デジカメアイテム丼

細かい高さ調節が可能になった一眼レフ対応のテーブル三脚

マンフロット「PIXI EVOミニ三脚」

マンフロットの「PIXI EVOミニ三脚」は、ちょっと未来的なフォルムのテーブル三脚だ。

オリジナルの「PIXIミニ三脚」は、2013年7月の発売で、ボタンを押しているあいだだけボールがフリーになって、指を離すとロックするというユニークかつわかりやすい操作と、およそ三脚とは思えないキュートなデザインを採用していて、かなりそろられたのだが、縦位置撮影に対応してないという、個人的には気になる点があったので、泣く泣くパスしたのだった。

マンフロット「PIXI EVO」。畳んだ状態の長さは240mmほど。雲台部(といっていいのかどうか分からないけど)の球体部分の直径が50mmほど(ロックノブをのぞく)

そのPIXIを、ひとまわり大きくしたハイパフォーマンスバージョンが、今回紹介するPIXI EVOである。大手量販店の店頭価格は税込で5,000円弱。溜まったポイントでひょいっとゲットできるお値段だ。

オリジナルの「PIXI」(左)と比べると、ひとまわり大きくなっている

テーブル三脚自体は昔から存在するもので、中には着脱&伸縮可能なポールを併用して高さを変えられるものもあるが、たいていは高さは固定である。カメラをセットしてファインダー像やモニター上のライブビュー映像を見て、「もうちょっと高く(あるいは低く)したいなぁ」、と思っても何もできない。PIXIもそうである。

一方、PIXI EVOの脚は2段式である。長さが5段階で変えられる。しかも、開脚角度も2段階。そういう機構をスマートに盛り込んでいる。おかげで、テーブル三脚でありながら、非常に細かく調節できる。つまり、カメラポジションの自由度が、ぐっと高いのである。

カラーバリエーションは3色。左からレッド(レッド/グレー)、ブラック、ホワイト
カメラ取り付け部は、赤い円板状のパーツを回してネジ込むタイプ
雲台のロックは、プッシュボタン式のPIXIと違って、ノブを回して締め込むオーソドックスな方式となっている
お国自慢は万国共通なのか、大きく「DISIGNED IN ITALY」の文字。ひっくり返すと底面には「MADE IN CHINA」とある

ちなみに、スペックについては、どういうわけか、日本語のマンフロットのサイトと、英語のサイトで書かれている数字が違っていたりするので、定規とキッチンスケール(ようやくデジタル化した)で測ってみた。

PIXIは高さが130mmで、重さは224g(お借りしたブラックの実測値。ウェブサイト上の数字は190gである)。対するPIXI EVOは、通常開脚で脚を縮めた状態で157mm、ローアングル開脚時は104mmまで下がる。脚を伸ばして高くすると195mmとなる。おおざっぱに100mmの範囲でポジションが選べるというわけだ。

脚の表面の赤い部分がボタンになっていて、ここを押しながら伸縮させる。伸ばすときは引っ張るだけでもいけるが、ボタンを押したほうがスムーズに操作できる
開脚角度を変えるレバー。これは通常の開脚角度の状態
レバーを向かって左方向に動かすと、脚の根もとのパーツがスライドして……
ローアングル開脚が可能な状態になる。よく考えられてるなぁ、って感じである
通常開脚状態。これで設置面から雲台面までの高さは157mm(実測値)
ローアングル開脚状態。高さは104mmとなる。各脚を同じ長さに伸ばした場合、1段目で108mm、2段目で112mm、3段目で115mm、4段目で119mm、5段目で122mmに上げられる
通常開脚では、同じく1段目は164mm、2段目で171mm、3段目で179mm、4段目で187mm、5段目で195mmとなる。写真はめいっぱい脚を伸ばした状態

遠景を撮る分には100mmの高さの差はないに等しいが、マクロ域では大きな違いとなる。地面すれすれのローアングル撮影やテーブルフォトを好む人には、高さが細かく変えられるメリットはかなり大きく感じられるはずだ。

ちなみに、重さは色によって違う。理由は分からないが、実測値はブラックが264g、レッドは270g、ホワイトが271gだった。PIXIに比べれば多少重くはなっているとはいえ、持ち歩きが苦になるわけでもないので文句はない。

高さの比較
PIXIで撮影
PIXI EVO:通常開脚状態で撮影
PIXI EVO:通常開脚で脚を伸ばした状態で撮影
PIXI EVO:ローアングル開脚で撮影
PIXI EVO:ローアングル開脚・縦位置で撮影

それから、縦位置撮影が可能になったのもうれしい点。しかも、耐荷重が1kgから2.5kgに増え、一眼レフも載せられるようになった。縦位置への対応を心待ちにしていた人にとっては見逃すことのできない進化だ。これだけで十分に飛びつく価値はありそうだ。

ただし、首の部分の強度がやや低めな感じがするので、そこのところはご注意いただきたい。エントリークラスの一眼レフとコンパクトタイプの標準ズームの組み合わせぐらいまでならいいが、丈の長い望遠ズームや、広角系であっても重さのあるレンズを付けると、しなりによるフレーミングのズレや、シャッターボタンを押したときの振動によるブレが問題になるかもしれない。筆者個人としては、ミラーアップ機能と電子レリーズまたは5秒ぐらいのセルフタイマーを併用して慎重に撮ることをおすすめしたい。

普通の三脚では対応できない地面すれすれのローアングル撮影がPIXI EVOの得意とするところ
まあ、これだけ明るい条件なら手持ちでも十分対応できるが、そこはおおめに見てやってください
水路に中洲的に置かれた踏み石の上に設置して撮ったカット。広角でもこれぐらいのシャッター速度になると三脚があったほうが安心して撮れる
バリアングルモニターのカメラ(一眼レフの場合はライブビューに切り替える)だと縦位置のローアングルもばっちりである。モニターが脚に干渉しないように、グリップが下側になるようセットするのがおすすめだ

とまあ、気になる部分もなくはないが、草花やキノコなどを低いポジションから撮る機会の多い人、テーブルトップでの静物の撮影が好きな人にとっては使いでのある製品だと思う。特に、バリアングルモニターを搭載したカメラとの相性はばっちりだ。

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら