シグマ「17-70mm F2.8-4 DC Macro OS HSM」
EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC Macro OS HSM / 約6.1MB / 5,184×3,456 / 1/400秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 50mm |
EOS 7Dに装着。価格は5万9,010円 |
APS-Cサイズのイメージセンサーを搭載するデジタル一眼レフカメラ専用の標準ズームレンズ。35mm判換算で、キヤノン製品との組み合わせで焦点距離27.2〜112mm相当、ニコン、ソニーなどでは25.5〜105mm相当の画角となる。価格は5万9,010円。執筆時における大手量販店の実勢価格は4万9,800円前後だ。
本レンズの注目は、その明るさだろう。広角端の開放F値はF2.8で、クラスが同じで似たような焦点距離を持つズームレンズの多くはF3.5ないしF4であることを考えると、それよりも2/3段から1段ほど明るいことになる。望遠端にしても同様で、少しでも速いシャッタースピードでシャッターを切りたいときや、大きなボケが欲しいときなど強みとなる。
さらに、シャッター速度換算で4段分ほどの補正効果がある手ブレ補正機構「OS」(Optical Stabilizer)が搭載されているので、光量の少ない場合でのアベイラブル撮影でも心強い。本来ならズーム全域F2.8を希望したいところではあるが、クラスや価格を考えると十分納得できるものだ。
レンズ名に“MACRO”の称号が入っているように、近接撮影にも強い。最短撮影距離はズーム全域で22cm。望遠端での最大撮影倍率は1:2.7(シグマ用の数値)となる。被写体の大きさにもよるが、ちょっとした近接撮影なら、わざわざマクロレンズを用意するまでもない。
ただし、AF駆動は超音波モーターHSMによるものではあるものの、残念ながらAFからMFへシームレスに切り変わる機構は内蔵されていない。そのため、ピントの微調整を必要とするときはカメラ自体の位置を微妙に動かすか、最初からMFでピント合わせを行なうしかないのは面倒だ。絞り羽根は7枚。円形絞りを採用している。
描写は、画像周辺部の解像感が低下しやすいものの、それ以外の部分の解像感およびコントラストなどは概ね良好。ピントの合ったところの描写は繊細で、線が太く感じるようなことも皆無だ。逆光での撮影では強いフレアの発生は感じられず、ゴーストもよく抑えられている。ボケ味は比較的自然な感じのするもので、ポートレート撮影など不満を感じるようなことはないだろう。近接撮影では、被写体のエッジ部などわずかに色のにじみが感じられることがあるのは惜しい。
標準ズームはカメラ購入と同時に手に入れることが多く、あらたまって買う機会の少ないレンズといえる。しかしながら使用頻度の高いレンズであるのも事実だ。本レンズは明るい開放値とリーズナブルな価格で魅力あるものに仕上がっている。所有する標準ズームに不足を感じるデジタル一眼レフユーザーは、この機会に検討してみるのも悪くないと思う。
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EOS 7D / 17-70mm F2.8-4 DC Macro OS HSM / 約3.9MB / 5,184×3,456 / 1/125秒 / F9 / 0EV / ISO100 / WB:くもり / 17mm |
2010/1/19 00:00