好家は描写や耐久性に懐疑的にならざるを得なかった。しかし、実際の描写はそのような根拠のない古い概念を払拭するもので、現在では魚眼ズームを除く同社の広角ズームすべてに採用されているほどである。

 本レンズの描写は、ワイド側の絞り開放で画像周辺部に甘さが見受けられるものの、概ね良好だ。少し絞り込むと画像周辺部の描写もぐっと改善される。ディストーションについてはよく抑えられており、P-MO非球面レンズの面目躍如といったところである。フレアやゴーストに対しても強く、逆光で幾度か撮影しているが、いずれもほとんど気にならないレベルである。

 ズーム域を考えれば、コンパクトに抑えられた鏡筒もこのレンズの特徴だろう。今回の試写はニコンD7100で行なっているが、ボディとのバランスもよくスナップ撮影ではよき組み合わせといえそうである。トキナーのズームレンズの特徴である、フォーカスリングとズームリングのラバーの意匠が大きく異なっているのも操作性の向上に寄与している。ただし、そろそろフォーカスリングを前後させてAFとMFを切り換えるワンタッチフォーカスクラッチは卒業してほしい。AF駆動のモーターに頼るところも大きいが、AFからMFへは切り換え操作なしに行なえるほうがありがたいからだ。

 前述したようにトキナーは、APS-C用の広角レンズを2本ライナップする。今回紹介したAT-X 12-28 PRO DXと、焦点距離11-16mm、ズーム全域で開放F2.8とする「AT-X 116 PRO DX II」である。片や焦点域が広く、片や開放値が明るいのが特徴。店頭価格もさほど違わないところから、その選択は大いに悩みそうだ。

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D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約16.2MB / 4,000×6,000 / 1/160秒 / F11 / +0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約13.5MB / 6,000×4,000 / 1/125秒 / F11 / 0.0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約16.6MB / 4,000×6,000 / 1/80秒 / F8 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 28mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約10.2MB / 4,000×6,000 / 1/80秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 24mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約9.1MB / 4,000×6,000 / 1/1250秒 / F4 / -1.0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 28mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約12.5MB / 4,000×6,000 / 1/250秒 / F5.6 / -0.3EV / ISO200 / 絞り優先AE / WB:晴天日陰 / 12mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約10.3MB / 6,000×4,000 / 1/50秒 / F5.6 / -2.3EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約9.3MB / 4,000×6,000 / 1/50秒 / F4 / -2.0EV / ISO360 / 絞り優先AE / WB:オート / 28mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約9.2MB / 4,000×6,000 / 1/2000秒 / F4 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約8.4MB / 6,000×4,000 / 1/1000秒 / F4 / -1.0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 28mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約10.0MB / 4,000×6,000 / 1/500秒 / F8 / -2.0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 14mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約12.4MB / 6,000×4,000 / 1/1250秒 / F5.6 / -0.7EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 16mm
D7100 / AT-X 12-28 PRO DX / 約13.6MB / 4,000×6,000 / 1/2.5秒 / F4 / -0.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 12mm

大浦タケシ

(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。