デジカメアイテム丼

TENBA「Classic P211」

ミラーレスなど小型カメラにぴったりな復刻版カメラバッグ

懐かしのテンバブランドを手にして

 テンバ(Tenba)というブランドが誕生したのは1977年のこと。現在40才前後からそれ以上で写真・カメラ趣味歴の長い人ならば、テンバのカメラバッグには懐かしさを覚えるのではないか。というのも、テンバはバリスティックナイロンを用いた頑丈で撥水性に優れたバッグとして職業写真家のあいだではたいへん名高く、愛好家にもあこがれのブランドの一つだったからだ。その後経営母体や日本の取扱代理店が変わり、製品ラインナップも大きく変わり今に至る。現在は、エツミが日本総代理店として扱っている。

 今回は「Classic P211」を中心に、同時に発表されたショルダーバッグ製品3点をご紹介しよう。いずれも復刻版であり、エントリーからミドルクラスの一眼レフ、あるいはミラーレス機などの比較的小型の機材をつめて使うことを意図した製品。いずれも色はブラックで、撥水性の高いコーティングがなされたコーデュラおよびバリスティックナイロンが用いられている。デザインは汎用的でタウンユースに用いても違和感がないだろう。

細身で上下コンパートメント式の「Classic P211」

 線ファスナーで開閉するレンズポケットを備えた細身のショルダーバッグ。

ClassicP211

 上下2段のコンパートメントを備え、一眼レフボディとレンズ3〜4本(あるいはレンズ1〜2本とクリップオンストロボなどのアクセサリー)もしくはミラーレス機と3〜5本のレンズを収納可能。下段のコンパートメントには傘や小型三脚を収めることもできる。フロントポケットはメディアケースや携帯電話などの小型のアクセサリーを、背面ポケットはタブレット端末を収納することを意図して設けられている。

 素材には1000デニールナイロンを使用。線ファスナーはYKKセルフヒーリングジッパー、バックルはデュラフレックス製。トップハンドルとロゴは本革。オリジナルモデルと同じ素材と製法であるという。

 オリジナルは1979年に登場。テンバ初の細身ショルダーバッグであり、線ファスナーのポケットを備えた初のモデルだった。

TENBA(テンバ)ロゴは本革製
デュラレックス製バックル
線ファスナーの引き手にもロゴが入る
ストラップのリング部分
服に当たる面はバリスティックナイロンではないので服を傷めない
ハンドル部分の握りは本革

 機材をつめて試用してみた。上段コンパートメントにはAPS-Cフォーマットミドルクラス一眼レフボディ+標準レンズ相当単焦点レンズ(35mm F2)、高倍率ズームレンズ(18-200mm)とクリップオンストロボ。下段には標準マクロレンズとブロアー、ステレオマイク。前面ポケットは手帳とペン。「ひととおりのものは写せる装備」を収めても薄型なのはいい。背面ポケットには出先でもらうかもしれない紙の資料なら入るだろうか。

 これだけ収めても薄型で、一日提げて電車で移動するような用途でもかさばらない。膝の上や座席に置いても邪魔にならないだろう。

 なお上段への70-200mm F2.8クラスの収納は推奨されてはいないが、筆者が試したところ収納は可能だ。ただしその場合は下段の直下のコンパートメントには大きなものを入れないほうがいいだろう。

上部コンパートメントに機材をつめてみた。70-200mm F2.8ズームレンズとAPS-Cサイズミドルクラス一眼レフボディ+35mm単焦点レンズ、クリップオンストロボを収納したところ
フラップ裏側と内部はグレー
前面ポケットにはソフトメディアケースや筆記用具などの薄いものを収納可能
フラップのポケットにはB6サイズの手帳が収納できた
裏面ポケットはタブレット端末が収納できるとあるが、手帳程度にしておくほうがよさそうだ。B6手帳を縦にしても収まる
下段コンパートメントには左右に仕切りがあり、レンズやアクセサリーを収納できる。写真はレンズとブロアー、外部ステレオマイクを収納した例

