交換レンズ実写ギャラリー

キヤノンEF 35mm F2 IS USM

EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約8.6MB / 3,840×5,760 / 1/800秒 / F2.8 / +1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm

 キヤノンの単焦点レンズ「EF 35mm F2」がリニューアルされた。22年ぶりのリニューアルというのだから、前モデルがいかにロングセラー製品であったのかが伺える。

EOS 5D Mark IIIに装着したところ。発売は2012年12月。実勢価格は7万3,800円前後

 今回のリニューアルでは、外観も含めレンズ構成も大きく変更されていることが特徴だ。旧モデルのレンズ構成は5群7枚であったのに対して、新モデルでは8群10枚へと変更。新たに手ブレ補正機構「IS」が搭載された。それによりレンズ鏡筒もわずかながらに太く長くなっている。また質量も約125gの増加だ。ただし実際にカメラに装着した際にはその大きさを気にすることもなく、むしろ普段ズームレンズを常用している者にとっては単焦点レンズのコンパクトさは心地よいものだと感じるだろう。

 さらに開放絞り値がF2と明るいのもこのレンズの特徴だ。ズームレンズと比較して明るくしやすい単焦点レンズの特徴を活かした撮影ができるので、すこし薄暗い場所でもISO感度を抑えた撮影が可能だ。新たに搭載されたシャッター速度にして約4段分の効果を持つというISも、スローシャッターでの手持ち撮影に非常に効果的だ。

 明るいレンズは浅い被写界深度を活かした撮影もできる。例えばポートレート撮影では手前側の目元にのみピントを合わせておき、そこからの前後をアウトフォーカスとして立体感のある表情を捉えることができる。最短撮影距離である24cm付近まで近寄っての撮影では、ほんの数mm幅にのみにピントが合うこととなる。

 このレンズは絞り開放から解像力がとても優れているので、ピントの合っている箇所がくっきりと描写され、アウトフォーカスによりボケている箇所との差が明確で。立体感の強い印象的なクローズアップ撮影が可能だ。35mmという焦点距離から、斜め上目からの撮影などでは若干デフォルメされた人物となるのも立体感につながり面白い効果となる。

 しかし、絞り開放周辺の浅い被写界深度だけがこのレンズの特徴ではない。絞り込むことでF5.6辺りから画像周辺の解像力も上がってくる。F8となると画面全体の解像力が均質に上がり、風景撮影の樹々等の細かい描写表現が可能となる。歪曲も少なく自然な描写が好印象だ。

 ズームレンズに比べて割高に感じてしまうかもしれないが、このレンズの質の高さから生み出される写真は十分に価値あるものとなるだろう。35mmという比較的扱いやすい焦点距離なので、初めての単焦点レンズとしてもおすすめできる1本だ。

(モデル:夏弥

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EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約13.4MB / 3,840×5,760 / 1/125秒 / F2.8 / +1EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約8.7MB / 3,840×5,760 / 1/800秒 / F2.8 / +1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約8.7MB / 3,840×5,760 / 1/2,000秒 / F2 / +1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約9.2MB / 3,840×5,760 / 1/1,250秒 / F2 / +1EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約11.4MB / 5,760×3,840 / 1/100秒 / F2.8 / +2EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約12.1MB / 5,760×3,840 / 1/30秒 / F2 / +1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約12.1MB / 5,760×3,840 / 1/100秒 / F3.5 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約10.3MB / 5,760×3,840 / 1/160秒 / F2.8 / -0.7EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約12.7MB / 3,840×5,760 / 1/100秒 / F2 / +0.7EV / ISO800 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約11.7MB / 3,840×5,760 / 1/20秒 / F4 / +1EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約6.4MB / 5,760×3,840 / 1/250秒 / F2.2 / +2.3EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約11.8MB / 3,840×5,760 / 1/80秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / マニュアル露出 / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約18.3MB / 3,840×5,760 / 1/100秒 / F5 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約13.5MB / 3,840×5,760 / 1/30秒 / F5 / 0EV / ISO400 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm
EOS 5D Mark III / EF 35mm F2 IS USM / 約21.1MB / 5,760×3,840 / 1/80秒 / F8 / 0EV / ISO100 / 絞り優先AE / WB:オート / 35mm

礒村浩一

(いそむらこういち)1967年福岡県生まれ。東京写真専門学校(現 東京ビジュアルアーツ)卒。女性ポートレートから風景、建築、舞台、商品など幅広く撮影。全国で作品展を開催するとともに撮影に関するセミナーおよび撮影ツアーの講師を担当。デジタルカメラに関する書籍やWeb誌にも数多く寄稿している。近著「オリンパスOM-Dの撮り方教室 OM-Dで写真表現と仲良くなる」(朝日新聞出版社)、「マイクロフォーサーズレンズ完全ガイド」(玄光社)など。 2015年9月よりデジタルハリウッド「カメラの学校」講師。Webサイトはisopy.jp Twitter ID:k_isopy