デジカメアイテム丼

ハクバ「GW-ADVANCE」防水カメラバッグ

防水性と速写性を両立したカメラ用品メーカーならではのアイテム

トレンドは本格的なアウトドア対応

 最近のカメラバッグ製品のトレンドのひとつに、本格的なアウトドア撮影への対応をあげることができる。これは健康志向の高まりによる中高年登山者に加え、「山ガール」「富士・高尾登山」「野外音楽フェスティバル」などの流行によるものだそうだ。それに付随して、アウトドアでもカメラを本格的に使いたいというユーザーが増えているのではないだろうか。

 カメラバッグはどちらかというと街中での使用を意図したものが多く、アウトドア用品専門メーカー製のものに比べて、アウトドアでの使用感や性能に見劣りが見られるのは仕方がない。そこを埋めるべく生まれた製品が、昨今のトレンドになっているのだ。

 今回紹介するハクバ写真産業(以下、ハクバ)の「GW-ADVANCE防水カメラバッグ」シリーズは、「本格的なアウトドア用」に対する、カメラ用品メーカーからのひとつの回答例ともいえる。速写性に考慮したうえで高い防水性能と耐衝撃性能を持つという、カメラ用品メーカーならではの工夫がなされているのだ。

片手でも開閉しやすい防水カメラバッグ

GW-ADVANCE防水カメラバッグ「ドライショルダーバッグ」(左)と「ドライズームバッグ」(右)

 GW-ADVANCE防水カメラバッグは、「ドライショルダーバッグ」と「ドライズームバッグ」の2製品がラインナップされている。どちらもコンセプトは同じだ。

 ドライショルダーバッグは、外寸法300×240×140mm(内寸法240×200×110mm)で重さは約480g。ミドルクラスのフルサイズ一眼レフボディとレンズ2本が収納の目安だ。

GW-ADVANCE防水カメラバッグ「ドライショルダーバッグ」

 ドライズームバッグは、外寸法170×290×140mm(内寸法155×260×110mm)、重さ約420g。ミドルクラスフルサイズ一眼レフボディに24-70mm F2.8、または24-105mm F4クラスの標準ズームレンズを装着した状態で収めることができる。

GW-ADVANCE防水カメラバッグ「ドライズームバッグ」

 どちらも開口部の仮留めが片手でできるようマグネットを使用している。

 ハクバの担当者によれば、これまでの防水バッグでは両手を使わないと開閉できなかったため開閉に手間取ってしまい、降雨や降雪時に雨水が入ってしまった経験から、カメラを持ったまま片手で簡単に開口部の仮閉めができるようにマグネットを選択したのだという。

開口部にはマグネットを採用

バックルも手袋をしたままで操作しやすい形状のものが採用されている。

バックルには片手で操作しやすいものを採用

 そして、防水アウターとクッションインナーが一体式なのも速写性を考慮してのことだ。インナーケースがバッグ内で外れて移動してしまうこともないので、機材の出し入れがしにくくならない。

防水カメラバッグでは珍しく、内部のクッションは防水アウターと一体式になっている。すでに市場にある防水バッグを調達し、インナーケースを入れてカメラバッグとしたのではない。防水バッグの外装から、オリジナルの金型を用意した証拠でもある
防水カメラバッグ、ドライポーチともに開口部を閉じて、中の余分な空気をなるべく抜いてから開口部を巻く

 もちろん、高い防水性も大きな特徴だ。素材にはTPU(熱可塑性ポリウレタン樹脂)をラミネートした840Dナイロンを使用している。熱可塑性ポリウレタン樹脂は高い弾力性と強靭性を兼ね備えた樹脂でゴムボートなどに用いられている素材だ。これをラミネートしたナイロン生地自体が防水性と耐摩擦性を持つ。

 ハクバによれば、この素材を溶着して製作しているのでミシン穴が発生せず、そのために高い防水性を誇るという。「あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)」とされる豪雨を想定したIPX4の国際防水保護等級をうたっている。

 なお、防水素材としてはターポリン(英語の「防水布」で、ポリエステルの織物にPVC(ポリ塩化ビニル)を貼ったもの。テントや横断幕に使われる)もあるが、TPUラミネートのナイロンのほうが低温の環境化でも硬くなりにくい性質を持っており、より軽量なのだそうだ。また、内部も2層式であり内部の生地も防水性が高い。