収納量を調整できるClassic P415

 側面の線ファスナーを開けることで、マチを広げて収納量を倍に増やすことができるショルダーバッグ。オリジナルは1986年に登場した。

Classic P415

 前面アクセサリーポケットは緩衝材入り。前面には傘などをひっかけることができるベルクロループがあり、背面にはカートに乗せてバッグを固定できるトロリーストラップが設けられている。背面ポケットにはタブレット端末を収納できる。材質は1680デニールナイロン。

 収納の目安はバッテリーグリップを装着した一眼レフと交換レンズ2〜3本(70-200mm F2.8程度まで)に、クリップオンストロボなどのアクセサリー。

ストラップは線ファスナーの奥のマチ部分に固定されている
線ファスナーを開けてマチを広げると収納量を増やすことができる
マチを広げて収納したところ。カメラ機材の他、11インチ薄型ノートPCのほか、出先で入手した資料やお土産を入れることができる

ミニマムデザインのClassic TENBA2

 線ファスナーで開閉する、重さ1ポンド(約450g)程度の重さが特徴のバッグ。オリジナルは1979年に登場した。

Classic TENBA2
収納の様子

 収納の目安はミラーレス機ボディと3〜4本の交換レンズ、または一眼レフボディとレンズ2〜3本、さらにクリップオンストロボなどのアクセサリー。前後のポケットにはノートや小物を収納できる。材質は1000デニールナイロン。

使いたいレンズと状況に応じて

 カメラバッグに求める要素はユーザーそれぞれによって違うはずだ。用途別に自分の使用機材とアクセサリーをどこまで収納できるかを考えるだろう。

 筆者の場合は「取材用」「趣味本格撮影用」「趣味散歩用」で異なる。具体的には取材用ならばデザインは派手すぎず、ミドルクラスデジタル一眼レフボディ1台(メインボディは首から提げて予備ボディを収納することもある)とクリップオンストロボ、交換レンズ3本(高倍率ズームレンズ、マクロ、非常用標準レンズ相当単焦点)、手帳、筆記用具、交換電池、メディアケースが収納できることが必須だ。最近は、薄型ノートパソコンとAC電源もできればあわせて収納できるものが望ましい。

 一方、作品撮りおよび趣味本格撮影用ならば、予備ボディと70-200mm F2.8クラスズームレンズ、300mm F4クラスレンズを含む4〜5本のレンズ(趣味では単焦点派なのです)を収納できる、大きすぎず当たりの硬くないバッグが望ましい。公共交通で持ち運び、撮影時にも提げていることが多いため、万が一、人にぶつけても痛がられないようにしたいし、自分も疲れないためだ。

 そして、趣味散歩用ならばデザインはポップでカジュアルなものも楽しい。ボディ1台と単焦点レンズ2本。あとはタオルハンカチやカフェマグ、メガネと手帳が入れば充分だ。携帯音楽プレーヤーや文庫本、予備電池とブロアーが入れられたら完璧だろう。

 このように、カメラバッグは製品ラインナップがあればあるほどありがたい。好きなブランドでサイズ違いがあると、用途別にも選びやすい。そういう意味では、現在のトレンドに応じてテンバから複数の復刻版が登場したことはうれしいニュースだ。

 アメリカにはテンバの熱狂的なユーザーがいるようで、クラシックシリーズの復刻に際して、以前のモデルを提げてトレードショーに現れるファンや、テンバにメールを送ってきたファンが多数いるそうだ。テンバブランドの今後の動向を見守りたい。

秋山薫

(あきやま かおる)1973年生まれ。早稲田大学大学院文学研究科修士課程修了。月刊カメラ誌編集部員、季刊カメラ誌編集長を経験。編集者・写真家として活動中。現在は私鉄沿線情報誌編集部に勤務。Kindle電子書籍「ぼろフォト解決シリーズ」の執筆・編集も行っている。