誇らしげな”water proof”のロゴが入れられている。ハクバによれば、生地自体は完全防水であり、開口部が万が一開いてしまうことがなければ、水に沈めたとしても入口付近に多少の水滴が付着する程度で、豪雨ぐらいであれば一滴も浸水しないという

 ショルダー、ズームバッグともにフロントポケットを備える。フロントポケット部分には止水ファスナーを使用している。この止水ファスナーも通常とは違い隙間がない。ハクバの担当者いわく、カメラバッグへの採用としてはおそらく世界初ではないかとのことだ。

 バッグ背面には大きめのベルトを通すことができる。またD環が4つ備えられている。体が当たる面にはクッション材が入れられ、あたりが柔らかい。

フロントポケットには止水ファスナーを採用
フロントポケットにはフィルターケースやレンズキャップ程度のものが収納できる
背面の体に当たる面にはクッション材が入れられ、ベルト通しもある。また、D環を4つ備える
ストラップ肩当ても付属する

通常バッグでも使えるドライクッションポーチ

 同時に発表されたドライクッションポーチも、GW-ADVANCE防水カメラバッグと同じく、開口部をくるくると巻く形状と、防水アウターとクッションインナーを溶着して作られているという特徴を共通して持つ。縫製をせず溶着で作られているという基本構造も同様だ。カメラバッグではなく、山用のザックにカメラを入れる際に、機材を安全に収納することができる。

 サイズは3種でL、S、XSが用意されている。寸法はLが165×180×130mm、約145g、Sが110×120×110mm、約90g、XSが80×115×40mm、約60g。

 収納の目安は、Lはバッテリーグリップなしの35mm大型一眼レフボディ+標準ズームレンズ、Sは小型一眼レフボディ、またはミラーレスボディ+標準ズームレンズ、XSはコンパクトデジタルカメラをそれぞれ1台ずつ。

ドライクッションポーチLにはAPS-Cサイズミドルクラスボディに18-200mm高倍率ズームレンズを入れた。フルサイズ機でもバッテリーグリップを外せば収納できるだろう
同Sには標準レンズ付きミラーレス機を入れた
同XSにはコンパクトデジタルカメラのほか、単焦点交換レンズなども収納できる

雨でも雪でも写真を撮りたいアクティブユーザーに

 防水カメラバッグ、ドライクッションポーチともに、実際に機材をつめて試用してみた。

 登山好きだというハクバの担当者が試作品を山に持参し、試行錯誤を繰り返したというだけあり、いずれの製品も開口部の開閉は確かにしやすく、とても便利だと感じた。

ドライショルダーバッグには、なるほど機材を入れたあとですぐに開口部を閉めることができる

 ただし、防水性の高いバッグなので、濡れた機材をそのまま収納すると、バッグの中の水分もそのままになってしまう。できたら、機材に付いた水滴を拭き取るタオルを持参して、ざっと機材を拭いてからバッグに収納するといいだろう。また、使用後はバッグもよく乾燥させること。

 そして、いずれの製品の防水性の高さも、特にこれからの降水量の多い季節ではたいへんうれしい。天気が悪いといっさい写真を撮らないユーザーもいるだろうが、筆者は「天候が悪いときこそフォトジェニックだ」とも思う。同じ考えの人も多いだろう。

 撮影に集中はしたいが、バッグにつめた機材を濡らさないことによけいな心配をしたくない。アウトドア派だけではなく、街中でのスナップ派のユーザー、そして雨男・雨女を自認する(?)ユーザーにも、ぜひ手にとって確かめてみてほしい。

ドライクッションポーチはふつうのビジネスバックなどにも使うことができる。スーツ姿のサラリーマンも会社の行き帰りの撮影で、お気に入りの機材を思う存分使えるのでは

(協力:ハクバ写真産業株式会社)

秋山薫

(あきやま かおる)1973年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。月刊カメラ誌編集部員、季刊カメラ誌編集長を経験。編集者・写真家として活動中。Kindle電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」の執筆・編集も行っている。